香取慎吾が描いた絵画を元にした「レゴ壁画」(撮影=松尾模糊)

 パラアスリートの練習環境施設である「日本財団パラアリーナ」が6月1日、東京・品川区に開館した。これを記念したオープニングセレモニーが同日、同所でおこなわれ、小池百合子・東京都知事や森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長らが出席し、記念のテープカットをおこなった。小池都知事は「メダルを目指して世界の人々に勇気を与える活躍をして欲しい」と完成を祝すとともに、パラスポーツ選手の活躍に期待を寄せた。なお、同施設のエントランスには、香取慎吾が「i enjoy!」をテーマに描いたパラサポオフィスの壁画をレゴブロックで再現した「レゴ壁画」が展示されている。

森喜朗氏、小池都知事などの出席者(撮影=松尾模糊)

 同施設は、日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)が、2020年に開催される東京パラリンピックに向けて、パラアスリートの練習環境整備を目的に新設したもの。パラリンピックの正式競技団体、及びその所属のクラブチーム、個人を対象に体育館施設や設備を無償で貸し出す。

 小池都知事は「選手の方々には一生懸命に練習して頂いて、メダルを目指して世界の人々に勇気を与える活躍をして欲しい」と言い、「パラリンピックの成功なくして東京大会の成功なし。最後まで皆様のご尽力をお願いします。完成おめでとうございます」と施設の完成を祝した。

 森喜朗氏は「立派な施設ができて良かった。できた以上は壊れるくらい使って欲しい」と述べ、「パラスポーツ選手の方々の豊かな人生が花開くような施設になれば」と期待を寄せた。

 また、同施設のエントランスには、元SMAPの香取慎吾が「i enjoy!」をテーマに描いたパラサポオフィスの壁画をレゴブロックで再現した「レゴ壁画」が展示されている。山脇康・日本財団パラリンピックサポートセンター会長は「香取慎吾さんの壁画が迎えてくれて、意欲や意識の向上を後押ししてくれる」とコメントした。

 パラスポーツを実施可能な施設の少なさは依然として課題で、特に体育館でおこなう車いす競技については、床を傷つける等の理由で利用拒否やバリアフリーの問題で日常的な練習場所の確保は非常に困難だという。同施設では、傷つき難い様にワックスを二度塗りしており、そのワックスも特別なものを使用しているという。

完成した日本財団パラアリーナ(撮影=松尾模糊)

 日本パラパワーリフティング連盟理事長の吉田進氏は「車いすで入ってはいけないと言われたり、練習場所の確保は大変でした。まず、この施設を作って頂いたことに感謝したいと思います。大変ありがたいです」と笑顔を見せた。

 ウィルチェアーラグビーの島川慎一選手は「思う存分使わせて頂いて、2020年での東京パラリンピックでのメダル獲得に向けて進んで行きたいと思います。また、全てのパラスポーツの普及と発展の場になることを祈っています」と語った。

 なお、同施設ではメインフロアのほかにトレーニングルーム、男女ロッカールーム・シャワールーム、トイレ、医務室、ミーティングルームを完備している。この日は早速、パラスポーツ選手たちがそれぞれのスポーツの練習に精を出し、汗を流していた。【取材・撮影=松尾模糊】

Photos

記事タグ