本泉莉奈×内田彩「化学反応を楽しみに」“やくも”2期への意気込み
INTERVIEW

本泉莉奈×内田彩

「化学反応を楽しみに」“やくも”2期への意気込み


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年10月26日

読了時間:約8分

 10月からCBCテレビ、MBS、TOKYO MX、BS11、AT-Xでアニメ『やくならマグカップも 二番窯』がスタートした。『やくならマグカップも』は岐阜県南部に位置する多治見市を舞台に伝統工芸品「美濃焼」をテーマに4人の女子高校生が陶芸の魅力にのめりこんでいく青春ストーリー。1期が2021年4〜6月に放送され、続編となる『やくならマグカップも 二番窯』が10月よりスタートした。2010年に多治見市の有志や企業が集まり“街を元気にしよう”というプロジェクトの一環から始まった。地元IT企業の株式会社プラネットが2012年より発行するフリーコミック「やくならマグカップも」が原作。アニメは1期に引き続き、30分番組のうち前半15分は通常アニメパート。後半15分が実写パートという珍しい2部構成のアニメで、メインキャラクター4人の声を担当する、田中美海、芹澤優、若井友希、本泉莉奈がアニメから飛び出して、本作の舞台となる岐阜県多治見市を紹介・体験する。

 MusicVoiceでは声優として参加する本泉莉奈と内田彩の2人にインタビューを行った。アニメの中で本泉莉奈は1期に引き続き、メインキャラクター4人の中の1人青木十子を、内田彩は前作から引き続いて、アニメのマスコットキャラ的な存在である真土泥右衛門と、2期で登場する新キャラクターで、“自称青木十子”のライバルを名乗る松瀬理央の2役を演じる。インタビューでは、作品の中でライバルという関係性の2人がどのような気持ちでこの作品に臨んだのか、モチベーションを上げるために聴いている音楽など、話を聞いた。【取材=村上順一】

言葉に表せないくらい深さを感じた

−−1期を振り返っていかがですか?

内田彩 アニメと実写パートがある作品というのは珍しく、『やくならマグカップも』は、アニメと実写2つを合わせて多治見市のことがよく知れると思いました。私もイチ視聴者として楽しく観ていたので、「これがまた見れるんだ、やった!」という気持ちになりました。そう思えたのもこの作品が私の中に染み込んでいたんだなって。

本泉莉奈 多治見の魅力がギュギュッと詰まった作品になっているのですが、私たちも1期が終わっても「まだまだ楽しみ足りない」と言いますか、「多治見をもっと知りたい」という気持ちがありました。そして、多治見の皆さんに応援していただいているんだなとわかって、心が温かくなりました。

−−お二人は今回ライバル役として登場しますが、いかがでした?

青木十子(CV:本泉莉奈)

本泉莉奈 私の演じる(青木)十子は、みんなよりも一年先輩なので教えることや、いつもわちゃわちゃしている三華ちゃんを嗜めたりすることが多いキャラで、陶芸に関してもすごくストイックな人でカッコいい人だなと思います。今回、台本を読んでいて感じたのですが、1期と比べると徐々に雰囲気が柔らかくなってきているなと感じています。でも、今回登場する松瀬さんに対してはすごくスンとしているんですよ。私の中で松瀬さんはすごく可愛くて、十子を演じるにあたって「可愛い!」となってしまうこともあるんですけど、その気持ちを沈めてスンとした雰囲気を出せるように頑張りました(笑)。

内田彩 ずっと真土泥右衛門の気持ちだったので(笑)今回、松瀬理央を演じさせて頂くことが決まってビックリしました。松瀬理央は不器用なキャラだと思いました。彼女にとって、十子ちゃんは憧れでもあり、ライバルでもあり、目標でもあり、特別な存在としているんです。なかなか交わらない2人なんですけどね(笑)。

−−どんな気持ちで役に臨もうと思いましたか。

松瀬理央(CV:内田彩)

内田彩 いい意味で押し付けがましく、みんなに愛を届けつつ、彼女なりの不器用な可愛らしさを見せて行けたらいいなと思いました。真土泥右衛門とは違う角度で、スパイスみたいな感じに慣れたらいいなと思いながら松瀬理央を演じていきたいです。

−−アフレコ現場での印象的なエピソードがありましたら教えてください。

本泉莉奈 アフレコは別々に録っているんです。陶芸部の4人と内田さんと一緒というのはまだなくて。でも、待機室や廊下で会うことがありました。待機室ではブースの音声が聴けるんですけど、内田さんが演じられることで可愛らしい声になっていたのが、印象的でした。

内田彩 真土泥右衛門の時は完全に別時間帯に録っていました。その時は監督さんやスタッフさんとお話しながら収録していてそれも楽しかったんですけど、今回は松瀬理央として本編に登場することが出来たので、皆さんとの絡みもあって、台本を読んでいても嬉しくて。みんなのことは1期で見ていたので、別々の収録でしたがやりやすかったです。

−−本泉さんは実写パートで経験されているかと思いますが、実際陶芸をやってみていかがでした?

本泉莉奈 言葉に表せないくらい、土をいじった時に深さを感じました。1期ではマグカップとお皿を作ったんですけど、2期では自由になんでも作っていいとのことで、1期からの集大成みたいなところもありました。こういう風に作りたい、とイメージしていても思い通りに行かないことが多いんですけど、失敗かも...と思った所も含めて味になるなと思えてきて。その中でもっとこうしたいという欲も出てきて。釉薬とか新たな発見もあった2期の実写パートでした。

−−内田さんは、実写パートを見ていかがでしたか。

内田彩 リアルを感じたのと、みんながワイワイやっている姿がすごく微笑ましかったです。あと、陶芸は敷居が高い感じがあったけど、身近に感じることができて楽しかったです。

−−内田さんは松瀬理央と1期に続き真土泥右衛門も演じられますが、2期の4話で真土泥右衛門の誕生秘話が明かされますよね。このキャラを演じるにあたって心掛けたことは?

内田彩 アニメから観られた方は「真土泥右衛門とはなんぞや」と思った人もいるんじゃないかなと思います。4話でその誕生の秘密が明かされます。1期でキャラクターについて監督さんと話して真土泥右衛門を演じたんですけど、最初はもっと渋い感じでやってみたのですが、監督さんから「可愛らしいマスコット的な声でやってもらって大丈夫」ということで、最初とは真逆な感じでやってみました。2期の4話では1人で喋っているのとは違った面を見せなければいけなかったので、すごく悩んだんですけど、哀愁感を感じながら演じさせていただきました。あのキャラになるまでどんな道筋でこうなったのかがわかる、愛着を感じてもらえるようなお話になっていると思います。

−−お2人は登場人物で好きなキャラは?

本泉莉奈 みんなそれぞれ憧れるところがあって魅力的なのですが、2期が始まって特に気になったのは(豊川)姫乃のお母さんの土岐川姫菜です。彼女はどんなことよりも陶芸が好きだからやっている、好きなことをやる権化だなって。姫菜は周りを巻き込む力もあるし、色んなセンスを兼ね備えた魅力的な人だなと思いました。その声を小澤亜李ちゃんが演じていて、その声を聞いてよりそう思えました。

内田彩 私は4人の中だと青木十子に憧れていて、その憧れの十子先輩に愛をぶつけられるので、2期に新たな嵐を巻き起こせるように、松瀬理央をパワフルに演じたいと思っています。

ただならぬ色気

本泉莉奈(左)と内田彩

−−実写パートで多治見を訪れていますが、いかがでした。

本泉莉奈 収録の空き時間にお財布を握りしめて街に行かせていただいたんですけど、バスを降りたら多くの方が私たちを迎えて下さいました。お店の方が声をかけてくださったりして、こんなにも応援して下さっているんだ、というのが直に伝わってきて嬉しかったです。私たちも微力ながら多治見の良さをもっと伝えて行きたい、という気持ちも高まりましたし、みなさんの心の距離感はすごく癒しで、本当に楽しかったです。

−−内田さんにお勧めしたいスポットはありますか?

本泉莉奈 おすすめスポットは1期のOPで訪れた公園が気持ち良かったので、そこで新鮮な空気をたくさん吸って欲しいです。天気が良ければオープニングで見れるような景色も見れると思います。

−−本作の主人公は高校生ですが、お二人はどんな高校生でしたか?

本泉莉奈 私は福島県出身で、多治見と同じように盆地だったので作品と重なるところがありました。高校時代は自転車通学だったので自転車で遠出したり、バイトもたくさんやってましたし、伸び伸びとした高校生活でした。勉強はあまりやっていなかったんですけど...。

内田彩 私は群馬県出身なんですけど、同じく盆地で多治見と同じくらい暑いので、いい意味で多治見とライバルみたいな感じがありました(笑)。高校生の時はクラブ活動で子ども達と一緒にキャンプに行ったり、私たちが引率したりしてました。ライブも観に行ったりもよくしていて、使える時間をフル活用して過ごしていました。

−−さて、お2人がお仕事をする時にテンションを上げるために聴いている音楽は?

本泉莉奈 崎山蒼志さんの音楽が大好きで毎日聴いています。崎山さんを知ったのは『バラエティ開拓バラエティ 日村がゆく』(AbemaTV)に出演していた中学生くらいの時で、すごく歌声が特徴的で、雷に打たれたような感覚がありました。若いということもあり、良い意味で青さがありつつ、でも歌詞は大人びていて。メジャーデビューされて大歓喜しました。

内田彩 私も崎山さんが出演されていた『バラエティ開拓バラエティ 日村がゆく』(AbemaTV)のナレーションを担当させていただいていて、番組のフォークソンググランプリというコーナーはすごく清涼剤のようなものになっていて、唯一全年齢に見せられるコーナーでした(笑)。私もその中で崎山さんを応援していて。

本泉莉奈 崎山さんはいま19歳ですけど、ただならぬ色気があって、どんな大人になっていくのか楽しみなんです。

−−すごいシンガーソングライターですよね。最後にファンの方へメッセージをお願いします。

本泉莉奈 1期からの集大成と、新しいキャラクターとの化学反応を楽しみにしていただけたら嬉しいです。

内田彩 1期は陶芸への導入だったりしたと思うのですが、2期では陶芸とは何なのかという本質に触れる感じもあるので、部員たちにとっての注目ポイントだと思うのですが、私は賑やかしポジションとして頑張りたいです!

(おわり)

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