北海道で完全復活した大黒摩季

北海道で完全復活した大黒摩季

 歌手の大黒摩季が13日、北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージでおこなわれた『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO』に出演し、音楽活動を再開させた。2010年の活動休止以来、子宮疾患の治療・不妊治療を続けて一般人として過ごしてきた。6年ぶりとは思えない、ブランクを感じさせないパフォーマンスで観客を魅了した。地元北海道を再出発の地に決めた彼女の復帰ライブの様子を以下にレポートする。

 14時。『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO』が開催されている石狩湾・新港ふ頭は、北の大地・北海道と言えども青空の下、強い日差しが照り注ぎ、炎天下では30℃を越していた。その会場内のRED STAR FIELDは、期待と熱気ではち切れんばかりの状態。そこには、1人のアーティストの復活を待つ約8000人の観客が押し寄せていた。

 14時50分、この日のために集結したスペシャルバンドのメンバーのドラム・青木和義(T-BOLAN)、ベース・徳永暁人(doa)、SAX・勝田一樹(DIMENSION)がステージに登場。耳馴染みのあるイントロが始まった。彼女が復帰のオープニングに選んだ曲は「熱くなれ」。そして大黒摩季が姿を見せると、この時を心待ちにしていた超満員の大観衆からは「お帰りなさい!」「待ってたよ!」という暖かい声が。

 「ホーム、ただいま!」大黒の復帰第一声はこの言葉だった。1996年の大ヒット曲「熱くなれ」をシャウトすると、大黒摩季の想いと会場全体の復帰を心待ちにしていた想いが、ハッキリと交わったのを感じる。

 「DA・KA・RA」「チョット」「別れましょう私から消えましょうあなたから」「Halem Night」とヒットナンバーを続ける。既に彼女の瞳は涙でうるんでいるのが遠くからもわかった。デビューしてから24年間という中で培われたライブの勘とパフォーマンスは、6年間というブランクを全く感じさせない。

 活動休止中は病気と治療との戦いが続き、「“大黒摩季”として復帰できるのか?という不安の日々の連続だった」と話す大黒。だが、むしろ90年代にヒット曲を連発していた時と何ら変わらないハイトーン・ボイスとパンチ力を放つステージの彼女の歌声は、RED STAR FIELDの観客たちを今もなお魅了していることが確実に感じ取れる。

 そして、大黒はこう語る。「もう一度歌えるかな?って、何度も思っていたから、今日この場に立てるのは奇跡です!なまら楽しい(笑)」「ただいま!って、つきなみですけど勇気出して良かったなって思いました」。

北海道で完全復活した大黒摩季

北海道で完全復活した大黒摩季

 その後、彼女が講師として育ててきた札幌スクールオブミュージック&ダンス専門学校のダンサーたちが登場する「永遠の夢に向かって」「あなただけ見つめてる」、ラテン・グルーブに盛り上がる「夏が来る」「いちばん近くにいてね」、さらに「Anything Goes」と大ヒットナンバーは続く。

 復帰にあたって原点回帰を目指し、北海道を再出発のスタートに選んだ。そして、地元を愛し、地元に愛される大黒。次は、小樽市立菁園中学校の生徒たち18人も登場、本人自身が「一生歌っていくと思うこの曲」と語る「ら・ら・ら」を合唱する。彼女の思いに会場も合唱となり、この時、会場全体がまさに一体化した。

 そして大黒摩季がラストに選んだのは新曲「Higher↑↑ Higher↑↑」。6年間、世の中に対して感じて来た思いを込めた渾身の作品は音楽に妥協せず、人生に諦めず、“より高いところ”を目指そうとする彼女を象徴するものに仕上がっていた。そんな思いが通じたのか、ステージも会場もタオルを振り回し、熱狂のるつぼと化す。そして、青空の広がる北海道・石狩の大地に壮大な光景を作り上げたのだった。

 最後に、10月16日に、もう一度、故郷・札幌で単独ライブを行うことも発表され、観客を沸かせた大黒。復活をアピールするのに相応しいパフォーマンスを見せた。

セットリスト

1熱くなれ
2大黒摩季 ヒット曲メドレー
(DA・KA・RA、チョット、別れましょう私から 私から消えましょうあなたから、Harlem Night)
3永遠の夢にむかって
4あなただけ見つめてる
5夏が来る
6いちばん近くにいてね
7Anything Goes
8ら・ら・ら
9Higher↑↑ Higher↑↑

 

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