どんなことがあっても負けない、urata naoya 確固たる決意
INTERVIEW

どんなことがあっても負けない、urata naoya 確固たる決意


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年07月25日

読了時間:約12分

 AAAのリーダーでもある浦田直也が7月25日に、urata naoya (AAA)として1年3カ月ぶりとなるNEWアルバム『unbreakable』をリリースする。「ファンの方々にもっと自分を好きになってもらうため」にと自身をさらけ出した前作『unlock』で解放した彼が届けたのは、“unbreakable”(=壊れない)な確固たる決意。その強い意志は、アルバムの冒頭を飾る「unbreakable -introduction-」からの「Checkmate」の力強い音楽でも感じることができる。インタールードを挟むなど1日の時間の流れを表現したという今作の制作背景を聞くとともに、今作で新たなステージに突入した彼の現在の歌に対する思いなどを聞いた。【取材=村上順一】

ここから先は本当に強く輝くから

『unbreakable』CD盤ジャケ写

――『unbreakable』が完成した今の心境は?

 去年の今くらいの時期には頭の中で描いていたものなので、「やっと聴いてもらえる」という気持ちです。1年が過ぎて、改めてそのときの想いを書いたり歌ったりすると、自分で自分が面白いです。そのときの自分を改めて見つめ直すことができるので。そういう意味では、今ももちろん想っていることがあって書きたいことはあります。でも、現在のことを今歌って人に見せるというのは、ちょっと聴く人も受け取り辛いし、伝わり辛いと思う部分がありました。時間という壁をつくることで、過去のことだから「実は…」と素直に言える想いがあると思います。

――“今”を歌わないというのは興味深いです。改めて前作『unlock』を制作した動機もお聞きしてもいいですか。

 去年『unlock』を作ったときに初めて全曲自分で作詞をしたいというのと、心を解放することになったきっかけが、AAAも含めて10年を迎えたことです。続けてこられた感謝もあれば、続けなきゃいけなかった日々、やらなきゃいけないことも、やりたいなという希望もありました。

 色んなことがこの10年の中であって、ファンの方々にもっと自分を好きになってもらうためには、もっと本当の自分を怖がらずに出して、もっと貯まっているものを解放して、自分自身で楽しんでいかなきゃなと思いました。『unlock』は辛かった思いや苦しい思いや、本当はこうなりたかったというのを、一度全部出すことで本当の弱い部分を見せても好きでいてくれる人は好きでいてくれるだろうと思ったときに出来たアルバムだったので。

――いくら過去の事とはいえ、さらけ出すのは勇気も入ります。

 それを出せたので、次はちゃんと、「どんなことがあっても負けない」ということを応援してくださる方々に見せないといけない、と思いました。そうしないとみんな「この人は言いたいこと言うだけ言って…」となってしまうので。『unbreakable』という、破れない、絶対壊れないという『unlock』を乗り越えた、ここから先は本当に強く輝くから期待していて欲しいという意味を込めてこのタイトルをつけました。

――特に『unbreakable』を象徴する曲は?

 「unbreakable -introduction-」からの「Checkmate」かな。これから始まる新しいストーリーのオープニング、強い感じと“urata naoya”という存在を思い切りアピールできるのが歌以外で何だろうと思ったときに、ファンファーレというかズンと前に進んでいることを音で表現できると考えました。その音楽でドーンとやってくれることによって「何か変わったね」と思わせるもの、urata naoyaが前から風を切って歩いてきます、みたいなイメージなんです。

――その「Checkmate」で、キーとなる歌詞の一節を挙げるとしたら?

 <乾いた心で倒れかけたなら 強くやり直す 涙流せばいい>、ここはアルバムのキーになっているかなと思います。

――<創り上げた赤 塗り潰せばいい>という部分の「赤」は何を示しているのでしょうか?

 まず、前作が自分の中では冷たい感じの色イメージがあって。今回は温かいものにしたいなと思いました。「白黒をつけたい」というのと「強く」というのを照らし合わせて、チェスの馬みたいに前にとりあえず進むというイメージにしたかった。白黒で色も全然想像がつかない世界となったときに、何かでそれを塗りつぶすと決めて。今の自分の気持ちは赤く燃える感じで、ちゃんと温度を感じる色、赤で塗りつぶしていけばいいよと。

――その手前の<白と黒だけの 未来変えるよ>という部分からの繋がりなんですね。

 そうです。白は「勝ち」「本当」で黒は「負け」「嘘」という意味合いやイメージがありますけど、本当のことを言っても誰かが嘘と言ったら嘘になってしまうし、嘘を言っても誰かが本当だと言ったら本当になってしまう。そうなってくると、黒も白もなくて。「僕、黒なんです」と言っても「そんな悪い人ぶって。白なのに」という、その駆け引きが難しい人生や勝負になるんだったら、それらの色とは全く関係ない赤でやってしまえば強いなと思って。

――決意が込められているのですね。さて、続いて情熱的なナンバー「you are my xxxxx」なのですが、「xxxxx」の部分には何が入るのでしょうか。

 これは内緒です(笑)。答えを出してしまうと、みなさんが妄想することを奪ってしまうのは心苦しいので。これを恋愛だと思っている人がいるのであれば、そう思ってくれて構わないし、友達とか仲間のことだとか思ってくれても構わないです。あと「xxxxx」だけど実際に最後に歌っている部分は5文字ではないんです。それは答えにはあまり関係ないというか、表現したかったものに対するイメージを言っているだけで。

――妄想を掻き立てられますね。この歌詞はどのような経緯で書き始めましたか?

 はっきり言ってしまうと、曲中の世界観はそんなに意識していないです。「これを伝えたい」とか、そういうことはなくて。この曲に関してはアルバムのスパイスになるような、「何この曲?」と言葉も気になるもの、印象が残るものが作りたくて。「何で服の色が灰色なの?」とか、「何で12時じゃなくてテッペンなの?」とか、そういうワード的に引っかかるものを作りたいなと思いました。単純に自分がこの曲を作り上げるために、勝手に自分が「これについて書いてみよう」と決めたものを違う視点から見たときに「これを女性に喩えてみよう」とか「これを物に喩えてみよう」と思ったときに出てきた歌詞です。

――「xxxxx」の部分がわかる人というのはどういう人だと思いますか?

 僕と同じような人間じゃないですかね(笑)。ヒントとしてはMVにほぼ答えが出ていると思います。

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