フリースタイルのラップバトルを繰り広げる、テレビ朝日系『フリースタイルダンジョン』の出演者で構成された、Dungeon Monstersが、16日放送の同局系音楽番組『ミュージックステーション』に出演する。ここで期待されるのは、タモリとのやりとり。タモリは過去に他番組で“ラップ”を披露したことがあるからだ。

 『フリースタイルダンジョン』は、昨年9月から深夜帯に放送されているテレビ番組。毎回挑戦者が「モンスター」と呼ばれる腕利きラッパーと即興ラップで対決し、賞金100万円を目指す。

 放送開始から人気を集め、シーン界隈だけでなく一般にも広く慕われるようになり、今ではこの番組は、アンダーグラウンドで盛り上がっていたMCバトル(ラッパーが即興で勝敗を決する試合)の認知度を押し上げ、お茶の間的ブームを決定付けた“功労者”とも言われている。

 そして今回、もはや国民的な音楽番組となっている『ミュージックステーション』に、番組出演者のラッパーが出演することが決まった。

 出演するのは「フリースタイルダンジョン」のなかで「モンスター」として挑戦者の“進撃”を阻んでいる、般若、漢 a.k.a GAMI(MSC)、サイプレス上野(サイプレス上野とロベルト吉野)、R-指定(Creepy Nuts)、T-PABLOW(BAD HOP、2WIN)、DOTAMA(FINAL FRASH)、CHICO CARLITOの7氏。

 この7氏が、ユニット「Dungeon Monsters」としてステージに立ち、楽曲「MONSTER VISION」を披露する事になっている。

 彼らのパフォーマンスはもちろん、この放送で注目したいのはメインMCであるタモリとのやりとりである。タモリは過去に、他のバラエティ番組においてUNCLE-T名義やDr.WANG名義で中国語のラップを披露した事があるのだ。

 なぜ中国語なのかは芸風に由来しているからだろう。そして、これまでタモリがラッパーとして共演したのは、ラッパーのZeebra、リップスライム、そしてRun-D.M.C.(米国の伝説的ヒップホップクルー)と早々たる顔ぶれとなっている。

 タモリは元々ジャズトランぺッターでもある。タモリが敬愛しているアーティストの一人にマイルス・デイヴィスがいる。マイルスはモダンジャズからそのキャリアをスタートし、ロックやファンクを経由して、晩年はヒップホップに取り組んだ。

 その姿勢がタモリにも受け継がれヒップホップにも好意を抱いている可能性がある。そんなタモリだから、もしかしたら放送ではDungeon Monstersのセッションも見られるかもしれないのだ。

 「フリースタイルダンジョン」の仕掛け人はZeebraだと言われている。そのZeebraを見て育った第2、第3世代がDungeon Monstersとも言える。そしてタモリはそのZeebraともセッション経験があるのだ。今夜の『Mステ』その両者の邂逅で何が起きるのか、という点も見どころではないだろうか。(文=小池直也)

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