安田レイ、第二章の幕開け「大人の階段を上っていることを証明できる曲」
INTERVIEW

安田レイ、第二章の幕開け「大人の階段を上っていることを証明できる曲」


記者:木村武雄

撮影:安田レイ

掲載:19年07月12日

読了時間:約11分

 安田レイが17日に、12thシングル「over and over / dazzling tomorrow」をリリースする。デビュー6周年を迎える彼女が「安田レイ第二章」と位置付ける意欲作。歌い方にも変化はみられ、新たな章の始まりを印象付けさせる楽曲に仕上がった。「大人の階段を上っていることを証明できる」と語る今作、そして6周年を迎えたいまの思いを聞いた。【取材・撮影=木村陽仁】

言葉の大切さ、一緒に涙を流せる存在

安田レイ

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――ツイッターで「なぜヘイトが増え続けるの?」と綴っていましたが、何か思うことはあったのですか?

 最近、なぜ人間ってこんなに攻撃するんだろうと思うことがあって…それでツイッターに書いてしまったんですけど…。批判的な言葉を書いている人って、自分が書かれたら傷つくはずなのに、なんで他人にやるんだろうなと。人間を人間扱いしないといけないと思う。それを世の中に言いたくて。愛のない言葉が世の中に溢れかえっていて、何かあるとすぐに叩くし。この仕事をしているとそういう言葉が目に入ってくることがあって、なるべく気にしないようにはしているけど、でも人間だからどうしても気になってしまうところもあって。「みんなと同じ、傷つくこともあるんだよ」ということを知ってほしい。完璧な存在はいないと思うし。

――みんなが叩いていたら叩いていいという風潮がどこかでありますよね。

 言葉ほど痛いものはないと思っていて、もちろん、暴力とか目に見えるものも痛いけど、言葉の重みは、曲を作っている、歌っている身としてもすごく大事に思っていて。私は3歳から日本でずっと生活して、日本の学校にも通ってきたけど、若いとき、特に小・中学生の時は思ったことはすぐに言葉にしてしまう時で、悪気なく言っていることだと思うけど、私はこの見た目だから「国に帰れ!」とか「外国人!」と言われて傷ついたことがあったので、言葉には敏感です。いまは、思ったことを何でも言えるピースな時代ではあるけど、だからといって人を傷つけるのは良くないと思います。1回ちゃんと自分の頭の中で考えて冷静になって伝えてほしい。

――今のお話を聞いて、安田さんの歌声にぬくもりを感じるのは、言葉を大切されているからこそ、歌詞を大事にして歌われているからなのかなと思いました。今回の新曲「over and over」からもそれを感じますが、どういうことを届けたいですか?

 タイトルは、訳すと「繰り返す」という意味があって。自分の人生を振り返った時に、私たち同じことを何度も何度も繰り返して生きてきているなと思えて。朝起きて、準備をして、仕事、学校に出かけて、それぞれの現場でいろんな出来事があって、人間関係やストレス、時には良いこと、生きていて良かったと思えること、なんでこんなことがこのタイミングで起きるんだろうと気持ちがすごくブルーになって立ち止まりたい瞬間もあって。でもその波があるのが人間くさいなと。そうしたことを繰り返していくなかでいろんな感情が増えていったり、減ったり。その波が人間らしい。良いことって悪いことがないと光らないと思うし、人間くさい自分の人生がなんだかんだいって好き。

 そうした繰り返される日々のなかで、私はどうして前に進んでいけているんだろうとも思えて。そうやって考えていくうちに、近くいる人のおかげなんだと気づけて。不安というブルーな気持ちを共感し合える、一緒に涙を流せる存在のおかげだなと思いました。私の場合はファンであり、スタッフさんや友達、家族がその存在です。この曲は「涙」がキーワードになっています。この曲を歌うことで、近くにいる人をより感謝する気持ちが強くなりました。ぜひ大切な人を思い浮かべながら聴いてほしいです。

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