内田彩

内田彩

 声優で歌手の内田彩が5月28日、TOKYO DOME CITY HALLで、昼夜に分けてのコンセプトライブ『内田彩 CONCEPT LIVE 【Bitter Kiss】/【Sweet Tears】』をおこなった。アニメ『ラブライブ!』に声の出演を果たし、ソロデビュー後も大きな人気を得ている内田彩が2月に、ロックでダークな雰囲気の『Bitter Kiss』、エレクトロポップでキュートな『Sweet Tears』という2枚のコンセプトアルバムを同時にリリース。この日はアルバムコンセプトに則ったライブで、内田の新たな一面を覗かせた。そして、8月には初の日本武道館公演をおこなうことを発表。これまでリリースされた全34曲の楽曲を披露すると話すと集まったファンは大きな喜びの声を上げた。

 ソロデビューを果たして約2年、初ライブから1年が経過した内田。その間、今回のリリースを含めアルバム4枚を発表、ライブの会場規模もどんどんと拡大し、ソロアーティストとして急速な成長を続けている彼女だが、2月にリリースされたアルバムも、それまでの2枚のアルバムとは全く異なるイメージのコンセプトにて作り上げられていて、内容に関しても新人らしからぬ大きなグレードアップを果たしている。

 6月には仙台、大阪、横浜と大都市のツアーも実施するなど、活発な活動を続けさらなる成長を期待されている内田。この日のライブも前日までにチケットは立ち見を除いてソールドアウトと、その注目の大きさも計り知れない。新たなコンセプトアルバムで見せた新たな内田の新たな一面が、どの様にライブで披露されたのか、今回はこのステージをレポートしたい。

『Bitter Kiss』新たな一面を見せたステージ

内田彩

内田彩

 定刻に会場の耳に響いたのは、ドラムのカウント。そしてそれに続いたのは、荒々しいギターを中心としたロックサウンドだった。ステージ前に張られていた黒い幕が徐々に開いていく。そこにいたのは5人のバンドマン、そしてステージに設置された櫓(やぐら)の上にある、椅子に座った内田だった。何かを思うような内田の静かなたたずまい、反して鳴り響く轟音のコントラストに触発されて、観衆はスタートから大興奮。薄暗い観客席では無数の赤いサイリウムが、激しく打ち鳴らされるビートに合わせて揺れ動いていた。

 コンセプトアルバム『Bitter Kiss』の世界観で進行したファーストセット「Bitter Kiss」。1曲目は「afraid...」。そのワイルドなサウンドと、クールな内田が織りなす雰囲気は、これまで発表した内田の音源にあった、弾けるような明るさ、可憐さのイメージとは一線を画すようなものだが、観客は何の躊躇もなくその空気を受け入れ、会場では大きな盛り上がりを見せていた。

 2曲目の「シリアス」はさらに激しく、その次はさらに激しくと、ワイルドな雰囲気に会場を染めていく。その動きに従い、観客の熱気もさらに上がっていった。「この『Bitter Kiss』は熱く激しいライブにしようと思いますので、今日はいつも見せない顔を見せたいと思います!」そう語っていた内田の顔には、一瞬いつものフレンドリーな表情が見えたが、それもその一瞬だけ。鳴り続けていた激しいサウンドには熱い魂が充満しており、まさしく内田の知られざる一面を表しているようでもあった。

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