絵本の短編集のような感じ、edda さらに広がった独自の世界観
INTERVIEW

絵本の短編集のような感じ、edda さらに広がった独自の世界観


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年05月23日

読了時間:約11分

絵本の短編集のような感じで聴いてくれたら

edda(エッダ)

──そして最後の「案内人」は、eddaさんの作詞作曲。三拍子の曲でトイピアノとかおもちゃっぽい音がたくさん入ってて。

 これは、いろいろな音を使いたくて。トイピアノもそうですし、リコーダーも入っているし、おもちゃっぽい打楽器の音とか。100円ストアでタンバリンやカスタネットを買って、編曲のミワコウダイさんも木琴や鉄琴など、たくさん用意してくださって使いました。幼稚園に置いてありそうな、おもちゃっぽい楽器ばかり使っていて、それもテーマの一つでした。

 あとラスサビのにぎやかなコーラスは“たま”さんの「電車かもしれない」という曲の、最後のほうに出てくる知久さんのコーラスがすごく可愛いかったので、オマージュと言うか取り入れたいと思いました。そのコーラスには、私のゲーム友だちで個性的な声をしている子がいて、本人も音楽活動をやっているので、お願いをしてコーラスを入れてもらいました。

 「さよなら人類」のカバーでたまさんを知って、本当にハマってしまって、私のなかで、たまさんブームが到来していたときだったので、この曲はたまさんからとても影響を受けています。

──<ようこそホリップザワールド>と歌詞がありますが、<ホリップザワールド>というのは、どんな世界ですか?

 自分が案内人として<ようこそ>と迎え入れる、国とか遊園地の名前が欲しくて考えました。ホリップは造語で、希望のHOPEと地獄のHELLから文字を入れ替えて付けました。ただ言葉としては何でも良かったので、HOPEとHELLを組み合わせたことに意味はありませんけど。

 世界観としては、どよんとした空気感のある、夜の遊園地とかサーカス小屋のようなイメージです。そういうイメージを持ってほしくて、曲の始まりの音もどよんとさせています。

──たくさん楽器を使ったとのことで、eddaさん自身でも楽器を演奏していますか?

 はい。リコーダーとかトイピアノとか、自分でもたくさん演奏しました。私はピアノもたいして弾けないので、トイピアノは大変でしたね。買ってきたトイピアノがおもちゃすぎて、強く鍵盤を叩かないと音が出なくて。打音も入ってしまっているんですけど、それも結果的にいい味になりました。リコーダーを吹くのなんて小学生以来でしたけど、すごく楽しかったです。

──ジャケットのデザインは、今回はイラストではないんですね。

 今回は、デザイナーさんにお願いしました。今までは自分でイラストを描いていたので、最初は抵抗感があったんですけど、せっかく今回はいろんな方が楽曲提供や詞曲提供で参加してくださって素晴らしい作品ができたので、この機会にジャケットもお願いしてみるのもありだなと。私だけならたどり着けなかったデザインだし、デザインもお願いして良かったです。

──本の表紙みたいなジャケットですね。

 だから最初は、曲名も1曲目2曲目ではなく、1話2話にしようと思ったんですけど、そこまでやるのはわかりづらいということで、結局それはやめました。それくらい絵本のようなイメージで作ったので、聴いてくださるみなさんは、絵本の短編集のような感じで聴いてくれたらうれしいです。

 初めての経験ばかりで最初は不安がありましたけど、曲が出そろってみたら、eddaらしい作品になったと思います。曲ごとにキャラが立っているのに、並べて聴くと統一感があって1つの作品としてまとまりました。1曲ごとにその曲のベストなものを選択していった結果、最終的にまとまりが生まれたことで、すごくパワーのある1枚になったと思います。

──ライブの予定もあって。eddaさんの世界観はライブでは表現が難しいところもあると思いますが、どんな考え方ですか?

 CDをそのまま再現するのは難しいので、そこで伝わり方にズレが生じてしまう怖さも確かにあります。でもライブでしか表現できないこともあって、ライブという空間にある熱量だからこそ伝わることがあると思ってやっています。曲はCDもライブも同じですけど、同じベクトルのなかでCDとライブという振り幅が生まれるので、そのなかで伝えられることをもっと増やしていきたいです。まだ模索中ですけど、どんどんクオリティを上げていきたいですね。

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