シーンを中央突破したい、イトヲカシ 2人の個性を最高の形で
INTERVIEW

シーンを中央突破したい、イトヲカシ 2人の個性を最高の形で


記者:村上順一

撮影:

掲載:17年06月21日

読了時間:約17分

全曲が色んな形での応援歌

宮田“レフティ”リョウ

――「ドンマイ!!」は“人の背中を押す”というところで真骨頂が全面にでたナンバーですね。

伊東歌詞太郎 この曲に限らず全曲が色んな形での応援歌です。悲しい時に悲しい曲を聴いたら癒されるというところもあるでしょうし、失恋した時に失恋ソングを聴いたら気持ちが落ち着くというのも、一つの応援だと思います。「ドンマイ!!」はその中でも「応援しまっせ!」という形の応援歌であることは確かです。

――この曲の説明に松岡修造さんの名が出ていましたが、お好きなのですか?

伊東歌詞太郎 好きですよ。応援に嘘がない。修造さんが息子さんの運動会で、息子さんがまだ走っていない時に「頑張れ!」と叫んでいたらしく、保護者の方が「息子さん、まだですよ」と教えてあげたらしいのです。そうしたら、修造さんは「違うんです。僕は今走っている彼らを応援するのが大好きなんです! だから応援しています!」と応えたという、エピソードを聞きまして。

 カメラなどが回っていない、普段からでもそうなのだから、「応援」という行為そのものが好きなのだな、と思いました。心の底から応援が好きだから、誰かを応援した時に心に響かせることが出来るのだなと感じました。だから凄く尊敬しています。

――熱いですね。では、修造さんの日めくりカレンダーももちろん持っていたり?

伊東歌詞太郎 3つ持っていますからね。

――そんなに(笑)。

伊東歌詞太郎 自分で1つ持っていたのですが、差し入れでもう2つもらいまして。松岡修造さんが好きだと公言してはいなかったのですが。

――歌詞太郎さんとリンクするイメージがあるのでしょうね。

宮田“レフティ”リョウ そうかもしれないです。僕らも今まで音楽に押されてやってこられたということもありますし、人を応援したいという気持ちは大きいです。

伊東歌詞太郎 老若男女応援したいですね。

教室ひとつ分くらいの等身大なんじゃないか

――「半径10メーターの世界」という曲は、どういったイメージでしょうか? 半径10メーターというのが絶妙な距離ですよね。

宮田“レフティ”リョウ 僕がイメージしたのは“教室”です。でも実際調べたら半径10メーターではなかったのですが(笑)。これは防衛省「自衛官募集2016」CMタイアップソングの話を頂いてから書いた曲なのですが、「世界を守る、日本を守る」という志を持っている人達の世界というのも、ひょっとしたら教室ひとつ分くらいの等身大のものなのではないかな、と思いまして。それでこの“半径10メーターの世界”というワードが出てきました。

――分かる気がします。「地球は大き過ぎて、僕は地球儀くらいが丁度いい」と言っている人がいたのですが、それにも通ずるかと思いました。

宮田“レフティ”リョウ 海外は行けば、行くほど広過ぎて…。

伊東歌詞太郎 まず日本が広い。

宮田“レフティ”リョウ 47都道府県も回ったけど、本当に広い。

伊東歌詞太郎 知らないことが多過ぎるし、行ってない場所が多過ぎるなと思ってしまいます。

宮田“レフティ”リョウ 世界という単位が、いっぱいあるなと思いました。

――「ヒトリノセカイ」の“セカイ”も違いますよね。

伊東歌詞太郎 そうですね。「半径10メーターの世界」というのは、半径10メーターが広がっていって、物理的なジオグラフィックというものの世界という、要は「触れる世界」なんです。その世界と「ヒトリノセカイ」で描いた世界は違います。

 10メーターどころか、ゼロ距離で自分の中だけにある世界で、でもその中にある世界って、例えば孤独を感じた時や絶望を感じた時に、その負の感情がどこまでも内側に広がっていきます。その世界というのも、凄く広いと思います。精神的な内側の世界で触ることが出来ないので、漢字では表現せずに片仮名で表現しました。

――確かに漢字だと物理的な世界という感じがしますね。

伊東歌詞太郎 精神的な、というところを感じ取って頂ければ。

今のシーンに風穴を空けたい

イトヲカシ

――アルバムタイトルの『中央突破』はパンチのある言葉ですがどのような想いが込められているのでしょうか。

伊東歌詞太郎 曲が出揃ってからタイトルを決めました。僕らは今まで四字熟語でタイトルが統一されていることが多かった。だから、今回も自分達らしくということで、四字熟語にしようと考えた上で、「王道の音楽で今のシーンに風穴を空けたいね」と2人で話していて、『中央突破』という言葉が出てきました。

宮田“レフティ”リョウ 「真ん中に行きたい」という。

――音楽以外で“中央突破”したことはありますか?

宮田“レフティ”リョウ サッカーでくらいしかないですね(笑)。

――よく考えてみれば“中央突破”って難しいことですよね。

宮田“レフティ”リョウ “中央突破”ってそんなに出来ることではないじゃないですか。だからこそ、このアルバムを聴くことによって一緒に中央突破してもらえるのではないかと思って。

――メジャーデビューをされて9カ月経ちました。改めて「メジャーデビューして良かった」という思いは強くなりましたか?

伊東歌詞太郎 そうですね。まずは今作『中央突破』が色んな人に届くのではないか、という期待感があります。それを肌で感じ取れているので、メジャーデビューをして良かったという気持ちがあります。

宮田“レフティ”リョウ たくさんの人が関わってくれて、僕らだけでは絶対に掴めなかったような、ラジオやタイアップのお話を頂けました。僕らの作っている音楽を一人でも多くの方に聴いてもらいたいという思いがあるので、そういった意味でもメジャーデビューして、自分達だけでは出来ないことが出来るような機会を頂けたと思っています。

――ツアーもまだまだ続きます。

伊東歌詞太郎 今回のツアーはチャレンジをするツアーなので、「伝える」ということを大切にしていきます。受け取ってもらったことに感謝しつつ、その感謝をどうやって伝えたら良いのかということを悩みつつ、自分なりの答えを見つけて、1本1本大事に伝えていきたいと思います。

宮田“レフティ”リョウ ライブで凄く成長しているという実感が得られているツアーなので、ライブに来てもらえたら絶対に後悔させないという自信があります。生で直に僕らの音楽を受け取ってもらいたいなと思います。

(取材=村上順一)

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