音楽評・分析
“浦ちゃん”桐谷健太が歌う「海の声」配信でヒットした理由
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桐谷健太が扮する“浦ちゃん”こと浦島太郎。三線で恋歌を弾き語る
俳優の桐谷健太(35)扮する“浦ちゃん”こと浦島太郎が歌う「海の声」が13の音楽配信チャートで1位を獲得した。予想をはるかに上回るヒットに関係者も驚いているという。特出した歌唱力ではないが、なぜか耳に残る。なぜダウンロード数が伸びたのだろうか。そこには、人を惹きつける桐谷健太の真っ直ぐな歌声がからんでいる。
「届くといいね」
「うん」
浜辺で、恋する乙姫(菜々緒)への想いを込め、三線(さんしん)を弾き語る浦島太郎(桐谷健太)。彼の歌を聴き、そう桃太郎(松田翔太)と金太郎(濱田 岳)が頷き述べる。携帯電話「au」のCMで放映中のワンシーンだ。ここで歌われているのはCMのオリジナルソングで、BEGIN作曲の「海の声」である。
この楽曲は前記のようなシーンで夏に放映され、その季節に1カ月限定で配信。12月2日から始まった一般向け配信では、iTunes・レコチョクをはじめ全13サイトで同日付チャート総合1位を獲得した。関係者によれば、CMで放映が始まった当時から楽曲への問い合わせが多数寄せられており、今回の一般向け配信はその声に応えたものだという。
そして、チャートを押し上げたのは、配信日に出演したフジテレビ系『FNS歌謡祭』だった。出演後には、各検索サイトの検索ワードランキングで「桐谷健太」が1位となるなど、ネット上でも話題になった。
そんな彼の歌声をファンはどうみているのか。配信サイトに寄せられた楽曲へのコメントをみると、「本当に待ってました」「歌声が最高!」「不覚にも泣いてしまいました」と、歌詞やメロディに共感するものや、桐谷健太の優しくも野性味溢れる情感で響く歌声に魅了されたものがいる。
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