関わった人が幸せになれるアーティストでありたい
――15年を振り返るといろいろな変化を感じると思うのですが、どんなところが大きく変わったと思いますか?
谷内伸也 デビュー当時は子どもだったので、いただいた歌詞に関しても、当時より作詞家さんの意図について、「これだったのかな」といった発見があったりします。
古屋敬多 あとより伝わる歌について考えるようになりました。最近は押し引きが大事なのかなと。簡単にいえば強弱。歌詞の中に物語があって、簡潔なところは強くいった方がぐっとくるかな、とか。まだ自分の中でも模索中なんですけれど、そういう歌い方や声色といったものは、より意識するようになりました。昔はつねに100%で伝える感じだったんですけれど、それだとたぶん、聴く方も疲れるし、向こうも構えちゃうのかな、というのもあって。押し、引き、押し、引きで最近は歌うようにしています。
谷内伸也 まだまだ勉強中でわからないことだらけなんですけれど、みんなで曲を作ったり歌詞を書いたりライブ演出をやるようになったので、だからこそより「気に入ってもらえるかな?」というドキドキ感があります。「お客さんの反応はどうかな?」というのがより強くなったのは楽しいし、それが一番の活力なのかな。ライブで観てもらって、ダイレクトにリアクションをもらえて。いいのか悪いのか。悪いのだったら何が悪かったのかとか。そういったことが一番いいなと、最近はライブ(ファンクラブツアー)をまわっている期間でもあるので、とくに感じますね。
鍵本輝 楽曲やステージに携わる分量が以前と比べて明らかに違うなというのがありますね。もちろん歌詞も自分で書くようにもなりましたし、楽曲を作るようになったからこそ、トラックに対して、「もうちょっとこういうアレンジを効かせたい」とか、「こういうリズム感に直してほしいんですよね」とか。具体的に音楽にのめり込めるようになりましたし、ステージ関しても自分たちで演出などするので、人のライブを観に行ったときも観る角度がまったく違ってきたりとか。「もっとこうしたら、みんなが喜んでくれるんじゃないか」とか、そういうのをつねに考えるようになりましたね。
――最近のライブで、「この見方ができるようになったからこそ変えた」ということはありますか。
鍵本輝 照明ですね。照明一個の作りで見え方がまったく変わりますし。もちろんアーティストさん本人がいて、アーティストさんと発信するスピーカーとマイクがあればどこでもライブできるとは思うんですけど、それにちゃんと色をつけてくれるのがその舞台のセットだったり、照明なので。それがリズムとリンクしていたり、楽曲のイメージとちゃんとリンクしている照明だと、観ているこちらも気持ちいいので、注目しますね。
――ちなみに、Leadはかなり昔から自分たちでも曲作りをしていたと伺ったのですが。
古屋敬多 デビュー2年目くらいからじゃないかな。だから16、17歳とか、そのくらいですかね。
谷内伸也 当時のディレクターさんが「絶対やった方がいいよ」とすすめてくれて。みんな一斉にパソコンとReason というソフト(DAW=音楽編集ソフト)を買ったのを思い出します。
――かなり早かったんですね! でもそのころはどうやって情報を得ていたんでしょうか。
鍵本輝 独学ですね。動画サイトとかも全然なかったので。
古屋敬多 なかったよね。
谷内伸也 周りのディレクターさんから聞いたり。そういう意味では周りの環境に本当に恵まれていたので。
鍵本輝 まだまだ勉強中ですけれどね。あがいています。
――いやいや。でも15年積み重ねつつ、今さらにパワーアップしていて、Leadはすごくおもしろい時期だと思うのですが、今はどんなことを目標にしていますか?
古屋敬多 応援してくれる人だったりとか、今まで出会ってきた人たちとか、たくさんいて。とくにこの15周年というのは感謝の気持ちを改めて感じるタイミングがたくさんあって、いろいろな人の存在が、より大きく感じるんですね。ステージに立つ以上、その感謝の気持ちを持ち続けてやっていきたいという思いは強くあって。あとは「Bumblebee」もファンの方々から「そうきましたか!」「あ! そうこられましたか」みたいな声が大きかったんですけれど、いい意味で裏切ることは、絶対に大事なことなので。そういうことが一つひとつ、これからに繋がっていくんだと思います。個人的には、僕は瞬間にかけているところがあるんですね。そういうものを信じて、人を感動させたり、夢を与えられるような瞬間を作っていけたらいいな。あとは肌の手入れはちょっと頑張っていきたいです(笑)。
――では輝さんと同じく美顔器が必需品に…。
鍵本輝 ぜひ自分で買ってください(笑)。僕はざっくりとした言い方かもしれないんですけれど、スタッフさんも応援してくれるファンの方も、「Leadと関わったら楽しいね」と思ってもらえたらなと。「Leadと接すると、自然と笑顔になっちゃう」とか、「Leadのライブに行って、帰り道はみんな笑顔になっているね」、「明日から頑張れるな」とか。そういうポジティブなものが、僕たちと関わるだけで生まれる。作品もそうですし、自分たちのライブもそうですし、そういうのを生み出せるアーティストになっていけたらと思います。後は個人のスキルを上げて。去年や今年の頭だと、皆それぞれ舞台をやったりソロ活動を経たりすることで力をつけて。Leadに帰ってきたときに、とてつもない力をまた発揮するという。そういう感じになれたらと思います。
谷内伸也 みんなで「これがいいんじゃないか」と話し合いつつ、Leadのスタイルを模索していきたいです。輝が言っていたように関わってくれる人に幸せと感じてもらえたら、それ以上のものはないと思うので。自分たちが納得できるものを発信しつつ、周りにも幸せを連鎖できたら最高ですね。結果、コミュニティが大きくなって、より大きいところ、まだまだ行けていないところにも行って、自分たちを知ってもらいたいなと思うので。そこにつながる努力を楽しんでやっていきたいです。
(おわり)















Lead古屋敬多と桜井玲香主演ミュージカル『FLOWER DRUM SONG』が開幕
Lead、デビュー20年目改めて考える“Leadらしさ”とは
Lead「ずっと見ていてほしい」厳しい期間に感じた危機感と新たな道への気概
Lead「自分たちを超えることができた」新たな出会いが生んだ音楽のグルーヴ
Lead「より多くの人の支えになるような存在に」多彩なシンクロ演出で魅了
Lead、爽快な風と共にステージ登場 暑くも爽やかに熱唱
Lead「ソウルメイトに当てはまる関係」17年の活動で育んだ絆と音楽
Lead、2019年「U.S.A.」越え狙う リリイベで“モザイクダンス”披露
Lead「ストロングな姿も一度見て欲しい」デビュー17年目に見せる新たな魅力