頑張りすぎないでいい、175R 20年経った今辿り着いた境地
INTERVIEW

頑張りすぎないでいい、175R 20年経った今辿り着いた境地


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年10月12日

読了時間:約15分

ほとんどの人が知らない楽曲「Dear Friends」

YOSHIAKI(撮影=冨田味我)

――精神性が反映されないことの方が難しいですよね。

SHOGO 出ちゃいますね。ベストを制作するにあたって沢山の曲から選ばなければいけないんですけど、175Rは「空に唄えば」のようなイメージが強いと思うんです。前のインタビューでも話しましたが、青春パンクと呼ばれていることに関しても当時は嫌悪感もありました。押し付けられると反発してしまう、そんな20年でした。青春パンクという言葉を自分たちから発するのも嫌でしたから。

――メンバー間でも青春パンクと呼ばれることについて話したりも?

YOSHIAKI 暗黙の了解で特にそういった話はしなかったと思います。

SHOGO でも、取材とかでも青春パンクと言われるのが嫌でしたね。それを割り切れたのは活動を再開してからですよ。自分たちがやることに関して今はなんと言われても良いです。他にも沢山そういうふうに呼ばれているバンドがいたんですけど、自分たちは一括りされたくないという思いがありましたから。それもあって対バンをしなくなって、僕らはワンマンライブばかりしてました。きっとそれもその表れだったと思います。今、過去の楽曲を聴くとその時にやりたかったことを、色んな切り口で出していたんですけど、歌詞を書いているのは僕なので芯みたいなものは変わらないんです。調理の仕方みたいなものは変えていたりするんですけど、素材は一緒なので。「ANNIVERSARY」は今までの175Rも見せれたし、新しい一面も見せれたかなと。

――うまく融合できた一曲ですね。

SHOGO 過去にはアルバムによってやりたいことが変わっていったこともあって、応援してくれたみんなも戸惑ったこともあったと思うんです。ただ今回のベストに関しては20年ということもあり20曲を選ぼうということになって、今の175Rのベストセットリストを作ろうという思いで選びました。なので、変わったことをやっていた時の曲は入っていないんです。こうやってベストを出せることが幸せだし、この曲たちでライブもやっていける選曲です。

――あと、初回生産分にはアマチュア時代に自主制作されたデモテープ『1769-INAROCK-』と、結成1周年記念で来場者に配られた「Dear Friends」がダウンロード出来ます。ファンにはたまらないアイテムですね。

SHOGO そうなんです。僕の家からテープを引っ張り出してきて、それをマスタリングしてもらいました。

ISAKICK 「Dear Friends」を配布した時のライブ、実はほとんど友達しか来てなかったので、ほとんどの人が知らない楽曲なんですよ(笑)。

――ちなみにこの「Dear Friends」はYOSHIAKIさんが叩いているんですか。

YOSHIAKI これは僕が叩いていますね。レコーディングした記憶がありますから。

ISAKICK 自分たちでスタジオにMTR(マルチトラックレコーダー)を持ち込んで録りました。なので、めちゃくちゃ音悪いです。ずっとノイズが入っていますから。あとギターしか聴こえない(笑)。

――すごく聴いてみたくなりました(笑)。ちなみに今作のジャケットに映っているテープが『1769-INAROCK-』ですね。

SHOGO そうです。これは自分たちでダビングして沢山売りましたね。CDジャケットには僕らのグッズなど散りばめています。

――10月13日から東名阪を周るツアー『175R 20th ANNIVERSARY TOUR 「乾杯」』がありますが、どのようなライブになりそうですか。

SHOGO このベストの曲からほとんど演奏すると思いますし、日替わりの曲もやろうかなとも思っています。東名阪それぞれが僕らの20年がギュッと詰まった夜になると思うので観に来て欲しいですね。もうこの3日間しか予定は入れていないので、このツアーに賭けています! 11月からは今の所スケジュールは真っ白ですから。

――とはいえ、制作には入るんですよね?

SHOGO 曲が出来ればもちろん作りますけどね。

YOSHIAKI 緩めなので(笑)。

SHOGO 「ANNIVERSARY」の<もうこれ以上頑張りすぎないでいい>じゃないですけど、無理して作らない、それをこの20年で学んだことの一つかもしれません(笑)。今は個々で2人とも活動しているので、僕はそれを親のように見守っています。

――では、今回のツアーで完全燃焼して、そこから30周年に向けてゆるくスタートですね。

SHOGO 30周年でもう一枚ベスト盤を出せてたらすごい人生だなと思いますね。10周年で1枚目のベストを出して、20周年の2枚目では1人抜けて、30周年ではどうなっているかはわからないですけど、次のANNIVERSARYに向けて頑張っていきたいです。

(おわり)

この記事の写真

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事