ヒットの裏に桐谷の「真っ直ぐさ」

浦ちゃん歌う「海の声」配信

浦ちゃんが歌う「海の声」のジャケット

 なぜ、ここまで人を惹きつけるのか。そこには、歌詞の美しい行間と、桐谷健太のソウルフルな熱唱に秘密があるのではないか。桐谷健太は凛とした姿勢で三線を奏で、澄み切った眼で遠くを見つめ、魂を揺さぶる歌声で「真っすぐに」メッセージを放つ。

 「空の声が 聞きたくて 風の声に 耳すませ 海の声が 知りたくて 君の声を 探してる」

 これは歌詞の一部だ。等間隔で美しい行間の詞を歌うその姿、その歌声は、優しくて、温かくて、頼もしく、あまりにも真っすぐだ。まるで、日本人の根底にある「魂の叫び」を代弁しているような桐谷健太の歌声。これが心を掴んでいる理由ではないか。

 こういった「ストレートに全身から声を出す」ような歌唱ができる人物は、音楽シーンにおいても非常に希有だ。「野性味溢れ、ハスキーで、奥底に優しさが溢れている包容力のある歌声」―、それは今まさに、みんなが求めている歌なのだろう。

 あえて、桐谷健太の心打つ歌に少々細かな説明などを加えると、彼の歌はソウルミュージックやR&B、ファンクといった音楽のボーカリストの歌唱に近しいものがあり、ダイレクトに、耳に、心に、身体に、魂に響く種類のものだ。著名な日本人アーティストを強いて挙げれば「トータス松本」などのソウルシンガーの歌を聴いた時の深い感動と近いものがある。

 「歌が上手いから良い」というよりも、魂、エネルギー、精神を全身から真っすぐ放出して「相手に真っすぐ伝える」。身構える事なく、ストレートに思いを伝える。これは簡単なうようでなかなか、いや、非常に難しい事かもしれない。しかし、それは人と向き合う上で、生きる上で、とても大切な事に思える。それを大衆に向け、堂々と、真っすぐに放つ桐谷健太の姿。その歌唱は、心底気持ちよく、心が洗われる。

 桐谷健太の人柄がにじみ出ている歌。彼自身がこの「真っすぐ伝える」という事に適した人間であるという点、この点は最も大きく、「彼でなければ」という事にも繋がる。言い換えれば、彼自身が「真っすぐ」に人と接し、生きている人物なのだろう。

 歌は嘘をつかない。歌で真っすぐに人の心を打つ人間は、例外なく真っすぐな人間だと信じたい。そしてそれは、「『海の声』/浦島太郎(桐谷健太)BEGIN作曲」として人々の心に届いたのではないだろうか。ちなみに、桐谷健太はドラム演奏を趣味とし、この三線も実際に弾いている。(文・平吉賢治)

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“浦ちゃん”桐谷健太の曲なぜヒット?

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