4人組ガールズバンド・GIRLFRIENDが3月24日に、東京・渋谷CLUB QUATTROでワンマンライブ『GIRLFRIEND% JAPAN TOUR 2018 ~CHOCOLATE the FINAL~』をおこなった。2月21日にリリースされたメジャー1stアルバム『CHOCOLATE』を引っさげ、全国18カ所というバンド最長のツアーを完遂しファイナルは東京へ“凱旋“。「ミライリスト」や「キセキラッシュ」などアンコール含め全14曲を披露。SAKIKA(Vo、Gt)は「皆さんを大きな会場に連れていきます」と力強く宣言し、またひとつ成長を感じさせたパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。(本番前の様子は「バンドとしての土台ができた ツアーを経て得たもの」で既報)【取材=村上順一】

感謝をこめて全力でライブをしたい

SAKIKA

 エントランスにはツアーの思い出をボードに貼り、続々と会場には観客が入場してくる。バンド最大規模となるワンマンライブにオーディエンスの胸の鼓動が高まっていくのを感じる。別掲のインタビューでMINAが「客層の幅が広いんですけど、大人の方達が高校生に場所を譲ってあげたりしているのをみて、GIRLFRIENDは優しいファンの方達に恵まれているなと感じました」と話していたのを思い出した。

 開演時刻になると会場の明かりが落ち、シンフォニックなEDMサウンドがフロアに鳴り響き、高揚感が高まるなか、NAGISA(Gt)、MINA(Ba)、MIREI(Ba)の3人がステージに登場。歓声に場内が沸くなか、最後にSAKIKA(Vo、Gt)がゆっくりと定位置についた。デビューシングル「Hide & Seek」でライブの幕は開けた。心躍らせるビートに乗って放出される4人のサウンドは、18本のツアーを廻ってきた成果を感じさせた。

 そして、今まではセットリスト後半で演奏されることが多かった「ミライリスト」を早くもここで投入。1曲目で得たテンションをさらにブーストさせるかのようなパフォーマンスでアグレッシブに展開。集まったオーディエンスを見てSAKIKAは「感謝をこめて全力でライブをしたい」と宣言すると、アルバム『CHOCOLATE』のオープニングを飾る、ざらっとしたワイルドな質感のリフが光るナンバー「甘い誘惑」、そして、MIREI作詞・作曲の「光」、さらにNAGISAがSAKIKAと入れ替わりセンターで歌う場面もあった「360」など出し惜しみなどなく次々と新旧交えた楽曲で披露し、魅せていく。

 「熱がこちらまで伝わってきます!」とフロアの盛り上がりを感じるなか、SAKIKAが中学3年生の頃に作り「なんでもない幸せを身近な人に伝えたいと思った曲です」と「マーメイド」を届ける。クリーントーンのギターが清涼感を与え、SAKIKAとNAGISAの優雅なツインリードも楽曲が持つ情景を映し出していく。続いて彼女たちの等身大な日常が見えてきそうなポップロックチューン「Girl's Talk」では、恒例のコール&レスポンスで一体感を煽っていく。ワンマンということもあり、オーディエンスをセンターで2分割し、MINAチームとNAGISAチームに別れての“コール&レスポンス合戦”を展開。ワンマンならではの演出で盛り上げた。

 NAGISAはバンドサウンドに合わせて“決めポーズ”をお茶目に決め、アルバム『CHOCOLATE』からメンバーの推し曲「JUMP」に突入。緊張感のある弦楽器隊による掛け合いから、MIREIの心地よいアクティブなビートでオーディエンスも体を弾ませヒートアップ。MINAの切れ味の鋭いスラップ奏法、NAGISAのアグレッシブなギターソロと魅せ場もあり、昂ぶるロックサウンドでフロアも掛け声をステージに向け発し、大いに盛り上がった。

皆さんを大きな会場に連れていく

GIRLFRIEND

 そして、SAKIKAがアコースティックギターにチェンジし、ツアー中に18歳を迎えたことを報告。それは自身にとって一つの区切りだったと話し、上京してきてからのことや両親への感謝を語った。その感謝を伝えようと思って書いた曲があることを明かすと「両親に感謝を伝えられていない人はこの曲を聴いて、そのきっかけになってもらえたら嬉しい」と気持ちを込めて、その曲「聞いてほしいこと」を披露。両親と離れて感じた想いを歌に乗せ、しっとりと丁寧に届けた。

 続いて、「上京してから心の支えになっていたのがいつしか、お母さんからメンバーに変わっていきました。やっぱりこの4人じゃなければアカンなと思いました」と話して「ヨンソク」を熱演、4人の絆がより強く感じられた。絶対にこの4人で進んでいくんだ! という絆が全員で歌いあげるサビであふれ出ていた。一つの目標に向かって“四足歩行”する力強さ、一丸となった想い「この4人と皆さんとで夢へ向かっていきたい」と想いを告げ本編ラストは「一直線」。タオルを回し、ライブならではの臨場感のなか、ステージを後にした。

 アンコールの声に応え、再びステージにメンバーが登場。すぐさま楽器を手に取り2ndシングルのカップリング曲「ギャクサンカク」を投下。SAKIKAによる“デジタル対アナログ”の不思議な世界観を描いたロックナンバーで、ガールズバンドらしいキュートな振付で視覚でも楽しませた。そして、MINAとNAGISAのスイッチングボーカルもスリリングだった。

とここで、グッズ紹介や抽選会、さらに記念撮影などおこなった。NAGISAの靴のソールが取れるというハプニングも。

 SAKIKAは「正直、目指していた枚数には辿り着けなかったという悔しい思いと、でも、皆さんが会場入りしている姿を見ていて嬉しいという気持ちがあります。(ステージに)出てきた時の熱量は圧巻でした! ライブでこんなに気持ちが昂ぶることがあるのかというくらい昂ぶって、ここに立てて本当に良かったなと思います。皆さんのおかげです。ありがとうございます!」とオーディエンスに感謝を述べた。

 続けて、「ひとつ言わせてもらってもいいですか?」とSAKIKA。「GIRLFRIENDは絶対に売れるんですよ。いつか東京ドームにも立てる自信があります。皆さんを大きな会場に連れていくので宜しくお願いします」と力強く宣言し、その気持ちを反映させるかの様に「吠えろ」を演奏。会場全体が拳を掲げ勇ましさも感じ取れた瞬間は、ツアー前半よりもひと回りもふた回りも大きく見えた。ラストはその夢へ向かって奇跡を起こすべく、盛り上がり必至のハードチューン「キセキラッシュ」へ。畳み掛けるサウンドでボルテージは最高潮。燃え尽きるほどのパフォーマンスで『GIRLFRIEND% JAPAN TOUR 2018 ~CHOCOLATE the FINAL~』は大団円を迎えた。

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