昨年から続いたデビュー20周年メモリアルイヤーの総決算ともいえるライブをおこなったT.M.Revolution

 T.M.Revolutionが5月13日と14日に、埼玉・さいたまスーパーアリーナで『T.M.R. LIVE REVOLUTION’17 -20th Anniversary FINAL-』を開催した。昨年から続いたデビュー20周年メモリアルイヤーの総決算ともいえるライブで、初日13日のオープニングには水樹奈々がサプライズ登場。二人のコラボ曲「Preserved Roses」と「革命デュアリズム」の2曲を熱唱。3枚目のシングル「HEART OF SWORD ~夜明け前~」や、昨年8月にリリースされた最新曲「RAIMEI」など、新旧織り交ぜた全25曲を披露し、20周年の締めくくりに相応しい盛大な公演となった。西川貴教は「これがまた新しい始まりなんだと、この瞬間になって改めて思うことができた。70億いる人の中で見つけてくれてありがとうございます」とファンに感謝を告げた。今回は、初日13日の模様をレポートする。

水樹奈々がサプライズ登場

西川貴教と水樹奈々

 定刻を少し過ぎたところで、会場の明かりが暗転。SEが響き渡るなか、白色の照明がサーチライトのように会場を照らした。メインステージの天井には、可変式の大型パネル5台が設置され、そこに様々な画を映し出した。

 オープニングナンバーは「Preserved Roses」。メインステージから十字型に伸びた花道の左右に、西川と水樹奈々が登場。会場は一瞬にして大歓声に包まれた。花道からセンターステージに移動し、中央で向かい合いながら歌う様子に、会場の興奮度は序盤から最高潮。絡み合う歌声と圧倒的な存在感で魅了した。メインステージに戻り演奏が終了すると、水樹が「20周年おめでとうございます」と西川を祝福し、ステージを後にした。

 そして、「おっ始めようぜ!」という叫びを合図に、「夢幻の弧光」、「Zips」、「魔弾 ~Der Freischütz~」、「LOVE SAVER」を立て続けに披露。ヘビーでラウドなバンドサウンド、そして西川の熱い歌声によって、オーディエンスはヒートアップ。そのパフォーマンスに応えるように、会場は振り上げた腕で満ちていた。

 ここで、ストリングス隊がセンターステージに登場。宇宙のような映像がパネルに映し出され、その映像に合わせ、ストリングスの生演奏が届けられた。花道が突如せり上がり、西川が登場。ストリングス隊が囲む中央で「陽炎 -KAGEROH-」を情熱的に歌い上げ、続いて、スモークが広がる幻想的な世界観のなか「月虹 -GEKKOH-」を、花道の最先端で、天井から粉雪が舞うなか「雪幻 –winter dust-」を、情感たっぷりに届けた。涙を流しながら歌う西川に、手を合わせ見つめるオーディエンスの姿が印象的だった。

 ライブは中盤戦へ。ここからはダンサー8人を引き連れ、ダンサブルなエレクトロサウンドで「WHITE BREATH」など大ヒットナンバーをノンストップでパフォーマンス。西川もヘッドセットマイクで歌唱し、軽快なステップでダンサーと見事にシンクロ。「HIGH PRESSURE」では、センターステージの一部がせり上がり、次々と展開が変わるパフォーマンスに会場はさらにエキサイティング。さいたまスーパーアリーナをクラブのような空間に変えた。

 間髪入れずにバンドサウンドが鳴り響き、バンドメンバーによるインストナンバーを披露。柴崎浩(Gt)、菰口雄矢(Gt)、IKUO(Ba)、大島こうすけ(Key)、山崎慶(Dr)の洗練されたテクニカルなフレーズの応酬に、客席のテンションが徐々に高まり、そのまま、会場を揺らすドラムサウンドをきっかけに「とっておきのおはなし ~新説恋愛進化論」に突入。西川が再びステージに登場し、「Albireo –アルビレオ-」を激しく歌い上げた。

全員が共犯者です!

ライブのもよう

 西川は、「この瞬間を迎えられていることを本当に嬉しく思っています。20周年ファイナルということで、せっかくみんなが来てくれるんだったら、あれも食べたそうだった、これも飲みたそうだったなと、いろいろ詰め込んだらひどいことになりました(笑)。これもひとえに皆様と僕のせいです。全員が共犯者です!死なば諸共、行けるとこまで行けるかい!そのマインドこそがT.M.Revolutionでしょう!」と、欲張ったセットリストになった理由を語った。

 上着を脱ぎ捨て、「UTAGE」へ。“キメ”のポイントで会場全体でジャンプし、さらにギアを一段上げて加速度は増していく。ベストも脱ぎ捨て上半身裸になり、「crosswise」、「SWORD SUMMIT」、「DOUBLE-DEAL」とアップチューンで畳み掛けた。

 「時折こんな瞬間を味あわせてもらったら、やめられないのですよ。自分が20歳の時、何とか一旗上げたくて上京しました。狭いアパートで、ろくにものも食べていなかったし、その時に描いていた自分とは、ちょっとは違うかもしれないけど、今はそれ以上の瞬間を迎えられているかもしれません。みんなのおかげです」と感謝を述べた。

 金銀のテープが宙を舞い、「これ奇跡じゃないですよね!?そうだろ埼玉!」と力強く投げかけ、本編ラストは、ブレイクのきっかけとなった「HEART OF SWORD ~夜明け前~」を披露。「この一言しかない、愛してるぜ!」と叫び、オーディエンスによる歌声も盛大に響き渡った。

70億いる人の中で見つけてくれてありがとう

ライブのもよう

 アンコールに応え、ステージに戻ってきた西川。この日の雨は、「他界した祖父が観にきてくれているからだ」と語る。「まだやれるというところ、じいちゃんに見せてやる!」と、昨年8月にリリースされた「RAIMEI」を披露。「VITAL BURNER」、「CHASE / THE THRILL」と続き、オーディエンスのボルテージは最高潮まで高まった。

 「終わりたくないです…。そんな気持ちでいっぱいです。でも、これがまた新しい始まりなんだと、この瞬間になって改めて思うことができた。それはみんなに会えたからです。70億いる人の中で見つけてくれてありがとうございます」と長いお辞儀をし、その感謝の気持ちを込めて披露されたラスト曲、「LIGHT MY FIRE」で大団円を迎えた。

(取材=村上順一)

セットリスト

01.Preserved Roses
02.革命デュアリズム
03.夢幻の弧光
04.Zips
05.魔弾 ~Der Freischütz~
06.LOVE SAVER
07.陽炎 -KAGEROH-
08.月虹 -GEKKOH-
09.雪幻 –winter dust-
10.WHITE BREATH
11.蒼い霹靂
12.WILD RUSH
13.HIGH PRESSURE
14.HOT LIMIT
15.とっておきのおはなし ~新説恋愛進化論
16.Albireo -アルビレオ-
17.UTAGE
18.crosswise
19.SWORD SUMMIT
20.DOUBLE-DEAL
21.HEART OF SWORD ~夜明け前~

ENCORE

EN1.RAIMEI
EN2.VITAL BURNER
EN3.CHASE / THE THRILL
EN4.LIGHT MY FIRE

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