続けることがオリジナリティに、三浦大知 初ベストで見せた神髄
INTERVIEW

続けることがオリジナリティに、三浦大知 初ベストで見せた神髄


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年03月08日

読了時間:約18分

三浦大知が考える「失敗」の概念、成功で帳消し

――今回のベストには新曲「DIVE!」も収録されています。MV(ミュージックビデオ)では、これまでのMVの演出や振付などを取り入れるなど、過去作をモチーフに制作されて話題となっています。このアイデアの着想はどこから出てきたのでしょうか。

三浦大知

 僕から提案させていただきました。初めてベストを作るということもあって、新曲を作るとなった時にベストでしか作れないものにしたいというものがありました。次の一歩ではなく積み重ねてきた延長線上にある新曲という位置付けにしたかったんです。ベストだからこそこの曲なんだと。それを映像にするとなった時に、MVを作っているシングル曲の要素をすべて入れたいという話をさせていただきました。

――過去作のどの部分を使用するのかといった選択は難しくなかったのですか。

 自分の中ではなんとなくあったので、そうでもなかったです。最初は文章でこのシーンでこの楽曲をというプロットを制作して、監督さんに見ていただいて。

――これ全部を見つけられたらすごいですよね。

 すごいですよ! 「そこはわからないでしょ」というところもあるので難しいと思います。わかりやすいものから、わかりづらいものまで色々散りばめて見ました。

――一番特定するのが難しいシーンはどこになりますか。

 「Southern Cross」の本当に一瞬の振付だけを切り取った部分があるんです。これが一番わかりづらいと思います。あとは、モチーフにはしているけど完全再現していないところもあります。例えばイントロは「Inside Your Head」の白というところをモチーフにしていたりとか。ベストじゃないとこういった遊びはなかなか出来ないですから。

――これは手強そうですね。でも、探す楽しさもありますね。導入はマイケル・ジャクソンの「Black or Wnite」のMVのオマージュですよね。

 そうです。僕自身の始まりというか、一番最初に影響を受けた人のオマージュから、自分のオマージュに入っていくというのが面白いかなと思いまして。

――原点からのスタートなんですね。「DIVE!」というタイトルに込めた想いとは?

 歌詞にある<飛び込め>から引っ張られて、「DIVE!」にしました。自分も「Keep It Goin' On」というデビュー曲から、三浦大知チームでやったら面白い、チャレンジしてみたいとか常に飛び込みながらやってきたところがありました。今までの姿勢とかこれからもDIVEして行くんだという気持ちがタイトルに込められています。僕が今いるのは積み重ねてきたからなので、それがすごく重要なのかなと感じています。

――この「DIVE!」からはすごく積極性というキーワードが思い浮かびました。大知さんはあらゆることに飛び込んで行くことに対して、失敗することが怖いと思うことはありませんか。個人的には好きなことほど失敗を恐れてしまいがちだと思うのですが。

 それすらも楽しんでいる自分がいます。自分は楽しむのが上手いんじゃないかなと(笑)。でも、そもそも失敗って何だろうと思っています。その概念、どこがどうなったら失敗かということですよね。恐らくそこに自分なりの目標を掲げてしまうからなんじゃないかなと思うんです。そこに正解も不正解もなくて、楽しむことの方が先決だと思います。

 失敗を失敗にしてしまうかどうかは、そのあとの自分次第だと思います。その瞬間だけを取り上げて失敗というのは、僕は違う気がします。そのあとにどうやったら上手くいくのかということを考えて、10回目に成功したらその前の失敗は帳消しになるじゃないですか? なので1回の失敗がこの世の終わりみたいに考えない方が良いと思います。

――そこでやめたら失敗ですけど、続けていくことですね。

 それが好きなら続けていくことです。でもやっぱりこれは自分には向いてなかったなと思っても、その失敗の中で感じたことで、新たに好きなことを見つけてそっちで成功したら、この失敗があっての成功なので、結局どこで見るかですよね。だから一番は楽しむことが大事だと思います。

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