AKB48単独コンサート

 峯岸みなみは最後に、大きな財産を後輩に残した。28日にAKB48劇場で卒業公演を控える峯岸が22日、横浜市内で卒業コンサートを開催した。1期生を含む卒業生31人がサプライズで登場する異例の演出に、観客だけでなく現役メンバーも興奮の面持ちだった。まさに“神コンサート”だった。

 秋元才加、宮澤佐江、河西智美、北原里英、指原莉乃、篠田麻里子、板野友美、大島優子たち。一時代を築いたとあって華やか。高橋みなみの煽りは、その場を飲み込むほどの迫力があった。さすが初代総監督、そう思わせた。卒業から数年が経っているが、輝きと勢いがあった。厳しい言い方をすれば、現役メンバーが今、失いかけているものがそこにはあった。

 現役メンバーはこの1年、コロナ禍で思うような活動が出来なかった。NHK紅白歌合戦への出場も途絶えた。自信を失いつつあるように見える。そのなかで迎えた峯岸の卒業コンサート。コロナ禍で1年延期しての開催となったが、結果として得たものは大きい。一時代を築いた卒業生の華やかな雰囲気、そしてパワーを肌身で感じた。そしてその成果は翌日、早速表れた。

峯岸みなみと高橋みなみ

 23日のAKB48単独コンサート。前説の影ナレを務めたのは、現AKB48の主軸、岡田奈々。前日の峯岸卒コンでも務めたが、峯岸卒業で1期生全てが卒業する最初のコンサートではその意味合いが違った。そして、終演後の後説の影ナレは村山彩希が務めた。

 本編最初の曲は「愛の存在」。イントロが流れ、出演メンバー64人が並び、向井地美音が「きょうは48曲ノンストップで行きます!」と叫ぶ。そして、岡田奈々が「メンバー、全員声出せー!」と煽った。尋常ではない気合いの入ったシャウト。前日感じた高橋みなみの迫力をも忘れさせるほどのエネルギーがあった。

 その後も武藤十夢が「よっしゃいくぞー!」と煽り、倉野尾成美が「お前らの出したい声を私が出すぞ!」と声を張り上げた。

叫ぶ向井地美音

シャウトする岡田奈々

煽る倉野尾成美

 気合いと気概がこれまでと違った。自信を失いかけ弱々しく見えた彼女達の姿はそこにはなかった。何よりもその心構えは48曲ノンストップという形に表れていた。演出を担当した柏木由紀が語った「私たちの想いや気合が皆さんに伝わっていると嬉しいです。1期生が全員卒業した今、今までのAKB、そしてAKBを作り上げてくれたメンバーへの感謝の気持ちを忘れず、これからのAKB48はもっともっと大きなステージに向かって歩んでいきたいです」という言葉にも表れている。

 そして、柏木演出は全員にスポットライトが浴びる内容だった。峯岸、柏木の、後輩メンバーが誰かの目に留まってほしいという思いがみえる。

 峯岸が最後に残したのは過去の実績ではなく、一時代を築いた卒業生たちの気概、心意気、迫力、そして輝き。それを肌で感じた現役メンバー。このコンサートで何度も口にしていた「受け継ぎ未来に繋げたい」。単なる体裁ではなく、その真意が2日間ではっきりと表されていた。迷いが消え覚悟を決めた人は強い。新生AKB48、もう「前しか向かねえ」。【木村武雄】

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