男女混声ロックバンドのSwimyが3月2日発売のシングル「あっちむいて」(テレビ東京系アニメ『銀魂゜』EDテーマ)でメジャーデビューする。メンバーは、Takumi(Vo&G)、平成のまお(Vo&Ba)、みっけ(Vo&Dr)、タイキロイド(Gt)の4人。滋賀県出身で昨年上京、現在は4人でシェアハウス暮らし。小魚でも群れをつくり大魚に見立てれば天敵をも追い払える、オランダの絵本「スイミー」から名付けた。男女3人がボーカルを務めるスタイルはその物語の如し。大魚に見立てる曲1つ1つは多彩な歌声と音色の集合体で構成される。時に穏やかに時に荒々しく、そして水面を覗き自由自在に泳ぐ旋律。彼らの目指す音楽性はまさに観客をも巻き込んだ大海原へと広がる壮大なミュージカルロックだ。今回は4人に、ユニークなトリプルボーカルというスタイルが生まれた背景などを聞いた。
探し求めていた理想形
――滋賀県で活動されていましたが上京されたのはいつ?
Takumi 去年の夏、8月から4人で同居生活をしています。
――部屋は4つ?
Takumi はい、各々の部屋があります。タイキロイドが一番離れにいます。居るかどうかわからない日が多いですね(笑)
みっけ あまりに物音が無さすぎて、たまに「生きてる?」と確認するんです(笑)
Takumi 熱暴走で壊れてないかなって(笑)
タイキロイド タマニ セイゾンカクニン ヲ サレマスネ。
――滋賀と東京での暮らしの違いは?
Takumi 違う所もありますけど、なるべくそれが無さそうな所に引っ越してきたんです。僕らは車移動が多いので、コンビニでも駐車場がある所にしたり。だからあまり変わりはないですかね。
平成のまお 違いと言えば、ちょっと時間をかければ何でも売っているみたいな。滋賀県は売っている所に出かけるまでが遠いんです。
Takumi ドンキホーテとか近いですこっちは(笑)
――滋賀で活動していた時期は、ライブはどこでやっていましたか
平成のまお 京都が多かったです。
Takumi 京都と、東京にも月イチくらいで来ていましたね。
――それでは2011年の滋賀で結成してからの経緯を
Takumi 僕が平成のまおと高校が一緒で、軽音楽部でバンドを組んだのが始まりなんです。平成のまおとドラムのみっけは幼なじみで、小さい頃から2人でよく音楽はしていたみたいで。
平成のまお 保育園から一緒で。
みっけ そうなんですよ。
平成のまお もともと歌うのが好きなので、日曜日になったら2人でよくカラオケに行っていました。
みっけ 小学校3〜4年生くらいの頃から毎週末必ず!
――何を歌われていましたか
みっけ Kiroroさんとか。
平成のまお フリータイムで毎週8時間くらいずっと歌っていたよね。
みっけ Kiroroさんばっかり歌って。あとZONEさんとか。
平成のまお 松浦亜弥さんとかモーニング娘。さんとかも歌っていました。
Takumi 歴史的にはここのユニット結成の方が早いんです。それで、高校で一緒にバンドを組む時に、その当時からドラムを始めていて、「叩きながら歌も上手いみっけが居るぞ」という話をずっと聞いていて。そのメンバーでやりたいなと思っていたんです。タイキロイドは、僕と高校1年生くらいの時にBUMP OF CHICKENさんとかをコピーバンドでやっていた事があったんですけど、いつかはそのドラムボーカルのみっけを入れたメンバーでやれたら良いなとずっと思っていたんです。各々の事情があってなかなか組めずにいたんですけど、その後、2013年にようやく、念願叶いこのメンバーで組める事となり。
――2011年の段階では3人だったのですか?
平成のまお 2011年の時はまた違うドラマーだったんです。
Takumi 高校の軽音楽部の時に、今の母体となる形を僕と平成のまおで組んでいたんですが、ボーカルは別にいまして。もともと2人ともボーカルではなかったんです。結局、その時のバンドは僕ら2人しか残らなくて。
平成のまお 受験とか進路の事でね。
Takumi その時にみっけは東京の専門学校に出ていたんです。タイキロイドは違うバンドを組んでいて、なかなか一緒にできなかったんです。なのでスタートはとりあえずドラムをやってくれる人を探して、歌は2人で割り振って歌おうか、みたいな感じでした。そのあとは、理想形のバンドスタイルを模索して、「なんかちょっと違うんじゃないか?」みたいな葛藤の中、悶々とですね。
――まおさんは、当時のTakumiさんの歌を聴いてどう思われていましたか
平成のまお 「変わった歌声だな」と思っていました。あんまり聴いた事ない声だなって。やたら声が高く聴こえるというか、実際に同じ音程を歌ってみるとけっこう低いんですけど、耳触りが高音に聴こえるというか。「男の人なのに変わった高い声で何かすごいな〜」と思っていました(笑)
――その時に「いけるな」と手ごたえを?
平成のまお 軽音楽部の発表の時などTakumiの声に対する評価が高かったんですよ。「やっぱそうなんだ、じゃあ……」と密かには思っていました。
――先程言っていた「理想形」とは、今のかたちでしょうか?
Takumi 僕は「自分一人が歌い切る」というのが、どうもしっくりきていなくて。そもそも、色んな人が歌うスタイルが好きなんです。バンドだと少ないんですけど「複数人で歌う」という感覚が凄く好きで。声を重ねるというのも好きだったので、それをもっとバンドで表現していきたいと思っていたんです。そういう理想があり、ドラムボーカルのみっけはずっと一緒にやりたいと思っていたので、彼女が入るとなった時は嬉しかったですね。