キンタロー。「殺されそうだけど大丈夫」ものまね炎上にも前向き
お笑い芸人のキンタロー。とムーディ勝山が4日、都内でおこなわれた、お笑いコンビ・髭男爵の山田ルイ53世の『一発屋芸人列伝』(5月31日発売、新潮社)刊行記念イベントに登場、トークショーをおこなった。キンタロー。は、先月放送された、フジテレビ系『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』で欅坂46の平手友梨奈のものまねを披露し、ネットを中心に批判が殺到し炎上していることを受けて「殺されそうになってますけど大丈夫」と現在の状況を明かした。
『一発屋芸人列伝』は、一時期世の中を席捲したがその後ブームが終焉しメディアから消えていった芸人たちのその後の人生を自らも2000年代に「ルネッサーンス!」のギャグでテレビなどで活躍していた山田ルイ53世が追跡取材。メディアから消えたその後について赤裸々に語ったノンフィクション作品で『新潮45』で連載されていたものの書籍化。同書は編集者が選ぶ『第24回雑誌ジャーナリズム賞』で「作品賞」を受賞している。
今作の刊行を記念し、山田ルイ53世は4日に東京・八重洲ブックセンターで、5日に東京・新宿の有隣堂で2夜連続のトークイベントを開催。4日のイベントでは「僕たちはどう生きるか」と題し著作の中でインタビューをおこなったモノマネタレントのキンタロー。とムーディ勝山をゲストに迎えた。
イベント前には、3人が報道陣による囲み取材に応じた。山田ルイ53世は、『雑誌ジャーナリズム賞』作品賞の受賞について「俺、ジャーナリズム?! と思ったんですけど、久しぶりに褒められて良かったなと思います」と喜びのコメント。
執筆のキッカケについては新潮社の担当編集から声を掛けられたと言い、「最初は傷のなめ合いみたいになると思って、しぶっていたのですがレイザーラモンHGさんにはじめにインタビューをしたらしっくりきたのでやってみました」とその経緯を明かした。
一方、キンタロー。は5月11日に放送された、フジテレビ系の『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』で欅坂46の平手友梨奈のものまねを披露。彼女のTwitterなどに批判的なコメントが殺到し炎上。自身のブログで「松竹芸能にまで怒りの連絡来てるみたいです」と所属事務所にも抗議の連絡が来たことを明かしていた。
山田ルイ53世は、そんなキンタロー。に「あなたは炎上で殺されそうになってますけど、大丈夫ですか?」と質問。
キンタロー。は「いろいろな面で殺されそうになってますけど大丈夫です。ファイヤーな感じで、燃え移って」と答え、山田ルイ53世は「それが怖いんですよ!」とツッコんだ。
インタビューでの様子を尋ねられると、ムーディ勝山は「ちゃんとしていましたよ。こういう衣装も着てないですし」とその様子は語った。キンタロー。は「いつの間にか人生相談室みたいになっていて、悩みを相談していました」と振り返った。
さらに、キンタロー。は「その人の奥の方まで食い込んでいかれてるなと感じました。文才もあって、私も勉強させて頂きました」と著作について語る。
山田ルイ53世は、社交ダンスの世界選手権で7位になったキンタロー。をその予選時の時に取材していたことを振り返り「感動しましたよ」とコメント。キンタロー。も「自分にとってもダンスに救われた人生なんだなと改めて思いました」と自身のインタビューを読んで自身にとってのダンスの存在の大切さに気づいた様子。
また、お笑いコンビのテツandトモのインタビューを読んで勉強になったというキンタロー。は「私も人々に寄り添っていこうと思いました。ご老人から子どもまで愛されるような芸をしようと。そしたらネットで殺されなくなると」と話すが、山田ルイ53世は「その割にはすぐ炎上したよね」と指摘。キンタロー。は「寄り添った結果、まだ寄り添えてなかった…」と不服そうな表情を浮かべていた。
最後に一発屋について、山田ルイ53世は「(レイザーラモン)HGさんとムーディ勝山さん、お二人が日頃から言っていますが、一発屋というのは『一発屋だ』と言われ、自分で負けを認めてそのことを飲み込んだ人間しか一発屋を名乗れません」と語る。ムーディ勝山は「ちゃんと逃げ回って、そこで熟成されるんです。そこで自首してきた奴が一発屋です」と持論を述べた。【取材・撮影=松尾模糊】