あっという間のデビュー半年、NakamuraEmi　自信を支える仲間の絆

選曲して偶然７曲になった

NakamuraEmi（撮影・Rui Hashimoto・SOUND SHOOTER）

――７月７日におこなわれた『七夕はここで。～2016～』に合わせて、以前やったライブの音源がアナログ盤と配信でリリースされました。リリースまでのスパンが早かったのですが、発売は前から決まっていたのですか。

　けっこう直前だったんですけど、スタッフの皆さんが「Emiちゃんはレコードがすごい大好きだし、昔のミュージシャンがライブ音源をアナログで出していたイメージが合うから」って言ってくださって。今回の「使命」という曲も、もっとたくさんの人に聴いてもらえたら嬉しいね、というのもあって、じゃあ初めてのツアーだしそれをアナログに残してMVの方も「使命」の方のものを残していこうという案を下さったんです。まさかそんなすぐにアナログ盤を出せるなんて想像もしていなかったので、もうスゴイ嬉しくて。

――５月のツアーが終わって、リリースまで１カ月くらいしかなかったですもんね。

　そうなんです。急だったんですけど皆さんが動いて下さって。

――リリースはDVDだと思っていたんですけど、まさかアナログ盤とは思いませんでした。

　すごい嬉しいですね、アナログ音源。びっくりしたのは、最近、DJの方やダンサーの方がライブに来てくれる事がすごく多くて、何でも知らない間に「EmiちゃんのレコードをDJが回してたからオレ踊ってきたよ！」という話をいくつか聞くんですよ。やっぱりアナログ盤というのはこの世代のDJの方にはすごく喜んでくれる物なので、かけがえのない物だなと思ってます。本当に嬉しいですね。

――今回はiTunes Storeで７曲が配信されて、４曲を「赤盤」「青盤」と２曲ずつに分けてアナログ盤でリリースしました。「赤盤」「青盤」といえばビートルズですが、意識した部分はありますか。

　最初はそこまで考えていなかったんですけど、私は今まで赤とか青色のグッズを作ってこなかったんですけど、ジャケット案が並べられた時に「すごい意外だね」となったんですよ。これだったらちょっと特別感もあるし、赤盤青盤ができたら「俺は赤盤持ってるぜ！」とか「オレは青盤買ったぜ！」とかそういうのってイイねって。デザイナーさんとスタッフさんが「赤とか青も見せて下さい」と言ってくれて、このデザインが出てきたので、その一言がなかったら多分「赤盤・青盤」というイメージは無かったんです。でも、今考えるとビートルズの来日50周年ともリンクしているし、それも「いいな！」って思いますね。

――ちなみにこの４曲をアナログに選曲した決め手は？

　これの選曲は超大変でしたね。まずライブで演奏した全曲をみんなで聴いて、良かったものを挙げて。そこから「聴いてもらいたい」というのを何曲か選んで、「レコードで聴いたら気持ちいいね」というのを最後に選んで、後は配信で他の３曲を聴いてもらおう、という感じに絞ったんです。最終的にこの４曲に絞るのはすごく難しかったですね。

――７inchのアナログ盤、７曲を配信というのは７月７日のリリースに掛けたというところも？

　本当だ！　７月７日は全然気にしてなかったです。いろいろ選曲して偶然７曲になったんですよ。これもいい具合にリンクしてますね（笑）。

――「Lock ＆ Stop ＆ 不能」はフルバンド演奏から、シンプルな編成での演奏に逆にハッとさせられますね。

　最初は基本フルバンドでやった曲を収録する事で考えていたんです。「Lock ＆ Stop ＆ 不能」は私とカワムラさんの２人だけでの演奏だったんですけど、すごく良かったので残そうと思ったんですよね。やっぱり何年もずっとカワムラさんと一緒にやってきたので、すごく少ない音でやるという事は本当に楽しくて。インテンポでなく私のグルーヴに合わせられるのは、改めて聴くとカワムラさんだけじゃないのかなって思うくらいの呼吸でした。それをレコードに収められたらなと。

――地元厚木に降り積もった雪を見て書いた曲「雪模様」はタイトルありきですか。

　その曲はどっちだったかなあ…。「雪模様」はレコードに入れようか最後まで迷っていたんです。

――コードの響きとそこに乗るメロディーと歌、曲の雰囲気と世界観が素晴らしいです。これはやっぱりギターで作っていた曲なのでしょうか。

　この曲は珍しくピアノでコードを付けていった曲なんです。なので、ギターで作っていた時とはまた違う感じになったのかなと思います。

――この「雪模様」を初夏に演奏したというのがまた興味深いですよね。

　この曲はずっと大好きなんですけど、いつもライブをやれる場所が30分間のステージが多かったので、なかなか出来なかったんですよ。だから今回のワンマンで「絶対にやりたい」って言っていたんです。

――配信リリースも出来て良かったですよね。

　そうなんです。ライブでやれた事があまりなくて、東京の人しかほぼ聴いた事がないと思うので。けっこう前のCDの曲だから、「雪模様」と「チクッ」と「Lock ＆ Stop ＆ 不能」は今CDで売ってない曲なので、これらを配信出来たらきっと喜んでもらえるかなと思って選曲したという背景もありますね。

メジャーデビューを発表した、あの時のメンバーでやりたい

――７月７日のライブはどのような感じになりそうですか（編注＝インタビュー時はまだライブ前）

　ワンマンのときはガッツリしたライブだったんですけど、７月７日はアットホームなものになれたらいいなと思ってるんです。会場はMotion Blue Yokohamaというスゴく綺麗な所で、みんなゆっくり座りながら観られるし、私も全体を見渡せるし、食事をしながらゆっくりしてもらえる時間になれたらいいなと思っていますね。

――今回のライブもバンドメンバーが少し変わるんですよね。

　７月７日は昨年メジャーデビューを発表した、あの時のメンバーでやりたいなというのがあったんです。

――７月７日はメジャーデビューを発表した日でもあるし、特別感がありますね。緊張感やいつもと違う感覚などはありますか。

　いまのところは緊張というよりも、また“挑戦”するものがいろいろあるので、それが出来上がるのかという不安がありますけどね（笑）。でもライブ自体はすごく楽しみですね。

　（取材・村上順一）