クラブ発で合流できた、SPICY CHOCOLATE×CYBERJAPAN DANCERS
INTERVIEW

クラブ発で合流できた、SPICY CHOCOLATE×CYBERJAPAN DANCERS


記者:小池直也

撮影:

掲載:18年08月16日

読了時間:約12分

 レゲエサウンドクルーのSPICY CHOCOLATEが7月24日、デジタルEP「シリタイ feat. C&K & CYBERJAPAN DANCERS」をリリースした。毎回異色のコラボレーションを実現する彼らだが、今作でもC&KとCYBERJAPAN DANCERSという、ユニークな共演を見事に果たしている。夏にぴったりなリード曲と他3曲を収録したこのEPについて、今回はSPICY CHOCOLATEのKATSUYUKI a.k.a.DJ CONTROLERと、CYBERJAPAN DANCERSのKANAE、KAZUE、NATSUNEに語り合ってもらった。「僕たちはクラブでの活動を積み上げ、今ここで合流した」とKATSUYUKIが語る様に、一見何の共通点もない彼らを繋ぐのはクラブでの活動を積み上げてきたという事実。そこからこのコラボの真の意味が見えてきた。【取材=小池直也/撮影=冨田味我】

C&K、CYBERJAPAN DANCERS、客演の経緯

――まずC&K、CYBERJAPAN DANCERSを客演に迎えるというアイディアはどの様な経緯で?

KATSUYUKI 2018年1発目がこの曲で、続けてきていた『渋谷純愛物語』シリーズが3部作で昨年完結したので、今年から新しいシリーズを作りたいなと。

 その中でC&Kさんは以前からライブも観に行かせてもらって、偶然鹿児島で一緒になったりもありました。公演を観ていて、いつかレコーディングしたいなと以前からアプローチはしていたんです。CYBERJAPAN DANCERSさんもよく現場で一緒になって。遠目で見ながら、いつかコラボレーションできたらいいなと。そうしたら今回タイミングが合って共演が実現しました。

KANAE・KAZUE・NATSUNE 感動ー! すごーい!

KANAE オファーのお話を頂いた時、私とKAZUEは韓国旅行に行っていたんです。トッポギとかを食べていたら、マネージャーからLINEで共演の連絡が来て「えっ!」となりました(笑)。私が歌を出させて頂ける様になったのはここ何年かの話だし、他のアーティストさんとコラボなんてまず思ってもいなくて。SPICY CHOCOLATEさんの楽曲もすごい聴いてたし、C&Kさんの曲もすごい好きだし、妹もライブに行っていました。もうトッポギどころじゃありませんでしたね(笑)。

KATSUYUKI だからやっぱり奇跡のコラボレーションですよ。

――レコーディングについてはいかがでしたか?

KATSUYUKI CYBERJAPAN DANCERSさんからは4人参加して頂いて、声を入れてもらいました。皆さん個性的なボイスでしたね。

KANAE プロの方々の中でレコーディングだったので、本当に緊張でしかありませんでした。なので先に自分より若い子を録音させたりして(笑)。でもSPICY CHOCOLATEさんが女の子の気分を上げるのがとてもお上手でした。曲のイメージも「君たちは高嶺の花だから、見下すくらいの気持ちでセクシーに」と説明してくれたので、歌っている時の顔はすごい性格の悪い女だったと思います。

KAZUE そのおかげで緊張がほぐれたんですよ。

KATSUYUKI 今までたくさんのアーティストさんと楽曲を作らせてもらいましたが、やっぱりそれぞれ空気感が違うんです。そこに合わせていける様にこちらはフラットで対応する事を心がけていますよ。皆さんがやりやすい様にしてもらうのが前提ですね。

KATSUYUKI

KATSUYUKI

――サウンドも現行のEDMを意識した様なアゲすぎないクールな質感でしたが、この方向性はどこから?

KATSUYUKI C&Kさんと何回もディスカッションして、最終的にレゲトンぽい様な体が動くものをイメージして作っていきました。C&Kさんは天才肌で発声の領域も広いですし、さすがだなと。リリックの言葉づかいもめっちゃ遊んでるんですよ。最初の歌詞も縦読みすると<お・し・り・お・し・り・ら・ぶ(愛)>になっている。

 最初僕もわからなかったんですけど、どれだけ気づく人がいるのかなと思います。今までこんな歌詞の書き方をする人はいなかったので、ここまで考えているんだなと。歌詞についてはお任せしていましたが、素晴らしい歌詞を出してもらえたと思います。

KAZUE ただでさえ客演で歌うのが初めてで緊張したんですけど、こんなに良い曲をやらせて頂けて嬉しいですし、メロディも頭から離れないですよね。

――カップリングの「あの夏の feat. TAK-Z & Babykiy」についてはいかがでしょうか。

KATSUYUKI 夏の思い出にハマる様な1曲に仕上がっています。ミドルテンポで聴き心地がよいものになりました。「シリタイ」も体を動かせて踊りたくなる様な曲なんですけど、こちらは体を横に揺らしながら聴いて頂けるかと思います。

 それから「I miss you feat. 清水翔太 Lovers Remix」、「君のことが好きだったんだ feat. BENI, Shuta Sueyoshi(AAA) & HAN-KUN Lovers Remix」についてはLovers Remixという事で少しレゲエ調なサウンドになっています。僕はクラブでDJもやっているので、通常の音源とは別にクラブでかけられる様なリミックスを作りたいなという話になって。なのでこういう形で作る事ができました。この新作の集大成も来年春くらいにはアルバムにしたいと思っています。

――昨年ベストアルバム『スパイシーチョコレート BEST OF LOVE SONGS』を制作されて、今はどういう方向性を目指しているのでしょうか。

KATSUYUKI よい意味でお客さんを裏切りながら、期待もしてもらって、楽しめる様なものを打ち出したいという気持ちはあります。「SPICY CHOCOLATEってあんな感じでしょ?」というイメージではなく「こうきたか!」というカウンターを打ちたい。その1発目が今回のEPという事です。

 今までの曲調で来たら、まさかこういう曲で来るとは思わなかったんじゃないですかね。CYBERJAPAN DANCERSさんが格好よく踊っているミュージックビデオなんて想像もしていなかったんじゃないですか。だから面白いかなと。MVは個人的に過去最高に過激でセクシー。

KATSUYUKI、CYBERJAPAN DANCERS

KATSUYUKI、CYBERJAPAN DANCERS

――今一緒にやってみたいアーティストがいれば教えてください。

KATSUYUKI 僕はずっと言ってるんですけど、松田聖子さんと福山雅治さんのコンビネーションを作りたい。担当の方、是非ともよろしくお願い致します(笑)。やっぱり「この人とこの人は絶対ありえないでしょ」という組み合わせに惹かれますね。新作もそうですよ。そういう閃きはぱっと思いついたり、スタッフと協議しながら浮かんだりです。

 現実的に松田聖子さんと福山雅治さんができるのかどうなのか、という事は99パーセントできない方が確立高いと思います。でも言っておく事でもしかしたらひっくり返るかもしれない。ただ胸に秘めているだけなら自分だけのものですけど、これを吐き出して言霊にする事によって夢が叶うかもしれませんから。今後は国境を越えて海外のアーティストともコラボしたいですし、日本のまだやった事のない方とも一緒に曲を作りたいです。

――客演を招く時はコミュニケーションの難しさもあると思うのですが、そこはいかがですか。

KATSUYUKI もちろん大切です。今回はどうでした?

KANAE すぐチーム感が生まれましたよね。安心してご一緒する事ができました。積極的に引っ張ってくれる様なところもあって。

KATSUYUKI 今日一番嬉しい言葉をもらいました(笑)。僕たちはプロデュースする側なので、CYBERJAPAN DANCERSさんやC&Kさんの良さをどれだけ引き出す事ができるのかは自分の力量にかかっています。だからコミュニケーションは自分を強調せずに、アーティストさんと話して進めていく事が多いですね。

 それは日常生活も同じだと思うんですよ。自分を打ち出してグイグイいくのか、そういうコミュニケーションをとらなければいけない場面もありますけど、まずは静観。それは恋愛も同じだと思います。

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SPICY CHOCOLATE×CYBERJAPAN DANCERS
SPICY CHOCOLATE×CYBERJAPAN DANCERS
KATSUYUKI
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