NakamuraEmi「歌うことがとても楽しい」ニューアルバムで見せた歌の変化
INTERVIEW

NakamuraEmi

「歌うことがとても楽しい」ニューアルバムで見せた歌の変化


記者:村上順一

撮影:村上順一

掲載:24年07月06日

読了時間:約15分

 シンガーソングライターのNakamuraEmiが、前作『Momi』から約2年10カ月ぶりとなるオリジナルアルバム『KICKS』(5月29日発売)をリリースした(アナログ盤は7月3日に発売)。集英社 HAPPY PLUS公式テーマソングとして書き下ろした「一目惚れ」 、8cmCDで限定リリースされた「究極の休日」「白昼夢」「晴るく」3部作、Mummy-Dとコラボした「祭」、シンガーソングライターのさらさ、伊澤一葉を迎え10年ぶりにリメイクされアルバムに収録された「雪模様」、盟友MASSAN×BASHIRYと共作され、さらにシンガーソングライターのXinUを迎えた「Hello Hello」など全10曲を収録。インタビューでは、プロデューサーのカワムラヒロシとどのように楽曲、サウンドを構築していったのか、アルバムの制作背景を聞くとともに、「いま歌うことがとても楽しい」と話すNakamuraEmiの今に迫った。(取材・撮影=村上順一)

誰にも見せたことがなかったメモ帳を見せた

NakamuraEmi

――2年10ヶ月ぶりのアルバムということで、時間かけて丁寧に作られたことが音を聴いて伝わってきました。この期間はどんなことをプロデューサーのカワムラさんと話し合っていたのでしょうか。

 曲のことも話しましたが、一番は音楽活動についての話が多かったです。ライブ環境もそうですけど、コロナ禍でいろんなことが変わり、2人でアイデアを出してトライ & エラーをずっと重ねていったことが、自分たちの一番の土台を作ってくれたと感じています。昔はいま以上にスタッフさんに頼ることも多くて、コロナ禍のときは頼りにしていたスタッフさんにも会えなかったので、2人でいろいろアイデア出してやっていたことで、共通言語みたいなものが生まれました。カワムラさんと私2人の土台ができたからこそ、このアルバムに向けての栄養がそこで作れたと思います。

――トライ&エラーをしていくなかで、カワムラさんと衝突することもありました?

 衝突はかなり昔に終わりました。10年以上一緒にやらせてもらっているので、お互いの考えていることと価値観が擦り合わされました。ちょっと違うかなみたいなところはすぐ話し合えば解決に向かうので、会話をたくさんしてきて良かったです。改めてわかったことは会話を諦めずにする。同じ目標を達成するためには、「あなたはそうだよね」とは終わらせられないんです。

――詞の雰囲気も変わりましたよね?

 日々の言葉を集めているネタ帳があるのですが、見せられても困るだろうなと思っていて、それは誰にも見せたことがなかったんです。いままで歌詞は自分1人で作っていたので、今回のアルバムからカワムラさんに歌詞も一緒に入ってもらって、制作することに挑戦したので、 自分のネタ帳を初めて見てもらったというのは大きな変化でした。自分ではなんとも思っていなかったんですけど、カワムラさんからしたらとんでもない言葉もあったみたいで、「この時、大丈夫だったの?」とか心配されたこともありました(笑)。自分の初期衝動的な歌詞を見せたことはすごく大きかったです。

――歌詞は固有名詞が多く登場しますが、オブラートに包まない感じの歌詞も懐かしかったです。個人的に「究極の休日」の<ガラコ>はインパクトありました(笑)。

 スタッフさんからは「ガラコって何?」と聞かれました(笑)。前回の『Momi』というアルバムの時にちょっとオブラートに包んで表現することを学びました。今まで日記感が強くて、『Momi』の時に『NIPPONNO ONNAWO UTAU』から離れ、コロナ禍で言いにくいことも出てきたので、オブラートに包むことを一つ知りました。いろいろなことが重なって自分の中で、今また戦いモード、「YAMABIKO」時代にちょっと戻った気がしています。そんな思いがあったから、固有名詞を出すことも全然平気になった、というのもあったかもしれないです。

――ところで『KICKS』というタイトルにはどのような想いが込められていますか。

 いろいろなアーティストさんとコラボをしたり、カワムラさんとゼロから曲を作る挑戦、『Momi』を経て自分がもう 1 回新たなスタートを切れた気がして、新しいところに蹴り出す、進んでいくといったイメージがあります。今までのアー写は大人っぽさ、ナチュラルというところをテーマにしていたんですけど、40代になって改めてストリート感のあるものって自分は大好きなんだと思いました。『KICKS』という言葉にはスニーカーという意味もあるみたいで、すごくストリート感とフィットするなと思いこのタイトルにしました。どこか原点に戻ったといいますか、そんなに着飾らずに挑戦するという部分で、アー写も含めてとても大事だなと思いました。

――ジャケ写は毎回、CDとアナログ盤でデザインがガラッと変わりますが、どんな意図があるんですか。

NakamuraEmi『KICKS』ジャケ写

 デビュー前に自分で作っていたものが、紙質とか文字体でアルバムを表すのが楽しくて、それらにこだわりながら手作りしていたので、メジャーデビューする時もそういったものにしたいと思いました。デザインを担当してくださったNEWTONEの高橋健一さんが引き継いでくださったので、CDの初回限定盤は文字と紙質にこだわって作らせてもらっています。アナログ盤はCDよりもサイズが大きいので、写真でドカンと表現したいという思いもあって、今回もCDとアナログで別のデザインにしています。

――ちなみにアナログ盤のジャケットのテーマは?

NakamuraEmi『KICKS』アナログ盤ジャケ写

 アー写を撮る時にデザインを担当してくださる高橋さんと共有するのですが、トランクの中から何か飛び出てしまっている写真のイメージが強くあったので、それも素材として送る写真の中に入れていたら、高橋さんも「俺もこのイメージがあったんだよね」と2人とも同じだったので、『KICKS』の進む、挑戦するというイメージがある中で、自分たちがいま持っているカバンからも溢れ出るぐらい新しいことに挑戦したい、そこに綺麗なハイヒールとかじゃなくて、汚れているスニーカーというところが自分らしいと思いました。この写真からいろんなものに抗って自分らしく進んでいこうぜ、みたいなものが詰まっているなと思って、このジャケ写になりました。

ちょっとずつ自信をつけていくことが大事だと思った

NakamuraEmi

――歌詞、曲を聴いていて思ったのですが、達観できてきた部分もあるんじゃないかと感じたのですが、そういった面もありますか

 吹っ切れた部分はあります。この2〜3 年間ツーマンライブに誘っていただくことが増えて、これまで面識がなかったアーティストさんと一緒にその日のライブを作り上げるということを経験したのも大きかったです。また、『突然ONEMAN』というライブを行っていたのですが、いろいろな土地に行って初めてカバー曲にも挑戦していく中で、ライブで凹んでしまった時期も半年間ほどありました。そこから抜けるにはもう成功体験を作るしかないと言いますか、怖かったけど、ライブを止めずにやっていたら一つ一つ見えてくるもの、自信になっていく部分が少しずつ増えていきました。「もうやるしかない」みたいなところが、このアルバムにもすごく出たと思います。

――凹んでしまった理由は?

 自分の中でライブ中にいろんなハプニングが起こっちゃうんです。お客さんからしたらクスッと笑えることだったり、スタッフさんからしたらあまり気にならない感じだったりすると思うのですが、私にとっては“やばい”というところにいつの間にか入ってしまって。その時期はライブが終わると過呼吸みたいになってしまい、涙もバーっと出てきちゃって...。そんなところをみんな見せられたくもないと思うし、自分も見せたくないから、どこかの隙間に入って感情が落ち着くまで待つみたいなこともありました。ちょっと自分でも信じられなくて、このまま行くとよくないと思って、解決策をいろいろ調べました。

 イップス(※イップスは心の葛藤(意識、無意識)により、筋肉や神経細胞、脳細胞にまで影響を及ぼす心理的症状)って言葉がすごくメジャーになってきましたけど、当時の私はイップスって言葉を知らなかったんです。SIRUPさんがミュージシャンのための精神科のお話をインタビューでされていたので、そういうところに行ってみようとか、いろいろ考えたんです。でも、いろいろな本を読んでいたら、すごく自分にフィットする本があって、それをお守りのように持って、ライブをやっていたら、いつの間にかだんだん大丈夫になっていって。今では自分にとっていい体験になりました。

――つらい時期があったんですね…。

 これまでは「自信がない、自信がない」とずっと生きてきてしまいました。でも、ひたすらライブをして、本に書いてあったことを実践していくことで、そんな気持ちが少しずつ抜けていったのが去年でした。ライブに救われながら少しずつ成功体験が体の中に入ってきた感覚があったので、ちょっとずつ自信をつけていくことが大事なんだなと実感しました。

――本作の2曲目に収録されている「梅田の夜」で、その成功体験の様子が表れていますよね。ライブの一部始終をそのまま表現するというのはおもしろいです。

 あのライブも一つの成功体験でした。「梅田の夜」は自分1人で書きあげた曲です。自分が今まで日記みたい書いたものはNakamuraEmiワールドになりすぎちゃって、ちょっと伝わりづらい部分がカワムラさんの中にあったみたいなんです。他の曲のほとんどがカワムラさんと一緒に作ったのですが、客観視してもらって、歌詞を改められた部分がたくさんあったからこそ、カワムラさんが「『梅田の夜』は全部このままでいいかもね」と言ってくれて。また「一円なり」も同じような感じで書いた曲でした。

――その「一円なり」は算盤(そろばん)を習っていたときのことが描かれていて。

 昔は多くの人が通ってましたよね。算盤をはじく楽しさみたいなところだけで通っていたので、これを暗算に置きかえるところまでいかなかったんです。いま思えばなんてもったいないことしたんだろうと思っています(笑)。

――算盤を弾く音が曲に入っていますけど、これはEmiさんが算盤を弾いている?

 そうです。すごく良いマイクを使って収録しました。

――自前の算盤?

 自分のです。親戚のお姉ちゃんが近くに住んでいるので、お借りしたり、ネットで古くて大きな算盤も買ってみたんですけど、音がちょっと重すぎちゃったりして、結局自分が使っていた細いものが好みの音だったので、それを使いました。

――歌詞に登場するカナちゃんは、Emiさんにとってどんな人なんですか。

 カナちゃんは小学校からずっと一緒にいた子で、当時は算盤塾も一緒に通っていました。今はお母さんになって家族もいるのですが、私のライブも観に来てくれるんです。

――今も繋がりがちゃんとあって。

 ときどき地元に帰ってきては、娘さんを連れて私の実家にも顔を出してくれます。そんな繋がりもあって、いろいろ思い出して書けた曲だったので、カナちゃんと算盤の先生にCDができたら届けに行きたいと思っています。

「雪模様」を収録することが、アルバムの一つのテーマ

NakamuraEmi

――「祭」は、Emiさんが桑名マイスターを務めるMummy-Dさんの推薦で、三重県桑名市のアンバサダーになったことがきっかけで、コラボが実現したとお聞きしました。一緒にやられてみてどんな発見がありましたか。

 RHYMESTERさんに憧れすぎて、曲を一緒に作るという発想が、もともと自分の中に全くなかったんです。その中でMummy-Dさんが私を桑名市のアンバサダーに推薦してくださったことをきっかけに、市長さんたちと桑名市について一緒にお話しする機会がありました。

 桑名市には「魅力みつけびと」という企画があって、それについてMummy-Dさんとお酒を交わしながら、もっとこうできたらいいよねとかお話したことで、とても背中を押されました。Mummy-Dさんと一緒に桑名市がテーマにした曲を一緒に作りたいと、自分の気持ちが向いたことにビックリしました。

――憧れの方と何かをするのは、ある種の勇気が入りますよね。制作はどのように進めていったのでしょうか。

 まずカワムラさんと一緒に曲を作って、私はお祭りや土地の文化、それらを引き継いでいくことの難しさをテーマに書きました。昔は良かったけど、時代の流れで今になると不適切になってしまうこともあって、そういう部分で文化を引き継いでいくことの難しさを歌っているのが、この「祭」なんです。そして、「バースにMummy-Dさんの言葉をいただきたいのですが、いかがですか」と提案をさせていただきました。

――どんどんコンプライアンスが厳しくなってきていますから。

 私がお祭や文化を引き継ぐという難しさについて歌っていたので、Mummy-Dさんは「僕もそこを歌ってしまうのは違うと思ったから、そことは違う目線で歌詞を書いてみたよ」と、この曲の中での自分の立ち位置を探してくださって、かつドカーンとやってくださったのが本当にかっこいいなと思いました。

――そして、「雪模様」は10年前ほどからある曲ですよね。さらささん、伊澤一葉さんとのコラボですが、改めてこの曲を収録しようと思った意図は?

 昔から伊澤さんの音楽を聴いていたので、Mummy-Dさんと同じく憧れすぎて一緒に音楽を奏でることは想像もできなかった方でした。お世話になっているthe HIATUS のドラムの柏倉(隆史)さんから伊澤さんを紹介していただいて、一緒に食事をしました。また、カワムラさんと伊澤さんがサーフィンを一緒にやったり、そのつながりから一緒に音を出したりしたのですが、もともと伊澤さんの音に空とかそういったイメージ、自然界のパワーを感じていたので、お願いしたいと思いました。

 「雪模様」をリトライするっていうところで、前の段階で既にこの曲は完成していたので、これ以上どうするか、というのはあったのですが、自然界の言葉があふれる中で、伊澤さんの音で聴いてみたいというところで、早速伊澤さんが音を送ってくださって、音色から広がる景色が凄すぎて、タイミング的に居酒屋で聴いたのですが、うるうるしました。

――リリースは初夏なのに冬をテーマにした曲が入れたというのは、どうしても入れたかったという強い意思を感じました。

 この曲を収録することが、アルバムの一つのテーマみたいなところもありました。誰とコラボするとも決まっていなかったのですが、ファンの皆さんから「雪模様」を聴きたいと言ってくださる方もいたので、これはもう絶対アルバムに入れたいと思いました。コロナ禍でさらさと伊澤さんに出会い、自然界のパワーを感じたこの 2人に「雪模様」に参加していただきたかったんです。

――さらささんの歌割りを決めたポイントは?

 深い考えはなくて、自然にここはさらさに歌ってもらいたいと思いました。デモを聴いた瞬間にさらさの歌が想像以上で、カワムラさんと「うわー」って感嘆の声をあげたのを覚えています。

――さらささんのどんなところに魅力を感じていますか。

 私が作った曲なのに、さらさが歌うとさらさの曲になるんです。絶妙なリズム感があって、それがさらさ節になるんです。私も真似して歌ってみたのですが、全然さらさのようにはならなくて。声の帯域がどこか雪を感じさせますし、もうこれは超えられないと思いました。私一人で「雪模様」は歌えないぐらい(笑)。聴くたびにさらさの歌の凄さを感じますし、私はこのアルバムの中で一番再生回数が多いかもしれないです。

――「Hello Hello」はXinUさんをフィーチャリングに迎えてのコラボですが、どんな経緯があったのでしょうか。

 XinUは本名で活動している時に1 回お会いしていたのですが、当時歌は聴いたことがなかったんです。インスタで検索している時にXinUの曲が流れてきたときに、「この人の歌、すごい!」と感動しました。それでフォローしたらフォローバックしてくれて、そこが始まりでした。

 この曲はもともとMASSAN×BASHIRYとコラボして作った曲で、毎年ライブも一緒にやっていました。この曲ができて、次の対バンを誰にしようかとなったときに、お2人もXinUとやっていたこともあり、彼女を誘うことになりました。その時に「アンコールでいつも歌っているコラボ曲があるんだけど、そこに入ってくれませんか?」とお願いしたら、快く引き受けてくださって、新しくバースの部分を作ったらバッチリで。

――今回、音源に収録されたということは、XinUさんが加わって完成した感じもあったり?

 XinUが入ったことによって、MASSAN×BASHIRYが漁師、私が海女さん、XinUは人魚姫みたいな感じがありました。海の世界を歌っている中で、私たちの泥臭さから一つ飛び抜けた人が入ってくれたことが、この曲を完成へ導いてくれたような感覚がありました。そして、音源にしたいと思い、急ピッチで作業を進めました。

歌うことがいま一番楽しい

NakamuraEmi

――さて、アルバムのリード曲「火をつけろ」は、現代のコミニュケーションについて書かれていると思うのですが、この曲が生まれた背景にはどのようなことがあったのでしょうか。

 コロナ禍で会えなくなっても大丈夫なツールが本当にたくさんできました。たとえばこういったインタビューもリモートでできる時代になって、それは本当に便利だなと思うし、コミュニケーションもLINEなどがあれば、基本的なことはできてしまいます。でも、そういったものだけだとお互いの考えていることの本当のところはわからなかったり、文章力、読解力がないと誤解を生んでしまったりすることもあります。実際会って話してみるとそのモヤモヤは一気に消えちゃったりするので、実際に会って目を見て話すって本当に大事なんだなとすごく感じたからこそ書けた曲です。包み隠さずはっきり言葉にできたことも、2 年前だったら書けなかったと思います。今だからこそ書けた歌詞でした。

――出だしの<Don't count the days, Make the days count. 鈍感なGuys Mayday!! ちゃんと話そう>英語と日本語で韻の踏み方がとても気持ち良かったです。

 ありがとうございます。カワムラさんと英語を調べたりしながら歌詞を構築していく中で、<Don't count>と<鈍感>で韻を踏んだり、<Mayday!! ちゃんと話そう>も日本語にすると“目でちゃんと話そう”みたいな意味に置き換えられたり、ここはこの曲のフックにしたいとこだわっていたところでした。

――サビの<スルスル>とか<ズルズル>の歌い方、表現方法が新鮮でした。

 今までだったら、地声で歌っていたかもしれないです。いろいろな歌い手さんやボイストレーナーの先生に出会うことで、 自分の中の表現が強さだけじゃない要素がこの 2〜3 年で入ったというのは一つ大きかったです。地声でとかいろいろ歌ってみて、ここにたどり着いた感じがあります。もしかしたらライブでは勢いのまま地声で歌っちゃうかもしれないです(笑)。

――こんなことをプロの方に言うのもおこがましいのですが、歌が上手くなったと思いました。というのも、Emiさんの歌はラップの要素も強かったので、一般的な歌の上手さというところで表せるものじゃないなと思っていたのですが、今回アルバムを聴いた時、メロディアスな歌のパートがとても活き活きとしていて、歌の躍動感がこれまでとは変わったと思いました。少し前のインタビューを読んで、メロディーに対する歌詞の乗せ方も変化されたと仰っていて、それも一つの要因としてあるのかなと思いました。

 すごくうれしいです。「究極の休日」など8cmCDを3部作としてリリースし始めたあたりから、歌詞優先ではなく、歌詞とメロディーの両方を優先して作っていくというのは、このアルバムの一つキーワードでした。メロディーと歌詞をはめるセンスはとても難しくて、カワムラさんと一緒に作業することで変わったこととして、メロディーと歌詞が合うまで追い込むということに挑戦していました。

 また、ボイストレーニングを改めてこの2、3 年でやっているのですが、歌うことがいまとても楽しいです。今まではあまり歌うことは意識していなくて、歌詞優先だったのですが、先生に出会ってから歌うことがとても楽しくなって、3部作をリリースした時に、カバー曲にも挑戦できたと思っています。

(おわり)

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村上順一

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