今の時代を切り取った、anderlust 新曲は現在を意識した詞と音
INTERVIEW

今の時代を切り取った、anderlust 新曲は現在を意識した詞と音


記者:榑林史章

撮影:

掲載:17年06月23日

読了時間:約11分

アカペラのパートを30回くらい録った

西塚真吾

――「#Hashtag」は、いしわたり淳治さん作詞ですね。

越野アンナ メールでやりとりしながら、私のアイデアも採り入れていただきました。<Sunshine>とか<海>とか、ハッシュタグになりそうな単語をたくさん使っています。

――歌詞は、主人公の女の子が自分を振った相手に楽しい旅を見せつけるみたいな内容ですね。

越野アンナ 主人公の女の子は、付き合っていた男の子が突然自分の目の前から去り、冬を乗り越えて、夏に友だちと女子旅に行きます。その女子旅の様子をインスタに上げて、それをその彼が見て突然イイネ!して、連絡して来て。でも女の子は、元彼には目もくれないというストーリーがあります。

――そういう恋愛も、SNS同様にイマドキなのかなと。

越野アンナ そうですね。別れた相手のことまで、SNSで分かってしまう時代ですから。インスタが流行っていることだけではなく、恋愛の面においても今を切り取っていますね。

――サウンド面で意識したことはありますか?

西塚真吾 こういうエレクトロな曲だと、普通はベースもシンセベースを使いますが、それを敢えて生ベースで演奏しています。打ち込みのドラムに負けないような、ドンとした存在感のあるベースラインを意識して弾きました。

 やっぱり生楽器には独特のうねりがあって、それは打ち込みでは出せないので、ポップさの中でそういう独自のグルーブを出せたと思います。ギターは、ビート感が感じられるように16ビートのリズムで刻むように弾いてもらっています。

――ライブで盛り上がりそうですね。

越野アンナ コーラス部分をみんなで一緒に歌えたら楽しそうですね。“ハッシュタグダンス”という、ハッシュタグポーズを使った振り付けがあるので、みんなで一緒に踊って欲しいです。

 ハッシュタグポーズというのは、ピースサインを2つ重ねて「#」の形を作るポーズなのですが、ポイントは手の平を外側に向けてやること。自撮りするときは、手を伸ばしてカメラの方に近づけると小顔効果になるので、ぜひやってみてください(笑)。

――カップリング曲の「Happy Birthday to You」は、誕生日でお馴染みの〈ハッピー・バースデー・トゥ・ユー〉の出だしから始まりますね。

越野アンナ 春に「CONVERSE ALL STAR 100」のテレビCMで、「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」をアカペラで歌って、それをきっかけに、anderlust初のバースデーソングを作ろうということになりました。

――ゆったりとしたバンドサウンドで、歌が胸に響く楽曲ですね。

西塚真吾 今までのanderlustの流れにある、J-POPらしさがあるミディアムテンポの楽曲です。温かい気持ちが表現されている歌詞なので、サウンドも温かさを出したかったし、頭のアカペラは「部屋の中で友だちや大切な誰か一人に対して歌うイメージで」と伝えて、歌ってもらいました。音の質感も、部屋で歌っているようなイメージで、マイクとかリバーブのかけ方とかいろいろ試して録りました。

越野アンナ 30回くらい録ったんじゃない? 自分の心の中に詰まって、言いたいけど言い出せないようなもどかしさをイメージして歌っていて。聴いてくれる一人ひとりが、自分に向けて歌っていると感じて欲しいですね。

――作詞は越野さんですね。<心をいつも守っている>という表現は独特で、サビの歌詞は、親から子へのメッセージにも受け取れてグッときました。

越野アンナ <心をいつも守っている>は、実際にある表現なのか、ない表現なのか、分かりませんが、自分の中からナチュラルに出てきた言葉です。要するに<支えている>という意味なのですが、いつも支えてくれてありがとうという気持ちや、逆に支えてあげたいという気持ちでいつもいるんだよ、ということも込めていて。親から子、子から親でも良いし、女の子から男の子に向けたメッセージでもあるし、私からファンの方に向けた歌という気持ちも込めています。いろいろな捉え方ができるものになったと思います。

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