デビュー時にはなかった充実感
――「唯一の真実」は伴さんが作詞を担当されていますね。
伴 都美子 歌詞のテーマは「命の旅」です。出産を経て、育児をする中で「自分はどこから来たのか?」、「私はどういう人たちと繋がっているのか?」という疑問が生まれてきて。実は私、両親と暮らした事がなくて、叔母さんの家で育ったんですよ。なので色々と考える事がありました。出産したからか、あらゆる事にさらに敏感になっている気がします。
この曲に関しても、澤野さんからデモが上がってきた時に凄く感動して最初のフレーズが浮かんできて。久しぶりに「書きたいな」という気持ちになったので、挙手して書かせて頂きました。
大渡 亮 伴ちゃんの方から、「音が3つだけの、3人でやっている感じの楽曲を」とリクエストがあって。要はドラムレスというか、アコースティックな感じをオーダーしました。なので、今回の2曲は伴ちゃん発案で全て動いたというか、かなりリードしてくれた感じで、全てが上手く行った感じがしました。やはり、2曲とも澤野さんの出来上がるスピード感が早かったです。
ノリに乗っている感じというか、彼は凄い才能を持った人だと改めて感服しました。澤野さんとのコミュニケーションは、伴ちゃんも直接やりとりしていました。会社対会社で人を介するよりは、当事者同士が直でイメージを伝えられるので。
――前回や今回の様な第三者とのコラボレーションというのは、どんなお気持ちなのでしょうか?
大渡 亮 最初僕らは澤野さんの事を存じ上げなかったのですが、作品を聴かせて頂いたら共通点がたくさん見つかって「これは有りかもしれないな」と思えた。そういう意味では大きな風呂敷を広げて、出会いを待っていたいですね。
――CDのみ盤のボーナストラック「あいのうた[2 of Us]」はいかがでしょう?
大渡 亮 前回は「ハレルヤ」という曲をリアレンジしたものをCDのみ盤に収録して、評判が良かったんですよ。それで、今回は2年前に取り組んでいた『2 of Us』(既存曲をボーカルとギターのみでリアレンジして演奏したプロジェクト)を継承したものをやらないか、という話を頂いたんです。「まだやるの?」と思いましたが(笑)。
伴 都美子 『2 of Us』の形態でライブをやる機会は今もありますし、私たちの強みだとも思っています。
大渡 亮 僕が過去の物だと考えすぎてしまっていたのかも。結構な量の曲を短期集中で作ったので感覚を思い出すのが大変でした。「あれどうやってたっけな?」と。日々違う事をやり始めてしまうと、その時、凄く集中していた事を思い出せなくて、ちょっとネガティブに感じていたんです。でも、いざまたスタジオに入っておぼろげに弾き始めると、すぐ2年前の記憶が蘇ってきましたね。今回の「あいのうた[2 of Us]」、実は大満足なんです。原曲の良さを上手に『2 of Us』のアレンジに出来たなと。なかなか良い仕事だったと思っています。
伴 都美子 曲は他にも候補がありましたが、「あいのうた」はファン投票でも結構上位にいる曲でもあるので、これを選びました。
――今年はデビュー18周年となりますが、その心境も教えてください。
大渡 亮 ラジオ体操のスタンプカードがあるじゃないですか。あれが溜まってくると、凄く充実感が得られると思うんですよ。そういうコンプリートする感じの充実感というのがあります。何というか15年と18年って対して変わらない様な気もするんですけど、やっぱり今なら今の魅力があると思います。
初期の僕らは正直、凄くフレッシュだったかもしれないけど、自分達の立ち位置すらもわからなかった。激流の中、いきなり川下りしていく様なイメージだったので。自分達のやっている事を楽しめなかったし、振り返る事もできなかった。1度解散した時にようやく振り返ったくらいですよ。でも、今は等身大の自分達で、年齢や置かれている状況を把握しながら充実感も得られています。だから「また1つスタンプが増えるな」という感じ。
伴 都美子 やっぱりここまでくると、もう1つの家族というか、ホームだと感じています。自分達がやってきた事を噛み締めながら、これからもやっていけたら良いなと。流行りに乗っているわけではなく、自分たちの音楽を作ってきたし、それはこれからもそうだろうし、「Do AsはDo Asを追及していく」という感じです。
大渡 亮 最近は親の影響で聴いているという若い方もいるんです。ありがたい限りです。どんどん親から影響を受けてもらいたい(笑)。親子連れでライブに来られる方もたまにいらっしゃって、嬉しいですね。







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