4人組ラウドロック・アイドルのPassCodeが28日に、インディーズ時代の楽曲を現在のメンバーで再録したアルバム『Locus』をリリースする。『ALL is VANITY』と『VIRTUAL』から厳選した9曲に加え、新曲の「PARALLEL」も収録。過去作品だが“今”を感じられるPassCodeの名刺代わりの1枚となった。後編では『Locus』でメンバーの思い入れのある1曲や「PARALLEL」について話を聞いた。【取材=村上順一/撮影=片山 拓】
今のPassCode最大限のアルバム
――インディーズ時代の楽曲を再録した『Locus』が完成しました。インディーズ時代のベスト盤的な感覚を受けましたが、皆さんは現在このアルバムが完成してどのような心境でしょうか。
南 菜生 あまりベストという感覚はなくて、『Locus』=「軌跡」とあるように、自分たちの軌跡を詰め込んで届けるという感覚です。今これを聴いてもらうことによって、今までのPassCodeもそうですし、これからのPassCodeへの期待が湧くようなアルバムになったんじゃないかと思います。
――大上さんはまだ加入していない時の楽曲も多く収録されていますよね。改めてレコーディングで向き合ってみてどうでしたか?
大上 陽奈子 ライブで培った、そのままの感じでレコーディング出来たと思います。ファンの方から過去曲を再録して欲しいという声をもらっていたので、このアルバムを発表した時は喜んでくれたし、前から応援してくれていた人に恩返し出来たような気持ちもあります。
――現在のファンの方は、音源で大上さんの歌が聴けるので嬉しいですよね。今田さんも今回シャウトを全部録り直して。
今田 夢菜 『ALL is VANITY』では別の方がシャウトを担当していたので、今回は全部レコーディングさせていただきました。そこを楽しみにしていてくれている方が多いと思うので、再録出来て良かったなというのがあります。
あと、今まではシャウトじゃないところがフワっとしか歌えてなかったんですけど、PassCodeに入ってから激しい曲に挑戦するようになって、強めの声も出るようになってきたので、歌に強弱がついて昔の曲の変化は大きいと思います。
――シャウトだけではなく通常の歌の部分にも注目ですね。高嶋さんはいかがですか。
高嶋 楓 以前の『ALL is VANITY』ではオケが打ち込みだったのが、生のサウンドに変わったのがまず大きいです。今回ツアーでも一緒に回ってもらっている方に演奏してもらっているので、昔より今のPassCodeが表現されていると思いますし、ライブを想像しやすいアルバムになったと思います。
あと、みんな声がガラッと変わっています。前はカラフルなイメージのアルバムだったんですけど、より重心が下がったものになったかなと思います。今思えば、当時はプロデューサーである平地(孝次)さんの部屋で録っていたので、車の音とかノイズが結構入っていたのですが、それが良い味を出していたと言ってはって(笑)。
――宅録ならではの味ですね(笑)。
高嶋 楓 現在は良い環境で録らせて頂いているので、その昔の良さをどうやって出そうとか、たくさん考えて下さっていて。今のPassCodeの最大限で出来たアルバムになりました。
――録る環境が変わると曲の雰囲気は大きく変わりますよね。
南 菜生 そうなんです。なので、今作でもわざとジャリっとした音質にしていたりしているんですけど、そこが粋だなとアルバムを聴いていて思います。
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