時代を象徴するグループへ、WEBER エンターテインメントの先に
INTERVIEW

時代を象徴するグループへ、WEBER エンターテインメントの先に


記者:桂 伸也

撮影:

掲載:17年04月26日

読了時間:約20分

「オオカミの涙」から続く新曲のストーリー

WEBER

――次に、シングル「-BALLON-/笑顔が叶いますように」のお話を伺えればと思います。この作品は、前作の「オオカミの涙」からの続編的なコンセプトがあるとのことですが、このストーリーにはどのようなつながりがあるのでしょうか?

Taka. まず前作の「オオカミの涙」からお話しすると、オオカミが鳴く時は、威嚇だったりとかそういう部分でなく、愛情表現で泣く、寂しいという感情を表に出すそうです。人間って、結構強がってしまうじゃないですか。だから、そこの人間らしさ、オオカミらしさ、相互の人間にもある部分で、寂しいとか辛いという感情を出してもいいんじゃないか? と。そのネガティブな涙を流して一歩踏み出す、というストーリーが「オオカミの涙」のコンセプトなんです。

 それに続く「-BALLON-」は、そのネガティブなイメージから一歩踏み出したオオカミの、その後のストーリーを描いているんです。このテーマで今回、両A面として出させていただいたんですが、「-BALLON-」はフランス語で「風船」の意味。その風船に花の種を付けて飛ばしてあげると、それが全国に広がっていって、落ちた場所から花が咲く。そしてみんなの「笑顔が叶う」、その流れがこの2曲の一貫したテーマです。

 「-BALLON-」に関しては、オオカミが流した涙も、その目で風船を眺めてきれいな花を見た時に、嬉し涙に代わるというコンセプトがあります。だから歌詞としてはファースト、セカンドとなった中で、1曲として聴き馴染みもあるし、単体で聴いてもすごくいい曲だし、春を感じる曲だと思うんですけど、そうやって「オオカミの涙」からまた聴くと、違った表情を見れるんじゃないかと考えて、この2曲をリリースさせていただくことになりました。WEBERとしてもストーリーというのは大事にしたいという思いもありましたし。

――2曲ともすごくウキウキしてくる感じですよね。ストーリーというところでは壮大でスケールを感じさせるものでもあります。今回のシングルに関するコンセプトも、もともと「オオカミの涙」をリリースする際にはこういうストーリーの流れを考えていたのでしょうか?

Taka. いや、テーマは最初にあるんですけど、そのテーマから次にどうなっていくかという全体的な構想が先に固まっているわけではなく、“前にこうだったから、今回はこの方がいいよね?”“こうなれるんじゃないか?”というアイデアから、ストーリーをどんどん練って繋げている感じですね。

――では、今後サードシングルでは、この話の続き的なところも期待できるかもしれませんね。このストーリーというのは、WEBER自体の現在の動きという部分で、すごく同調しているようにも見えます。リンクしているというか。その意味では、何らかのグループとして動きも出てくるような、そんなイメージが曲に反映されることも考えられるのでしょうか?

Taka. そうですね。WEBERとしてすごく大きいのは、今までやってきた曲もそうですけど「オオカミの涙」も「-BALLON-」も「笑顔が叶いますように」もすごく寄り添っていて、本当に背伸びしない等身大の自分たちのまま歌えるということ。僕たちの曲で1stシングルの「First day」という曲があるんですけど、その曲も僕たちと一緒に育ってきたもので、何かある時には歌って、逆に支えられたし。そういう力がある曲が多いですね、WEBERの曲は。多分「-BALLON-」もそうだし、歌っててレコーディングをしている時に、頑張ろうとか、自分たちも歌いながら励まされているというか。

――「-BALLON-」は何か春らしい明るくてウキウキしてくるような曲ですが、よく聴いてみるとAメロの部分はちょっと複雑な譜割になっていて、ダンスや歌は難しそうな感じですよね。リズム的にも意外に斬新に聴こえるマーチっぽいものにしていたりとか、新しいチャレンジも見られます。MVではバトントワリングを使ったダンスも見られますが、このアイデアはJさんやlittle Skeetさんが思いつかれたのでしょうか?

J そうです。最初にマーチングっぽい振りというか、道具を使わずにそういう振り付けにしたいと考えていたんですが、どうせだったら使っちゃった方がよくない? という話になりまして。そちらの方がより立体的に曲を表現できるし、見た目としてもわかりやすい。

 ただバトンを使うにしても、普通にバトンを回しても面白くないし、WEBERがやる意味はない。かといってバトンがすごくうまいのかといえば、初めてのものなので、バトン選手みたいにくるくる回せるわけではない。なので、結果的に今まで僕たちがやってきたストリートダンスとバトンを混ぜて振りを作ったんです。こういう振りで「-BALLON-」の世界をより広げられるようにすればいいかな? というところから考えて。

J

――今回の「-BALLON-」「笑顔が叶いますように」に対して、まったく雰囲気の違うカップリング「Ready Steady Go→」もありますね。

Hayato これば僕のソロ曲なんですけど、ライブでも本当に結成当初のツアーの頃から僕がソロで歌わせていただいているものなんです。もともとこの曲自体にもコンセプトもあるんですが、今回のシングルのテーマとしては結構明るい曲という傾向もあって。両方とも、「-BALLON-」も「笑顔が叶いますように」も明るい曲だし。皆さんにも楽しんでいただける曲として、楽しんでいただくということを考えて、今回この曲を選ばせていただきました。

――例えばダンサーという立場で考えると、この「Ready Steady Go→」のような曲で自身のダンスを前面に出したい、という気持ちもあるのかな、という感じもしました。今回は、それよりはやはりコンセプトが先にあり、全体に見えるところを意識したという感じなのでしょうか?

J そうですね。純粋に「Ready Steady Go→」のほうが踊りやすいということが、今言われたことにつながると思います。普通に聴いて頂いただけでそういうイメージを感じられたというのは、つまりそういうことだと思うんです。ただ、それだけだと例えば「典型的なダンスボーカルグループの形」と言われて終わってしまう。でもWEBERって「これで踊るんだ!?」というもので踊るから面白くて(笑)。

 ぶっちゃけると、作るほうは大変なんですけど、「これでこういう振り付けで、こういう表現をするんだ? だから面白いんだね」というものを目指しているんです。

――その意味では、自分たちの見せ場を存分に出しているという感じですね。確かにバトントワリングというのは意外な感じもあります。歌を歌う側としてHayatoさんは如何でしょう? 聴かせどころというか、この部分を一番聴かせたいというところはありますか?

Hayato 僕はやっぱり中間部分の最後にある<苦しみ 悲しみ 解き放て♪>と叫ぶように歌う部分ですね。例えば新学期、新年度、新生活が4月にあって、友達を作るに作れない、行くに行けないという人もいたり、この時期は何らかの悩みを抱えてしまいがちな時期だと思うんですけど、そういうものを貯め込むんじゃなく、もっと自分を解放して楽しくと僕的にはアプローチしています。友達になってお話して、というほうが楽しいと思うので、そういう意味では<解き放て>という部分に強く気持ちを持って歌わせていただいています。

――Taka.さんのほうはいかがでしょう?

Taka. 僕はどちらかというと全体というか。この1曲として、その歌詞に秘められている言葉って、人それぞれの捉え方がすごく沢山あると思うんです。その中で僕個人としてはこの流れというか、Bメロがあって曲も音もいわゆるダンスも。全部が盛り上がったところで、またそれは寂しい感じに続く、みたいな。その流れを聴いて頂けたら一番いいんじゃないかと。その言葉の響きや、聴いていただいた時の耳触りもそうですし。

――Hayatoさんとの歌のスタイルでの違いというものもあるのでしょうか?

Taka. そうですね。基本的にHayatoは声が高くて、バーンと主張する感じ。対して僕は声が低いんですが、その中で僕が一番大事にしているのは説得力なんです。言葉の力って本当にすごいと思うし、それを僕たちは音楽に乗せる。二人で1曲を伝えているので。Hayatoが歌っている、Taka.が歌っているというのもそれは楽しみとしては面白いと思うんですけど、1曲として見てもらいたいという思いはあります。さらに、WEBERの歌詞の部分をダンサーの2人が体でも表現してもらう。その意味で僕らは本当にわかりやすいグループだと思うんです。

――歌、詞へのこだわりが強く感じられますね。合わせてライブでは、ダンスもアピールポイントとして強いですよね。

Taka. まさしく。またMVでは違った形で、僕たちのショーが見られるし、ライブでは違ったショーが見られるし。CDになった時には車でかけて音楽を聴いて、自分の中で想像して、”この前のライブは楽しかったな”とか思い出しながら聴いてほしい、みたいな感じではあります。

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