MONKEY MAJIK「楽しく自然体でやっていきたい」結成20周年を前に変らぬ想い
INTERVIEW

MONKEY MAJIK「楽しく自然体でやっていきたい」結成20周年を前に変らぬ想い


記者:桂泉晴名

撮影:

掲載:19年01月08日

読了時間:約13分

 2020年にバンド結成20周年を迎える、MONKEY MAJIK。2018年はその序章とも言える多彩な活動をおこなった。3月には自身の11枚目となるアルバム『enigma』をリリース、8月にお笑いコンビ、サンドウィッチマンとのコラボシングル「ウマーベラス」で話題を集めた。また、Maynard(Vo&Gt)とBlaise (Vo&Gt)はNHKの連続テレビ小説『まんぷく』に役者として出演。12月にはMONKEY MAJIK × 稲垣潤一 × GAGLEによる仙台コラボ第2弾楽曲「クリスマスキャロルの頃には -NORTH FLOW-」を配信リリース。さらに、11月から全国ツアー『MONKEY MAJIK Tour 2018 ~Singles Collection~』をおこなうなど精力的な活動を見せた彼ら。多忙な1年を振り返り、その時々でどんなことを感じたのか、また結成20周年に向け、2019年の目標などメンバーに語ってもらった。【取材=桂泉晴名/撮影=冨田味我】

仙台出身の大先輩とのコラボ

――12月5日に「クリスマスキャロルの頃には-NORTH FLOW-」が配信限定リリースされました。稲垣潤一さんの「クリスマスキャロルの頃には」は長い間愛されてきたクリスマスソングですが、このコラボ曲はどのような経緯で作られたのでしょうか?

Maynard 稲垣さんのことを以前から好きで、仙台出身ということもあって、ずっとコラボしたいと考えていたんです。でもコラボをやりたくても「こういう感じでやりたい」という具体的なものがないと進めないですよね。「こういう感じ」というのが見つかったきっかけは、1年くらい前にBlaiseがGAGLE(仙台在住のヒップホップユニット)の「FLOW」という曲を聴いてインスパイアされて。GAGLEも含めて仙台コラボで稲垣さんに「こういう感じのものをやりたいのですが」と1回プレゼンしましょう、となったんです。

Maynard(撮影=冨田味我)

――それまで稲垣さんとお話されたことはあったのでしょうか?

Blaise いいえ、それまではなかったんです。直接お会いしたのも、MV撮影のときが初めてで。すごく優しくてかっこいい方でした。逆に稲垣さんから「いつか会いたいと思っていたから、これは会えるチャンスだと思った」と言ってくださったんですよ。地元の話でも、いろいろな偶然があって。僕たちがよく使っているスタジオで「クリスマスキャロルの頃には」のデモが生まれた話とか。

Blaise(撮影=冨田味我)

――「クリスマスキャロルの頃には -NORTH FLOW-」は新たに詞が加わったり、原曲と変わっている点も多々ありますが、稲垣さんの反応はいかがでしたか。

Maynard 逆に送った瞬間、すぐ「いいですね」と言ってくださったんです。もっと早くお願いすれば良かったなあと思いました(笑)。

Blaise 「すごく楽しみにしています」とコメントをいただいて、作業もスムーズな感じで、まさにナイスフローでした。

Maynard 「クリスマスキャロルの頃には」の歌詞は原曲は秋元康さんが書いていらっしゃるので、いろいろな人が関わっている曲で、最終的に歌詞を書いた人が5組くらいになるんですよ。原曲の雰囲気を壊さないようにしつつ、みんなのエッセンスはキープしたかったんです。

――歌詞はどのように担当されたのでしょう。

Blaise 日本語はTAX(Dr)が書いて、英語のところは僕たちが書きました。そしてコンセプトは、PAST(過去)、PRESENT(現在)、FUTURE(未来)。もともと“クリスマス・キャロル”は僕たちの文化から見ると、有名な(英作家)チャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』があって。PAST(過去)、PRESENT(現在)、FUTURE(未来)、おばけ、罪、赦すこととか、いろいろなテーマでストーリーが生まれました。

――TAXさんは日本語の歌詞を書くにあたって、どんなことを大切にしましたか?

TAX 秋元先生の作詞の部分と、あとはGAGLEの方で作ってきてくれた部分を見せていただいたので、それを上手く繋ぐということを意識して。もともとの作品を壊さないように書く、という作業は初めてだったんです。でも、すごく洗練されている歌詞ですし、シンプルだし。HUNGER(GAGLEのMC)にも僕がやりたいなと思っていたことやられちゃったなと思ったんで、その先の話を書けばいいのかなと。

TAX(撮影=冨田味我)

 あとは、さっき言った『クリスマス・キャロル』の原作の映画を観ながら考えました。ただ単にクリスマスに向けて幸せな時間を過ごすということがオチではなくて、心が行き違っている人たちも、同じようにクリスマスという日を迎えるわけじゃないですか。そういう経験をしていって、大人になっていくという。そういう楽しみ方をしてもらえれば、と思いながら書きました。

――ある程度、意識としては共有されていたようですね。

TAX あと、12月に仙台で「光のページェント」というイルミネーションをやっているんですけれど、夕方6時になるとこの曲が大音量で流してもらえて。最近ツアーをまわっていて、あちこち行くので「今どこにいるのかわからない」と思っていたんですけど、ぺージェントを見ながらこの曲が流れて「あ、仙台だな」と帰って来た感じがあって。やっぱり仙台はいいなと思いました。

Maynard 今アイベックス(IBEX)エアラインズさんにサポートいただいて、それでツアーを全部まわっているんですけど、クリスマスまでの間、機内に入るときにMONKEY MAJIKと小田和正さんとの曲(「A Christmas Song」)をかけてくださるんです。それから仙台空港までの電車では、出発のメロディで「Around The World」(2ndシングル曲)がかかるんですよ。電車に乗って空港に行って、機内に入ったら、MONKEY MAJIK。帰ってきたらページェントでMONKEY MAJIKと、一瞬だけですけど独占しているんです。というのは、半分自慢話ですけど(笑)。

――「クリスマスキャロルの頃には -NORTH FLOW-」のMVは3組がそろって演奏するシーンが収録されていますが、撮影はいかがでしたか?

Blaise ちょうどその時、僕らのライブツアーが始まる前で、稲垣さんもツアーがあって、1時間しか取れなかったんです。一番大変なのは監督さんだったと思います(笑)。 1時間でスタッフが6人ぐらい入って、いろいろなカメラもあったし。結構、ハイスピードで撮影して。でも、あんなに短い時間だったのに稲垣さんとはすごく良い関係になったし、ナイスガイな方なのでリスペクトです。

TAX MVの撮影は本当に慌ただしかったですね。でも演奏は楽しみながらできました。せっかく稲垣さんが来て下さったし。そんな機会はなかなかないじゃないですか。

DICK でもTAXさん、大変そうだったよ。リハのドラムセットをそのまま使っているから、音がすごく出ちゃうんです。

DICK(撮影=冨田味我)

TAX 「カメラがこの角度だから、じゃあ、ここでミュートすればいいかな」とか。実際そのままリハーサルが続いていたので、あまりごちゃごちゃできなかったんですよね。

DICK 稲垣さんとは「みんないっせいに、せいので録りますよ」というときに初めてお会いしたので、本当にバタバタでどうなるのかなと思ったけど、おもしろかったです。

Blaise すべてがクレイジーでしたね(笑)。

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