初の単独ツアーで咲き誇る桜のように可憐に歌い上げた桐嶋ノドカ

初の単独ツアーで咲き誇る桜のように可憐に歌い上げた桐嶋ノドカ

 シンガーソングライターの桐嶋ノドカが2日、東京・渋谷WWWで全国ツアー『桐嶋ノドカ 1stワンマンライブツアー2016』のファイナル公演をおこなった。昨年デビューした桐嶋。全14曲を、新人離れした完成度の高さで歌い上げ、観客を魅了した。音楽プロデューサーの小林武史氏に見出され、デビューまで地道にライブを重ねてきた。彼女はこの日、「一瞬の生きる喜びを感じてもらうために、ずっと、これからも歌い続けたいと思います」と決意の言葉を贈るとともに、これまでの活動の成果を初のツアーで、咲き誇る桜のように可憐に歌い上げた。

咲き誇る才能

観客を見つめる桐嶋ノドカ

観客を見つめる桐嶋ノドカ

 4月になり、都心は満開となった桜を楽しもうとする人々の往来で溢れていた。この会場にもミュージシャンで音楽プロデューサーの小林武史氏が見出した、新たな歌姫、桐嶋ノドカの才能の花が満開に咲き乱れるのを楽しみにした、満員の観客が押し寄せていた。

 真っ赤な、スカートの前方部分に黒いレースをあしらったドレスで登場した桐嶋を、観客は拍手で迎えるた。この日は「Bomb」からスタート。バスドラとシンセサイザーの音が会場に響くと、観客の拍手はそれらの音に合わせて手拍子に変わった。そのまま「スピード」を演奏。桐嶋の幼少期から聖歌隊で鍛えられたという、歌唱力は流石だった。サビでの“飛べるー”というフレーズを、右手を伸ばしながら、気持ち良く抜ける、トーンの高い声で歌う。

 ここで挨拶。「こんばんは、桐島ノドカです。記念すべきファーストワンマンライブツアーなわけですけども、今日が最終日になりました。悔いの無いように全生命力を賭けて皆さんに風を、エネルギーを送り込みたいと思います。受け取ってくれますか?」と呼びかけると、観客は歓声と拍手で返した。

 そして始まったのは「キミのいない世界」。青い照明が照らすステージの上で歌う。冒頭から自然に響くファルセットを、自由に使いこなす歌声に観客は聴き惚れた。続けざまに「恋愛小説」を披露。王道のミディアムテンポのバラードに桐嶋の歌声が見事にハマる。

大切な夜の時間

桐嶋ノドカ

桐嶋ノドカ

 ここで桐嶋は「次は夜の歌を歌おうと思います。夜は曲を書いたり、自分の内面に向かったりする時間なんです。大切な人のことを、夜に想うそんな曲です」と語ると、ピアノと電子音の優しく響くなか「28時」が始まった。桐嶋がしっとりと“ぎゅっと心が潰れてしまいそう”と切ない心情を歌い上げる。観客は、桐嶋の世界観に酔いしれた。続いて、星空のCGがステージのバックスクリーンに映り「Star Fishing」を演奏。桐嶋の脳裏に響く優しい歌声と供にこの会場にいると、夜に煌めく星空の下にいるような錯覚に陥る。

 錯覚に陥った観客の目を覚ますように、桐嶋のMCが入る。「あっという間に本日、最終日になりました。東京に皆さん集まって頂いてありがとうございます。名古屋と大阪、東京と3カ所、そりゃあっという間だよね(笑)。3カ所、一緒に回ってくれたメンバーを、私の曲に例えて紹介します」と茶目っ気たっぷりに、それぞれのキャラを自分の曲の世界観に例えながら、このツアーのバンドメンバーを紹介した。

 続けて「皆さん、今日はどこから来られたんですか?」と会場に質問すると、宮城や大阪、そして岐阜という答えが返ってきた。桐嶋は「岐阜!? 岐阜県行ったことない」と驚き、会場は笑いに包まれた。

 そして、決意と思いのたけを述べた。

 「いろんな所から来てくれて、ありがとうございます。1人で勝手に歌っていただけなのに、いつの間にかこんなにたくさんの人が来てくれるようになって、不思議です。私はずっと小さいときから、“生きるって何?”と思って、生きてきたんです。ずっと不満だった。でも、歌を歌うことを知って、これが“生きる”ってことかと思った。身体が震えて、疲れて、でも何か聴いている人に伝わって。初めて“生きてるって嬉しい”って思ったんです。歌うのは苦痛でもあるんですけど、一瞬の生きる喜びを感じてもらうために、ずっと、これからも歌い続けたいと思います」

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