決意を語り、新たな舞台「日本武道館」へ

内田彩

内田彩

 『Bitter Kiss』と同じように、中盤には過去リリースのアルバムからの曲が披露された。ポップで明るい雰囲気を持ちながらも、内田が歌い上げるメロディが、サビで微妙に切なさを感じさせる「Sweet Rain」。雨を表すかのように、観衆たちのサイリウムが会場中で真っ青に変わっていく。もちろんここでも新旧の違いのコントラストが明確に表されたが、改めて耳にすると、そのサウンドが大きく変わったとしても、内田の表現しようとする本質が全く失われてないことを印象付けられた。

 メロディの端々に見せる、彼女ならではの歌で表現される表情。白で表現された内田の立ち姿が、舞台に照らされる照明、観衆が指し示すサイリウム、そして目まぐるしく変わるサウンドでカラフルに変化していく。そしてラストナンバー「Sweet Dreamer」へ。「今日はSweetなドリームを見せてくれて、本当にありがとう!」会場の皆が高揚したまさに夢のような空間の中で、内田はそう観客に語り掛けステージを降りた。そしてさらに訪れたアンコールで、この日のステージを完全に締めくくるように、『Sweet Tears』のオープニングを飾った「Floating Heart」が披露された。「私の気持ちをそのまま表しています」そう語った内田の言葉が、サビの「しあわせすぎて、フワフワしてる」という歌詞とオーバーラップし、この日のステージに大きな余韻を残した。

 最後に内田は感謝の気持ちを観衆に告げながら「SweetだけどBitterさを忘れない内田でいたいと思います!」と、この日のステージを改めて振り返りながら、自身の思いを改めて語った。内田はかつてソロデビューが決まった際に「ソロデビューしたくない」と思っていたことを明かした。一方で、この2年でそのネガティブな気持ちが打破され、前向きな気持ちで活動に向き合っていることを語った。

内田彩

内田彩

 まもなく20代の終わりを迎える内田は、いよいよ8月に初の日本武道館公演をおこない、これまでリリースされた全34曲の楽曲を披露することをこの日発表。その言葉に大きな喜びの声を上げた観客の姿に、内田は半泣きで感激の表情を見せていた。新たな動きを見せるたびに、観客ととともにその喜びを感じてきた内田は、これからも引き続きその存在を大きくしていくとともに、その成長をファンたちと喜びを感じながら、活動を続けていくことだろう。(取材・桂 伸也)

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