ワンマンツアー『初One-manお給仕Tour2017』の追加公演をおこなったBAND-MAID(撮影=Shingo Tamai )

 メイド5人によるロックバンド・BAND-MAID(バンドメイド)が6月14日に、東京・恵比寿LIQUIDROOMでワンマンツアー『初One-manお給仕Tour2017』の追加公演をおこなった。バンド初となるワンマンツアーは1月にリリースされたニューアルバム『Just Bring It』を引っさげ、5月10日の東京・キネマ倶楽部を皮切りに全国6カ所8公演をおこなった。追加公演はツアーのセットリストとは趣を変え、前半戦ではインディーズ時代のアルバム『New Beginning』の曲順通りに披露。彩姫(Vo)とKANAMI(Gt)によるアコースティックコーナーを挟み、「Don't you tell ME」などニューアルバムからの楽曲を演奏。バラエティに富んだステージでオーディエンスを熱狂させた。

前半戦は『New Beginning』の曲順通りに展開

ライブのもよう(撮影=Miki Fujiwara.)

 ステージ上にはシャンデリアが吊るされ、洋館の雰囲気も漂う。会場は多くのオーディエンスで埋めつくされ、これから始まるライブへの準備は万端といった様子。定刻を少々過ぎたところで、ゆっくりと会場の明かりが落ちる。メランコリックなSEが鳴り響くと、ステージ右手に設置されたミラーボールが赤く反射。ラウドなSEに切り替わり、メンバーがステージに登場した。

 彩姫の「お給仕始めます」の言葉から、彼女たちの代表曲「Thrill(スリル)」で追加公演の幕は開けた。AKANE(Dr)の小柄な体からは想像しがたいパワフルなビートが、LIQUIDROOMを振動させる。序盤からハードエッジなサウンドに乗って彩姫の歌声も伸びやかに響き渡る。オーディエンスも腕を掲げ、盛り上がりは加速度を上げていく。

 KANAMIのギターから「REAL EXISTENCE」に突入。彼女たちが繰り出すサウンドにリンクするかのように、グリーンのレーザーが会場を縦横無尽に照射され、高揚感を煽っていく。続いて、小鳩ミク(Gt、Vo)と彩姫のツインボーカルが生える「Price of Pride」。2人のユニゾンの力強さは圧巻。

 そして、MISA(Ba)とKANAMIのリフのユニゾンが緊張感を与える「Arcadia Girl」、「Don't apply the brake」と続き、小鳩がメインボーカルをとる「Beauty and the beast」へ。ギターを置き、ハンドマイクを持って生き生きとした動きでオーディエンスを魅了した。さらに「Don't let me down」、「Shake That!!」とハードチューンで畳み掛け、アルバム『New Beginning』の曲順通りに再現するという前半戦を展開。

 このツアーから取り入れられたアコースティックコーナーでは、「YOLO」に収録されている「matchless GUM」、どこかノスタルジックな気分にさせる「Before Yesterday」を彩姫とKANAMIの2人で披露。椅子に座り、落ち着いた空間のなかフルバンドサウンドとは違った熱さを感じる演奏。乾いたアコギの音の上に、瑞々しい彩姫の歌声が伸びやかに響き渡る。楽曲の新たな一面を引き出していた。

意表を突く演出

ライブのもよう(撮影=masanori fujikawa)

 ここで、小鳩が意表をついて会場の横から出現。前方しか気にしていなかったオーディエンスは面食らった様子。小鳩はメインステージに移動しメンバーを一人ずつ呼び込むが、メンバーがなかなか出て来ない…。小鳩は「なんで出てこないっぽ」と困る様子を見て、オーディエンスから「彩ちゃ〜ん」と大きな呼声が。そして、ゆっくりと最後に彩姫がステージに登場し後半戦に突入。

 後半戦はニューアルバム『Just Bring It』のリード曲「Don't you tell ME」でスタート。ハードエッジサウンドで会場の熱気がどんどん高まっていく。続いて、イントロでのKANAMIのタッピングが華麗な「Unfair game」、そして、彩姫が「準備はできたかLIQUIDROOM!? もっと楽しもうよ!」と煽り「FREEDOM」とオーディエンスに一切の猶予を与えないナンバーで、さらなる一体感を作り出していく。

 小鳩の「ぽっぽっぽ〜」という鼻歌に「鳩ぽっぽ〜」とオーディエンスがコール&レスポンス。小鳩は「初めて帰って来たっぽ!」と驚きの表情見せた。そして、ライブ恒例の小鳩による『おまじないタイム』で「萌え萌えキュンキュン」と会場の士気を高め「alone」へ。まだまだバンドの攻撃は止まらない。

 続いての「you.」では<Wow Wow♪>とオーディエンスのシンガロングが盛大に響きわたり、LIQUIDROOMが一つになった瞬間だった。その盛り上がりをさらにブーストさせるかのように「the non-fiction days」に突入。バンド一丸となった迫り来るような音圧、感情の高ぶりを抑えきれないかのように、オーディエンスが振り上げる腕にも力が入っていた。ボルテージは最高潮まで上り詰めた。

 彩姫は「明日がツアーファイナルだけど、今日はスペシャルな夜だったんじゃないですか? 楽しんでくれましたか?」と投げかけ、ラストはニューアルバムから「secret My lips」。体を動かさずにはいられないラウドでグルーヴィーなリフ、ハーフテンポに変わった緩急をつけたドラマチックな流れが、ライブの最後を締めくくるのにピッタリなナンバーで、ツアー本編とはまた違った魅力を振りまいた追加公演の幕は閉じた。

(取材=村上順一)

セットリスト

01.Thrill(スリル)
02.FREEZER
03.REAL EXISTENCE
04.Price of Pride
05.Arcadia Girl
06.Don't apply the brake
07.Beauty and the beast
08.Don't let me down
09.Shake That!!
10.matchless GUM
11.Before Yesterday
12.Don't you tell ME
13.Unfair game
14.FREEDOM
15.alone
16.you.
17.the non-fiction days
18.secret My lips

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