14年ぶりの目覚め、生まれ変わるMONDO GROSSO 大沢伸一が語る
INTERVIEW

14年ぶりの目覚め、生まれ変わるMONDO GROSSO 大沢伸一が語る


記者:編集部

撮影:

掲載:17年07月06日

読了時間:約18分

01.TIME [Vocal:bird]

――1曲目、盟友ともいえるbirdさんをゲストに迎えられています。歌詞で“何度でも新しく生まれる”というフレーズが印象的でした。

アルバムタイトル『何度でも新しく生まれる』は、birdが書いた「TIME」の歌詞からとったんですよ。

――このシンプルなワードや歌詞に救われる人多いんじゃないかなと思いました。

 彼女にこの曲を投げてみて、どう返ってくるかが楽しみだったんですよ。結果、想像を超えていて驚かされましたね。時流の流れだとかいろんなものを超えて、音楽の存在感そのものに帰結しているんですね。そもそも、難しい曲じゃないですか? テンポが途中で変わったりだとか。それを、時間という概念に置き換えて歌詞に昇華させているところが天才的だなと思いました。

――音楽そのものを歌っている歌詞。鳥肌が立ちますね。リズムが変わるフレーズも鳥肌ものでした。

 これも不思議なもので、実はこのアルバムのために書いた曲ではなかったんだけど、いろんな経緯があって残していた曲なんです。リズムが変わるところは、すごいアンチな発想なんですよ。EDMとかで、だんだんリズムが盛り上がっていくビルドアップする手法ってあるじゃないですか? 一番クライマックスで、逆をやってやろうと思ったんですよ。

――ひねくれていますね(笑)。

テンポ下げちゃって、最後サビに来るところでドーンと重い感じにしようと作ったんです。いいでしょ?

MONDO GROSSO / TIME MV

02.春はトワに目覚める (Version2) [Vocal:UA]

――2曲目、かつてタッグを組まれヒット曲を生み出してきたUAさんが参加という。歌声とサウンドが溶け合う感じが最高でした。

 これはある意味一番「TIME」と遠い曲ですよね。音像もそうですし。アルバムの振れ幅を最初にみせようと思いました。本来はヴァージョン1があって、言葉でいうとオルタナ的なサウンドだったんですね。もっと間引かれた、骨太な。でも、ヴァージョン2はテクノになっているんです。ディープハウスをニーナ・シモンでやったみたいな。最終的にはヴァージョン1を収録予定だったんですけど、アルバム完成前の最後の2週間くらいで変えちゃったんです。寸前までヴァージョン1でした。でも、何が正解とかないですからね。ヴァージョン1はiTunes/AppleMusicアルバムのボーナストラックとして聴けるので、アルバムの中で曲を入れ替えて聴き比べてみてください。それはそれで、なかなかいい感じに聴こえると思いますよ。

――UAさんはいかがでした?

 久しぶりでしたよね。僕の思っていることと同じことを考える人がいるんだなって印象でした。今回はあえて肩の力の抜けた歌い方ですよね。濃縮されたパワーというよりも、振り幅の自由さであったり、芳醇さが伝わる方が今の気分なんです。近いようなことを彼女も話していて。あまりたくさんの音を重ねたり、たくさんの声を重ねることもしなかったんですけど、それが彼女のモードと重なった瞬間ですね。ミニマル的なディープハウス、テクノハウスというアプローチで共存できているんじゃないかと思います。

MONDO GROSSO / 春はトワに目覚める[Vocal:UA]レコーディングセッション

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