15年の足跡が形になっている、シド アニメの世界観で開けた音楽
INTERVIEW

15年の足跡が形になっている、シド アニメの世界観で開けた音楽


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年04月04日

読了時間:約15分

15年かけて残してきた足跡が形になっている

――結成15周年、メジャーデビュー10周年という節目の年ですが、今どんなお気持ちでしょうか。

ゆうや

明希 長く続けてきて良かったと言うのが、素直な気持ちです。15年やってこなければできなかったことが、たくさんあります。今回のアニメベストがリリースできることも、今までしっかりやってきたからこそだし。頑張ってきて良かったなと言うのが、率直な感想です。

 このアルバムの中で印象に残っている曲を選ぶのは難しいですけど、敢えて挙げるなら「嘘」かな。僕らの存在を、より世に広めてくれたきっかけになりました。単純に自分たちでも誇るべき1曲と言うと大げさですけど、そんな曲です。どの曲も、自分たちのターニングポイントになったと思います。

マオ そもそも結成した時は、15年後のことまでは想像してなかったですしね。とにかく「売れてやろう!」とか、「人気者になりたい!」とか、俺たちの音楽をもっと知って欲しいと思って始めたものが、こうしていつの間にかたくさんの人を巻き込んでいいチームを作って、お客さんもたくさん集まってくれるようになって、気づいたらいつの間にか15年経っていた。

 振り返ったら、走っていた時には気づかなかった、いろんなデコボコの道だったり、登る時もあれば下る時もあったことに気づけました。15年経たなければ、こういう気持ちにはなれなかったし、経験できなかったことがたくさんあったんだなって。15周年というところに立ってみて、今改めてそんな風に思います。

 それに、表には出ていないところで、個々でもいろいろあったと思うし。それぞれの人生、シドとしての人生を感じます。もっと広いところで、スタッフやファンを巻き込んだ一つの大きな塊としての人生もあって、15年もやると、それはこんなにも大きく膨らむんだなと驚きもあります。

――今後、もっと大きくなっていくわけですよ。

マオ そうですね。15年でここまで大きくなると経験してしまったので、もうやめられないです。もっともっと大きくしたいと思うし、もっといろんなデコボコ道をみんなで進んで行きたいと思います。これから先の人生が、今からすごく楽しみです。

――15年やってきたことの達成感もあれば、まだ道の途中だという気持ちもあるんでしょうね。

マオ そうですね。もっと先を見据えています。

Shinji 始めたばかりのころは、もっとギターが上手くなりたいとか、ギターが好きな気持ちだけでした。当時は千本ノックのように、がむしゃらに練習をしていて。それを年々重ねていくごとに、もっと勉強したいという意欲が増していって、千本ノックもいいけど、それ以上に日々どうやったらいい曲が作れるのか考えることも増えていって。音楽は数学とは違って、数字で明確に答えが出るものではないので、答えは自分たちで決めなくちゃいけないんですね。だからこそ、いろんな知識をどんどん学びたいなって。15年学んできたけど、もっと学びたいです。自分たちが納得のいく曲をもっとたくさん作れるようになるために、どんどん学んでいきたいです。

ゆうや すごく充実した15年だったと思います。どの年も、どのタイミングも、常にその時の100点満点できていたと思います。今思うとぜんぜん100点じゃなかったりするけど、それがその時の100点だったわけで。そうやって常に充実した日々を過ごして来られたのは、きっと現状に満足せず上を目指してきたからこそで。きっと何年かして15周年の時のことを振り返って、ぜんぜん100点じゃないと感じるんだと思います。日々更新して、一皮一皮剥けていっている感覚を実感できています。

――それを続けることは難しいことで、続けてこられたのは、ファンの声援や周りの協力が不可欠だったと。

明希 まさにそうだと思います。

マオ みんなで楽しいほうへ向かって、もっともっと楽しい思い出を作っていきたいです。

――5月から、その楽しさの一つ、ライブハウスツアーが始まります。その日ごとにファン投票、暴れ曲限定、インディーズ曲限定など曲縛りがあって面白い企画ですね。

マオ でも残念ながら、アニメ曲限定ライブはないんですよ。ツアーが先に決まっていたので…。でもいつか、アニメ曲限定ライブもやってみたいです。絶対に楽しそう。

――昭和歌謡曲限定ライブという日もあって。

マオ その日は、シドの曲でも昭和歌謡の匂いのする曲をやります。意外とそういう曲が多くて、それだけで1日やれちゃうなと思って。「集めてみたら形になるじゃん!」みたいなことが多くて、このアニメベストもそうだし。15年かけて残してきた足跡が、今こうして形になってきているという感覚です。

 普通のツアーもそれはそれで何度観ても楽しんでもらえると思うけど、このツアーは毎回曲もコンセプトも違うので、同じ日がないですから。全部来てもらってもすごく楽しいと思います。俺ら自身も、ワクワクしています。

(おわり)

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