シド「どの瞬間も自分たちの一部」4人で成し遂げて来た全てが作り出す音楽
INTERVIEW

シド「どの瞬間も自分たちの一部」4人で成し遂げて来た全てが作り出す音楽


記者:榑林史章

撮影:

掲載:20年03月08日

読了時間:約12分

 4人組ロックバンドのシドが4日、シングル「delete」をリリースした。2008年にTVアニメ『黒執事』オープニングテーマ「モノクロのキス」でメジャーデビューして以降、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』『マギ』『将国のアルタイル』といった人気アニメのテーマソングを手がけてきた彼ら。今作もTVアニメ『七つの大罪 神々の逆鱗』のオープニングテーマとしても話題。シングルとしては約2年半ぶりとなる今作について話を聞くとともに、ファンへの想いやライブステージでのエピソードなどを語ってもらった。【取材=榑林史章】

「delete」は昨年のツアーファイナルでサプライズ披露

「delete」通常盤

――今作は『七つの大罪 神々の逆鱗』の内容ともぴったりで、親和性がとても高い曲だなと思いました。漫画とか読みましたか?

マオ タイアップが決まってから、歌詞を書く前に読みました。漫画やアニメって、もう昔のように子どものものではないなって。それは以前からも思っていましたけど、『七つの大罪』は特にそういう印象を受けましたね。シリアスな場面もすごくたくさんあって、大人の僕の心にもグッときました。子どもも観たり読んだりするんでしょうけど、大人も含めた幅広い世代がどっぷりとハマっている理由が分かったような気がしました。

マオ

――物語のベースにはラブストーリーがあって、単なるファンタジー系のバトルものではないですよね。

マオ そうですね。キャラクターがしっかり立っているところもポイントで、子どもはキャラが立ったものって好きじゃないですか。そのストーリーとキャラのバランスが絶妙だなと思いました。そういう作品に携わることが出来て、本当に嬉しかったです。

明希 僕は曲を作る時に、あまり情報を入れないほうがニュートラルな感覚で作れると思ったので、魔神と七つの大罪が戦っているような戦闘シーンを見て作ったんです。だからシナリオとか原作よりも、一番派手なシーンを頭にインプットして、そこからインスピレーションを得て作曲に取りかかりました。あとはメインビジュアルを送っていただいていたので、その1枚の絵を見ながらイメージを膨らませたりしていって。

Shinji 僕もシナリオなどではなく、絵を見てイメージを膨らませて。でも、すごく好きなタイプの絵だったので、イマジネーションがすごく広がりましたね。

ゆうや 僕も今回のストーリーのところを読んだんですけど、奥が深いなって思いました。僕らが少年時代に読んでいた漫画とは、テイストがひと味もふた味も違うなっていう印象です。

――シドは、今までに『黒執事』や『マギ』など、ダークファンタジー系で奥が深いもののテーマソングを担当することが多いですね。

マオ そうですね。それも踏まえた上で、僕らに声をかけていただけたのなら嬉しいです。

――好きなキャラクターはいますか?

マオ 巨人族の女の子で、ディアンヌちゃんが可愛くて好きです。『七つの大罪』のアプリゲームのCMにも出ていて、映像のインパクトが大きくて。「どういう内容なんだろう?」と、どんどん気になっていった感じでした。

――シングルとしては約2年半ぶり、今年一発目のリリースですね。そのあたりは何か考えましたか。

マオ シングルが2年半も出していなかったんだと、今聞いてびっくりしました。以前は年間にシングル3枚とアルバム1枚くらいのハイペースでリリースして来て。でも、いつからかそういうパターンもなくなって今に至っているんです。なので、どのくらいぶりとか今年一発目とかいうことは、まったく意識することなく制作に入りました。

Shinji でも、本当にそんなに出していなかったんですね。確かに昨年出したアルバムは、シングル曲が入っていなかったですからね。とはいえ、楽曲制作やレコーディングの部分では、意気込みが変わるわけではないので。

――新曲は1曲のみで、カップリングにはインストとTV Size(期間生産限定盤のみ収録)を収録しているのは、何か考えがあって?

明希 1曲勝負じゃないけど。ここ数年はそういうモードなんです。

明希

マオ 楽曲に対する思いやりというか。表題曲もカップリング曲もない、全部同じ1曲だよっていう感じかもしれないです。

――制作はいつぐらいにやっていたんですか?

マオ 記憶が定かではないけど、冬のはじめくらい?

明希 去年のツアー『SID TOUR 2019 -承認欲求-』の期間中じゃなかったかな。ツアーファイナルの東京国際フォーラムで初披露したから。それが11月21日で、そこから逆算するとその2~3カ月前には作っているはず。

マオ じゃあ、秋ごろなんだ。

明希 夏の終わりとか9月頃に出来て、ファイナルの時はすでにレコーディングを終えていたから…ツアーと同時進行です。

――ファイナルで初披露した時は、お客さんの反応はどうでしたか?

明希 新曲をサプライズで披露するのが久しぶりだったこともあって、すごく盛り上がってくれた覚えがあります。曲調もノリやすいし。

マオ その時は情報解禁の前だったので『七つの大罪 神々の逆鱗』のオープニングテーマという話は出来なかったけど、情報が解禁された時は、SNSなどでみなさん喜んでくれました。

明希 すごく言いたかったんですけど、いろいろと順番があるので。

Shinji 言ったらすごく怒られちゃうし(笑)。

マオ でも新曲を初めて人前でやるときの、独特の空気感が俺はけっこう好きなんです。ノリ方もまだ定まってはいないんだけど、自然と身体が揺れてる感じとか。結成した当初は、どの曲もまずライブでやってからCDで出していたので、そういう初期の頃の感覚も思い出しますね。

――お客さんも聴くのは初めてですけど、演奏するバンド側も初めてだから、メンバーも緊張しますよね。

マオ しますね。失敗出来ないし。でも、その緊張感は嫌なものではなく、心地良い緊張という感じです。

Shinji この曲は、ギター的な部分で言うとわりと染みこみやすかったりするから、始まっちゃえばスイスイと演奏出来ました。いつも新曲を初めて演奏する時は心臓がバクバクなんですけど、この曲はそういう感じではなかったです。

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