7人組ガールズバンドのKANIKAPILA

7人組ガールズバンドのKANIKAPILA

 福岡県久留米市出身の現役女子高生7人組ガールズバンド KANIKAPILA(カニカピラ)が2日、東京・TSUTAYA O-Crestで『カニのゴールデンウィーク』をおこなった。このライブは東京、大阪、福岡と3都市を回る、メジャーデビュー後初のツアーとなる。そのツアーの初日となる東京では、ゲストに佐賀県出身のガールズバンドたんこぶちんをゲストに迎え、大いに会場を盛り上げた。この日、セッションコーナーではたんこぶちんのMADOKA(Vo.Gt)と各々のバンドの楽曲のカバーを披露し、会場を更に盛り上げた。そして、アンコールでは新曲「茜さす風」も披露、全15曲を十代ならではのフレッシュ感あふれる演奏で、訪れた観客を魅了した。

たんこぶちんのキュートで熱いステージでスタート

2バンドの競演を一目見ようと、既にライブハウスは超満員。開演前にもかかわらず会場は熱気で満たされていた。オープニングはゲストである、佐賀県唐津のガールズバンドたんこぶちんの「花火」でライブの幕は開けた。初夏にぴったりの爽やかなナンバーで出だしから会場は盛り上がっていく。「カニちゃん呼んでくれてありがと〜今日は一緒にライブが出来るということで本当に楽しみにしてきました」とMADOKA(Vo&Gt)。振り付けや手拍子、コールアンドレスポンスなど1曲に沢山の要素が詰まった楽曲「Re:GiRL」やフラッシーでキャッチーなロックナンバー「シアワセタランチュラ」、切ないメロディと歌詞が好印象な「Bye Bye 〜君といた春〜」など、全力疾走ガールズのキャッチーコピー通り、全6曲をあっという間に駆け抜けた。

たんこぶちんの熱いステージが終わり、所狭しと様々な楽器がステージに設置されていく。そして、ハワイアンで陽気なSEが流れると、KANIKAPILAの7人が歓声の中、手拍子をしながら登場した。オープニングナンバーは4月20日にリリースされたばかりのニューシングル「ノンフィクションガール」でスタートした。KANIKAPILAの新たな一面を覗かせるアッパーチューンで、AOI(Vo.Perc)、KANA(Ba)、PIPPI(Dr)の作り出す情熱的なリズム隊のサウンドで引っ張っていく。続いて「青春の答え合わせ」へ。“ゴーゴーゴーゴゴーゴーゴー”とキュートな手振りで、“青春真っ只中”の彼女たちならではの、リアリティある楽曲に自然と体が揺れる。

MCでは、「東京は都会すぎて、まだ慣れない(笑)」とYOSHIKA(Vo.Gt.Ukulele)が話すと、メンバーも「(東京の人は)歩くのが早い」など東京の印象を語り始めた。このMCでの無邪気なやりとりでは、彼女たちの学校での休み時間の一幕を見ているような、ほのぼのとした時間が流れる。

3曲目は、猿岩石の大ヒット曲「白い雲のように」を披露。この曲の間奏ではLEONA(Vo.Gt)の艶やかなサックスソロが楽曲に彩りを加える。更に、レゲエ調の「夏の日の思い出」をしっとりと聴かせてくれた。メンバーもそのゆったりとした曲調に合わせ、風に揺られる木々の葉のようにリズミックに横に揺れる。

セッションコーナーでたんこぶちんの曲を演奏

ここでゲストのたんこぶちんMADOKAを迎え、セッションコーナーへ。たんこぶちんの「泣いてもいいんだよ」をKANIKAPILAの演奏で聴かせた。YOSHIKAはたんこぶちんと一緒に演奏できて「嬉しか〜」と喜びを露わにした。たんこぶちんと同じ佐賀出身のYOSHIKAとAOI(Vo.Perc)はKANIKAPILA結成前に、母校でおこなわれたデビューライブを観に行き、ポスターにサインをもらったことなど、たんこぶちんに憧れていたことを告白した。

その流れから、たんこぶちんのデビュー曲である「ドレミFUN LIFE」を演奏。MADOKAも「デビュー曲を一緒にやれて嬉しい。本当にありがとう!」と感謝の言葉をメンバーに掛けた。そして、コラボ最後はKANIKAPILAの「ブルー ブルー ブルー」を演奏。ブリティッシュなギターリフとサビでの爆発力が魅力的な楽曲で、セッションコーナーは終了した。

YOSHIKAは「先月半ばに熊本や大分を中心とした大きな地震がありました。私たちが住んでいるところも結構揺れたんですけど、熊本や大分の方たちはまだ避難所でたくさんの不安を抱えていると思います。私たちも同じ九州の人間として、勇気や前に進んでいくパワーを歌や演奏で届けられたらいいなと思います。ご支援のほど宜しくお願いします」と震災への想いを語ると、地元に流れる川の景色を切り取ったという楽曲「筑後川」を、心を込めた歌と演奏で届けてくれた。彼女たちの等身大の思いが表現された楽曲に、会場もその歌に耳を傾けていた。そして、「ノンフィクションガール」のカップリングとして収録されている「How to MIRAI 未来の教科書」を披露。「筑後川」にも通じるような切ないナンバーでYOSHIKAの伸びやかで芯の通った歌声がO-Crestに響き渡った。

アンコールでは新曲「茜さす風」を披露

 「皆さん楽しんでますか?ここからラストスパートといきたいと思います!」とコーラスと掛け声がライブの一体感を更に強固なものにする「Chaoticアイドル」を披露。そして、間髪入れずに「トラブルメイカー」へ突入。MIZUHO(Vo.Gt)のブリッジで聴かせてくれるギターのかき鳴らしが、この曲のスパイスとしてアクセントを与える。サビではタオル回しでフロアが埋まる。ノリの良いリズムに乗り軽快なステップを魅せ、KANIKAPILAサウンドの真骨頂とも言える曲で会場のボルテージもさらに高まっていく。最後は同郷の大先輩である藤井フミヤと藤井尚之が、作詞作曲したデビューシングル「イッちゃえ!I LOVE YOU!」を演奏し“みんな大好き!!”とYOSHIKAが叫び本編を終了した。

 アンコールを求める手拍子は、いつからか「アンコール!アンコール!」と大きなコールへと変わっていた。間も無くしてTシャツに衣装をチェンジしたメンバーが再びステージに戻ってきた。「アンコールありがとうございます。新曲をやりたいと思います」とAOIがメインボーカルを務める「茜さす風」を披露した。8分の12拍子のしっとりとした切ない、そして、どこか懐かしい雰囲気を持つミディアムバラード。この楽曲のリリースはまだ未定とのこと。YOSHIKAが「ラスト盛り上がっていくぞ!!」とコールし「カラクリ乙女のLOVE仕掛け」を演奏。ラストはKANIKAPILAらしいパワフルな8ビートのアッパーチューンで、ツアー初日の幕を閉じた。

7人によるカラフルなサウンドとバラエティーに富んだ15曲を演奏し、まだ演奏は荒削りな部分もあるが、近い未来にこの7人が次世代ガールズバンドの一角として、活躍することを予感させるステージであった。(取材・村上順一)

KANIKAPILA 『カニのゴールデンウィーク』

5月2日 TSUTAYA O-Crest セットリスト

たんこぶちん

01.花火
02.Re:GiRL
03.シアワセタランチュラ
04.Bye Bye 〜君といた春〜
05.ze ze ze
06.偶然と運命

KANIKAPILA

01.ノンフィクションガール
02.青春の答え合わせ
03.白い雲のように
04.夏の日の思い出
05.泣いてもいいんだよ(たんこぶちんカバー)
06.ドレミFUN LIFE(たんこぶちんカバー)
07.ブルー ブルー ブルー
08.コールミーベイビー
09.筑後川
10.How to MIRAI 未来の教科書
11.Chaoticアイドル
12.トラブルメイカー
13.イッちゃえ!I LOVE YOU!

ENCORE

EN1.茜さす風
EN2.カラクリ乙女のLOVE仕掛け

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