Czecho No Republic(撮影・Daisuke Sakai)

Czecho No Republic(撮影・Daisuke Sakai)

 【ライブレポート】5人組ロックバンドのCzecho No Republic(チェコ・ノー・リパブリック)が19日、東京・渋谷CLUB QUATTROで東名阪ツアー『Czecho No Republic 東名阪QUATTRO 2マン【1 ON 1 TOUR】』のファイナルを迎えた。この公演は彼らが共演を熱望するアーティストに依頼して実現した2マンライブ。この日の対バン相手は先輩バンドであるTRICERATOPS(トライセラトップス)だった。

 武井優心(ベース、ギター、ボーカル)、ロマンス(ex.山崎正太郎:ドラム、コーラス)、八木類(ギター、シンセサイザー、コーラス)、砂川一黄(ギター、ベース、コーラス)、タカハシマイ(ギター、コーラス、シンセサイザー)の5人からなるバンド。2010年にデビュー後、インディーズながらTV番組などのタイアップや『COUNT DOWN JAPAN 2012』への出演と、一気にその知名度を伸ばし、2013年にはメジャーデビューを果たし、個性的なサウンドで大きな注目を集めている。

 そんな彼らの個性的なサウンドとはどんなものか? 今回はこの日の彼らのステージにて、そのサウンドに夢中になった観衆の様子と合わせて、その秘密を探ってみたい。

音の洪水

撮影・Daisuke Sakai

撮影・Daisuke Sakai

 今回のジョイントは、TRICERATOPSのドラム吉田佳史とロマンスが、以前から親交があったことがきっかけで今回の運びになったという。そのTRICERATOPSのステージで、会場は異様なほどの熱気に包まれながらも、いよいよ登場するCzecho No Republicの登場を今か今かと待ち構えていた。

 会場が暗転しSEが流れると、そのリズムに合わせてフロアから手拍子の嵐が現れた。いよいよCzecho No Republicの登場だ。ロマンスが叩き出すジャングルビートから、気持ちがどんどん高揚させられる曲「ネバーランド」でステージはスタートした。八木、砂川のギターにタカハシのキーボードが、鮮やかなサウンドを演出、そのハーモニーの中で武井のボーカルが、しっかりとバンドのサウンドを導いていく。その色彩感たっぷりのサウンドはまさに音の洪水という言葉がぴったり。一方でドラムも、「Amazing Parade」ではカントリー風のリズムを叩き出し、まるで他のメンバーをあおるようにリードするなど、負けずに多彩な雰囲気をかもし出す。

 シンプルなベースラインとボーカルのメロディに、各人が個性的なサウンドを重ね合わせる、それこそは彼らのサウンドの特徴だが、その重ね方、タイミングなどはとても個性的。堅実な8ビートを刻むベースラインと、その音符に合わせたシンプルなリズムパターンをつむぐドラムは、まるで漠然と描かれた線画のようで、その上に赤、青、緑と、原色の鮮やかなサウンドが時には大胆に、またある時にはゆっくりと、様々なタイミングで塗り重ねられていく。その様は80~90年代に流行した海外のPOPミュージックを彷彿とさせながら、さらに彼らならではの鮮やかな色味を見せる。

 ここまでCzecho No Republicのサウンドでは、曲によって、ベースラインやリズムの部分に大きな変化の起伏は見られなかった。にもかかわらず他の楽器が彩を与えるとともに、サビの分厚いサウンドや、つい引きつけられてしまうフックやキメなど、観衆はそのサウンドをしっかりと体にしみこませ、リズムを感じながら体を揺らせていた。

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