餅をつくリズムを取り入れた「Tokyo lights」
――神聖な歌なんですね。ちなみに推し曲はありますか。
DICK 最近では『FAN CLUB LIVE 2018~VIP NIGHT with MONKEY MAJIK vol.4~』でも、リリース前から「Tokyo lights」と「Ordinary Man」やってまして、まだ聴いたことないはずのお客さんのリアクションも良くて、それもあって今は「Tokyo lights」を気に入っています。
――その「Tokyo lights」でDICKさんの新しいチャレンジはありましたか。
DICK チャレンジとは違うんですけど、この曲ってテンポが速いわけでもなく、遅くもないという感じなんです。このテンポの中でちょうどいいところにベースを落とし込むのが難しかったです。
――どちらにも振り切れない難しさがあると。
DICK そうそう。東京といえば大都会じゃないですか? その都会感がこの曲はしっかり出ていていいなと思います。
――「Tokyo lights」は鍵盤のコード感が都会的に感じました。
DICK 基本的には2コードなんですけどね。
Blaise これも鍵盤のオーディオファイルをエディットして作りました。ライブでは出来ないアレンジです(笑)。そのシンプルな上にストリングスとか、いろんな音が入っているから、カラフルになっていると思います。「Tokyo lights」は“光の森”というスペーシーなイメージもあって、聴けば聴くほどいろんなイメージが出てくるから、シンプルなコードでバックにスケールが大きな音が入れば面白くなると思ったんです。
――リズムについてもお聞きしたいのですが、Blaiseさんは日本のリズムってどう捉えていますか。
Blaise 餅をつくリズムってあるじゃないですか? あと農家の人が鍬(くわ)を振り下ろすリズムね。実は「Tokyo lights」でそのリズムを使っています。クラップするときも日本はバックビート(二拍目と四拍目にアクセントを置いている)になっているから、それがすごく気になって楽曲に取り込みました。
DICK 僕が不思議だなと思うのは、日本っぽいていうリズムをBlaiseが作ってくるんだけど、やっぱりカナディアンネイティブやアメリカンネイティブのリズムに聞こえてくるんだよ。
Blaise 面白いよね(笑)。それが最高のマインドコラボなんだよね。
――よく日本人が自虐的に日本人はリズムが悪くて、外国人はリズムが良いという話を耳にするのですが、そんなこともないんですね。
Blaise もう18年も日本に住んでいるけど、そんなこと全然思わないよ。
DICK それは関西人がみんな面白いという認識と同じようなものだと思います。ちなみに僕が一番日本っぽいリズムだなと思うのは一本締めや三本締めかな。
――三三七拍子も?
Blaise 海外にはないですね。日本文化です。
――2020年には20周年を迎えるわけですが、MONKEY MAJIKはこれから先どのようなバンドになっていきたいと思いますか。
DICK 今までやってきたことが「やって来て良かったな」と幸いにも思えているので、新しいことをやり続けながら自慢できるようなことをやっていけたらなと思います。同年代のバンドが辞めていってしまう中、こうやって長く続けてこれているというのは、ありがたいことだなと思います。
Blaise まだ『enigma』が出たばかりだから、次のアルバムのことは考えられないし、アジアのライブをもっと増やしたいし、いろんなイベントにも出たいね。あとはまだ僕らのことを知らない人たちに、過去の曲と今の曲を聴いてもらいたいと思います。この3年間でMONKEY MAJIKの曲が変わって来たので、『enigma』を聴いたら喜んでもらえると思うし、ライブではまた違ったテイストになると思うので楽しみにしていて欲しいです。
(おわり)