安全地帯ギタリスト組のワタユタケ、“剛”と“柔”の音色で魅了
ライブの模様
安全地帯のギタリスト・矢萩渉と武沢侑昂のふたりが2015年に結成したユニット「ワタユタケ」の初のフル・コンサートが24日、東京・よみうり大手町ホールで開催された。
コンサートは、安全地帯のファースト・アルバムに収められた「ENDLESS」で幕が開いた。武沢侑昂のゆったりとした広がりのあるギターに、矢萩渉のギターが静かに絡んでいく。
4曲目のクラシックの名曲「Bolero」のカバーでは、ツインギターの美しいハーモニーを存分に聴かせ、後半にはディストーションを効かせたハードなサウンドへと盛り上げていく。
矢萩と武沢の演奏をサポートするのはベースとキーボード/マニピュレーター。武沢はアコースティック・ギターをスタンドに設置し1曲の間にバックに回ったり、エレキギターに持ち替えリードを弾くなど、マルチプレーヤー振りを発揮。一方、矢萩は「時はどこへ」や「冒険者」ではボーカルを披露するなど、4人だけのミニマムな編成ながら、驚くほど多彩な音を奏でる。
中盤の安全地帯のナンバー「La-La-La」(アルバム“安全地帯II(1985)”収録)では、演奏前にコーラスに参加する観客を募り、舞台に誘導。ボーカル・パートを2本のギターが奏で、コーラス・パートの“La-La-La”をステージ上の観客に歌ってもらうというファン・サービスもあり、まさに客席とステージが一体となる一幕も。
終盤の「Variant」以降は、アップテンポ・ナンバーが並び、ふたりのドライブ感100%の豪快なギター・プレイが炸裂。本編ラストの「Christmas Day」では、入場時に配布された歌詞カードを見ながら客席全員で大合唱。和気あいあいとした、ワタユタケのハートウォーミングなクリスマス・コンサートが幕を閉じた。
安全地帯のメンバーとしては40年以上の長い付き合いはあるが、ふたりだけの活動はこのプロジェクトが初めてだという。矢萩渉の太い「剛」のギターに対し、武沢侑昂は繊細で「柔」なギター。ふたりの全く異なるタイプのギター・プレイが真正面から対峙して生みだす「音」の素晴らしさ。このふたりが居たからこそ、安全地帯のあのサウンドがあったのだと改めて感じさせる一夜であった。
セットリスト
ワタユタケ Christmas Dayライブ 東京・よみうり大手町ホール 01.ENDLESS(※) 無印:アルバム「TWIN GUITAR」収録曲 |