楽曲の可能性を自分たちで広げる、WEBER ステージで育てる物語
INTERVIEW

楽曲の可能性を自分たちで広げる、WEBER ステージで育てる物語


記者:桂泉晴名

撮影:

掲載:18年03月31日

読了時間:約12分

 「WEBから広がるグループ」をコンセプトとして活動を続けている4人組ダンスボーカルユニットのWEBER。戻らない恋を思い返して苦悩するドラマティックなナンバー「僕の記憶が嘘をつく」を収録した4枚目の同名シングルを、3月21日にリリースした。昨年2月に「オオカミの涙」でメジャーデビュー。2015年以来、ライブと芝居を合わせたエンターテインメントステージ「Masquerade Bitter Night」を定期的におこなうなど、楽曲のリリースだけではなくその曲をダンスや芝居などを通しさらに世界観を広げていくということにこだわり続ける彼ら。3曲入りの今作にも歌詞の持つ不思議な繋がりなどから、その彼らの想いが十分に詰まっていることが窺い知れる。彼らは今作をどのように捉え、表現しているのか。その真意や、ファンとの繋がり、デビュー2年目となる彼らの今後などについて語ってもらった。【取材=桂泉晴名/撮影=片山拓】

みんなが並行で表現して一つのものを作る

――まず、ボーカルのお2人に伺いたいのですが、新曲「僕の記憶が嘘をつく」の詞についてはどう理解して表現しようと思われましたか?

Taka.

Taka. この曲はタイトルが最初に決まったんですよ。僕たちも「僕の記憶が嘘をつく」というテーマをもらった時に、本のタイトルみたいだと思ったんですけど、その詞がどういう内容になるのか全く想像できなくて。それで完成した曲を聴いた時、過去を振り返って「あの時こうしていれば」というグチャグチャした感情がストレートに入っていて。この主人公に自分を重ねるのではなく、詞で表されているドラマを組み立てて、その情景を歌っているというイメージの方が強いですね。

Hayato 僕は逆に、昔の恋愛とかそういうものを思い浮かべて「この時こうだったな。こういう風に記憶に嘘をついたな。いいように捉えていたな」と考えました。<あんなひどいこと言って あんなに傷付けたんだ サヨナラ言うのも当然だよね ごめんね。>と歌詞にもあるのですが、そういう恋愛も実際に過去にあったので。主人公になった気持ちで歌っています。

――逆のアプローチなんですね。

Taka. 僕はどちらかというと、俯瞰から見る方が好きなタイプなので。

――ダンサーであるlittle Skeetさんは、この歌の主人公の男性についてはどんな印象を持ちますか?

little Skeet 僕もどっちかっていうと、たぶんこういうタイプになっちゃうとは思うんです。

Taka. 本当?

little Skeet たぶんね。

Taka. でも、彼はこう見えて九州男児なんですよ。生まれは長崎なので、しっかりそっちの血を引き継いでいて。しゃべっていても結構男気があるタイプだから、どちらかというと、全部受けちゃうタイプだと思うんですよね。背負うというか。

J WEBERで亭主関白なのは、Skeetだと思う。

little Skeet いや、Hayatoじゃないかな?

Hayato 俺、かな?

J Hayatoの場合は、亭主関白をさせてあげている女の子が後ろにいるタイプ。

J

一同 ああー!

J 「なんちゃって亭主関白」みたいな。

Hayato 転がされていくねえー!

J 真の亭主関白はSkeetですね(笑)。

little Skeet そうなんですかね(笑)。

Hayato 今、しっくりきた。

J Skeetが一番、根に持っているものは強いかもしれないと思います。

――Skeetさんはこの曲をどのようにパフォーマンスしようと考えましたか?

little Skeet 最近リリースイベントなどで、この曲をたくさんやらせていただく中で、この主人公が実際に何を思って言っているのか答えはないわけですけど、ただそこの景色に一歩でも近づけるように、見てくれるみんなが「たぶんこういうとき、ああいうことがあったんだろうな。こういうことを思っていたんだろうな」と想像できるようなパフォーマンスをしたいなと考えています。

 僕たちの声を聴いて、目でみて、少しでもこの曲の深さといったものを引っ張りたいという思いでパフォーマンスをしているつもりではいます。もちろん、この曲に限らずですが。

――とくにこの曲だと、後悔の思いが伝わってくる振付がされていますよね。

little Skeet この「僕の記憶が嘘をつく」の主人公はたぶんすごく悩んで、もうどうしようもなくなっていると僕は思っているので、その感情に僕もよりつつ、激しめじゃないですけど、ちょっと感情をあらわにして踊っています。

――Jさんはいかがですか。

J 僕の場合は、完全にこの人になるということじゃなくて。でもWEBERで、ダンス&ボーカルグループをやるにあたって、バックダンサーという立ち位置にはなりたくないという思いはあります。日本ではどこか歌メインで聴いてしまう部分があると思うんですけど、みんなが並行で、それぞれ表現して一つのものを作っているんだよ、ということを表現したい。

 メインになる時もあれば、それを支えて、さらに空間と表現を広げるという役割を担っているときもあると思っているので。どちらかというと、僕の場合は演じている方が多いかもしれないですね。踊りで演じているという。だから、そのときどきによって、たぶん踊り方が変わっていたり、100%毎回同じではなくなっている気はします。

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