悩んでいた時期
――これまでの活動を、こういうベストアルバムという形で振り返ってみるといかがですか?
片平「今回はスタッフみんなと選曲して曲順も決めて、1曲1曲改めてしっかりと聴いたんです。『面白いこと言ってるなぁ』とか、『10代で意外に分かってるな、何も知らないくせに(笑)』とか思いましたね。私は音楽以外のことは、凄く飽きっぽいんです。一通りやりきるとすぐに飽きてしまうんです。だから、音楽でも毎回同じものは作りたくないと思っていて、曲調なども日々変化していると思います。ベストを聴くと改めてそういう部分もしっかりできているなと。
――「最高の仕打ち」からの「からっぽ」の流れはすごいですよね。
片平「1枚まるまる聴いて重くなるよりも、明日への活力になる方がいいなと思って。と言いつつ、『最高の仕打ち』からの『からっぽ』という最後は重ためなんですけど。それでも、温かさの残る曲順にできたと思いますね。
――「からっぽ」も初めはリアルというか、サウンドが重なっていって浄化されるというか。最後で良かったと思いました。
片平「『からっぽ』はどこに置けばいいか分からなくて、居場所が最後しかなかったんですよね。そうですね、最後以外居場所が無かった説が(笑)。何となくこういう気持ちで聴いてもらいたいとか、全部並べて聴いた時にスッキリしてもらいたいとか考えて並べました」
――そして、改めて「なまえ」の存在感が凄いということを感じました。
片平「うれしいですね。悩んでいた時期に書いた曲で、音楽活動しながらも人と比べてしまうし、そういう職業なのである程度しょうがないのですが。そうしていくうちに自己喪失して、自分が何であるか分からなくなってしまって。内に内にこもるようになって自分ってなにがあるのかなと文字を書いたりして考えて。最終的に、生まれてすぐの瞬間に親から名前というアイデンティティーを与えられたというところに行きつきました」
「なまえ」は、自身の幼少期を見つめて書いた楽曲だ。当時、片平はこう語っていた。
「この曲を書くまでに10カ月くらいのブランクがありました。その間、リリースできる曲というものにいまいちパッとしたものが無くて…。そのブランクの中で自分と向き合える時間があって、その間に自分の弱さなどに気付いて『もっと自分に自信を持ちたい』という欲望が強くなっていったんです。その中で、幼少期の事を思い返して書いた言葉や記憶が凄く自分の中で響いたんです」
「伝える」という事を大前提で考えて書いたのがこの曲であり、「音楽としての歌」ではなく「“歌”を歌いたい」と思えた曲だった。それは使用楽器にも現れ、自身の声とメロディを軸に作るため、アコースティックギターも使わなかった。そうした思いが曲のパワーになっている。














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