Original Love田島貴男「やりがいがあった」制約の中で試される音楽家としての技量と真価
tiny desk concerts JAPAN
Original Love・田島貴男
メジャーデビュー35周年を迎えたOriginal Loveが『tiny desk concerts JAPAN』に初登場する。6月28日にNHKワールドJAPAN(国際放送)で放送される本番組では、最新曲「愛はアカリ」やヒット曲「接吻」などを披露する。
【写真】Original Love『tiny desk concerts JAPAN』アザーカット
アメリカの公共放送NPRが火をつけ、今や世界的な音楽プラットフォームとなった『tiny desk concerts』。その日本版である『tiny desk concerts JAPAN』に、メジャーデビュー35周年という大きな節目を迎えたOriginal Loveの田島貴男が登場した。舞台は、NHKのオフィスの一角。モニターもない、剥き出しの「生音」が求められるこの特殊な環境で、田島は「Original Loveの完成形を見せたい」という強い意気込みを持ってパフォーマンスした。
■オフィスをライブハウスに変えた「30分間の魔法」
オフィスの一角で観客に囲まれた特異な光景を目にした田島は「すごい!」と思わず声を漏らした。しかし、ひとたび演奏が始まれば、そこは瞬時に心地よいグルーヴとハーモニーで満たされるライブ会場へと変貌を遂げた。
1曲目は、メジャーデビュー記念日の6月14日に配信リリースされたばかりの新曲「愛はアカリ」だ。大きな転換期を迎えた時代に捧げる人生讃歌。人々を照らす救済の歌として、多くの心に光を届けるナンバーだ。コーラスやホーンセクションの華やかなサウンドが、オフィスを包み込んでいく。続く代表曲「接吻」では、極上のメロディーと田島の艶やかな歌声が見事なマリアージュを奏で、オーディエンスを魅了した。
「フィエスタ」、「The Rover」では、観客のクラップが一体となり、オフィスの空気はさらに熱を帯び、ライブハウスさながらの空間に。ラストは疾走感のある「夜をぶっとばせ」で鮮やかに締めくくられた。
この約30分間のために、田島は10通り以上のセットリストを考案し、リハーサルのわずか3日前にようやく最終形を決めたという。それほどまでに、このステージにかける情熱は凄まじいものだった。
■制限という名の自由、そして「人間」の証明
パフォーマンス後の囲み取材で、番組のファンだという田島は「tiny desk concerts」への深いリスペクトを語った。 「予想以上に暑かったけれど、普通のライブみたいに盛り上がれた」と笑顔を見せつつも、この番組が持つ「特殊な制約」の面白さを強調する。
最大の挑戦は、一切の電子的な補正が効かない環境でのアンサンブルだ。「声に合わせて全員の楽器の音量を整える必要がある。ただ大きな音を出して盛り上がるようなミュージシャンは、そこで実力がバレてしまう」と田島は言う。他の楽器やコーラスを繊細に聴き取りながら構築するアンサンブルは、ミュージシャンとしての真の技量を浮き彫りにする。「非常にやりがいがあったし、他のアーティストたちがどう向き合っているのか、その意欲を身をもって理解できた」と、一人の音楽ファンとしての発見を口にした。
さらに話は、昨今のAI技術の進化にまで及んだ。 「今はAIが勝手に曲を作り、歌詞も作ってしまう時代。でも、この番組はすごく人間的で、手作業の極み。スタッフのハートや、演奏者の肌感覚がそのまま現れる」。
田島は、音楽を「体を使って振動させるもの」と定義する。「AIには体がない。人間同士が合奏して盛り上がる時間は、これからももっと必要とされるはずだ」。自動化されない演奏、その「人間くささ」こそが、Original Loveが35年間追求し続けてきた音楽の本質に他ならない。田島は「生演奏の楽しさ、面白さを今日はちょっとアピールできたかな」と笑顔を覗かせた。
ホーンセクションとコーラスを配した今回の豪華な編成は、まさに田島が考える「Original Loveの現在地」の証明であった。 取材の最後、田島は晴れやかな表情でこう付け加えた。「11月には武道館をやります。よろしく!」。
オフィスという日常空間で、鎧を脱ぎ捨てて解き放たれたOriginal Loveの音楽。それは、どんなに技術が進化しても、魂の震えだけは代えがたいものであることを、我々の心に鮮烈に刻みつけた。
<セットリスト>
愛はアカリ
接吻
フィエスタ
The Rover
夜をぶっとばせ
<出演>
Original Love
Vo / Gt:田島貴男
Gt:木暮晋也
Dr:佐野康夫
Ba:小松秀行
Cho:真城めぐみ
Org:河合代介
Sax:永田こーせー、副田整歩、上運天淳市
Cho:Raine、結城賢吾、中山栄嗣
<放送予定>
【国際放送】 NHK ワールド JAPAN
6月28日(日) 11時10分-11時39分、19時10分-19時39分
6月29日(月) 0時10分-0時39分、6時10分-6時39分
番組HP https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/shows/tinydeskconcerts/
【国内放送】
11月以降にBSで放送予定(詳細は決まり次第お知らせ)
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