「ZIP!夏まつり」初開催(1)

灼熱の横浜で行われた「ZIP!夏まつり」。金爆・樽美酒メイクで会場を盛り上げたチームしゃちほこ(撮影・KEIKO TANABE)

 [ライブレポート、8月7日、横浜]日本テレビ系の朝の情報番組『ZIP!』主催によるライブイベント『ZIP!夏まつり』が7日、横浜・赤レンガパークで行われ、ゴールデンボンバー、チームしゃちほこ、でんぱ組.inc、Happiness、ファンキー加藤、Flowerが出演した。最高気温37度というこの日の関東地方。午後1時開演の同イベントは灼熱の太陽のもとで行う過酷なものであったが、この日登場したアーティストたちは、それにも負けずさらに熱いステージを繰り広げ、観衆とともにこの夏の思い出の一ページを綴った。当日の模様をレポートする。  【取材・桂 伸也】

■焼き付けたでんぱ組.inc

 この日のオープニングステージを飾ったのは、でんぱ組.inc。秋葉原発の彼女らは現在、初のワールドツアーを敢行中と、活発な動きを見せているアイドルグループの一つだ。多くの観衆でにぎわっていた会場の中、その登場の知らせと共に会場には一瞬の緊張感と共に静寂が現れた。

 そんな中、和太鼓の調べが響くと、会場はいきなり拍手の嵐が巻き起こり、いよいよでんぱ組.incの面々がステージに登場した。「みんな今日は楽しんでいこうぜ!」と、元気いっぱいの掛け声と共に、激しく展開するナンバー「NEO JAPONISM」でスタート。

 そのせわしいリズムと、目いっぱい盛り上がるサビのメロディは、いかにも秋葉原風ともいえる、アニメソングにも通ずるポップでアクティブ。そんな自身のスタイルをアピール。たった3曲のステージだったが十分すぎるインパクトで、観衆の胸にその印象を焼き付けてステージを去った。

■いきなり変化球を投じた金爆

 二番手はゴールデンボンバーだ。ステージへの登場と共に開口一番、「どうも!ファンキー加藤です! うそぴょーん! ゴールデンボンバーです!」と、いきなり変化球的なジョークを飛ばして会場を盛り上げた鬼龍院翔。

 イベント開始前からこの日の目玉の一つと臆されていた彼らは、いつもながら楽器を一切弾プレーしない中でコミカルな寸劇に、絶妙なキャッチーさを持つメロディや振り付けで会場の観衆に猛烈にアピール。彼らがその特徴的なサビをプレーすることを、観衆たちは熱望する。彼らがいること、そして彼らがプレーすること自体に、彼らの存在意味はある。

 終始、席を温める間も無いほどに観衆は総立ち、彼らはすべての人を惹きつけ、ラストでは続いて登場することとなっていたチームしゃちほこのメンバーまでがステージに乱入。ステージに花を添えた。

■樽美酒メイクのチームしゃちほこ

 まるで息つく暇もなく盛り上がりを見せたステージ。中盤となった三番手は、チームしゃちほこ。彼女らもまた、シングル3枚が連続トップ10入り、武道館のライブで1万人を魅了と、目を見張る活動で、今や押しも押されもせぬアイドルグループとして大きな注目を集めている。

 ステージに現れた彼女らは、先程のゴールデンボンバーのステージに乱入した際のいでたちのまま、顔に樽美酒研二をイメージしたメイクを全員したままで登場。「時間の都合でこのままやりますが、横浜のみなさん、仲良くしてくださいね!」という一言に続いてオープニングナンバーの「トリプルセブン」へ。

 とにかく気持ちがウキウキしてくるようなチームしゃちほこのステージは、たった4曲のステージでもその真価を発揮。ラストナンバーの「抱きしめてアンセム」では、ゴールデンボンバーのメンバーもお返しとばかりにステージに乱入。かつて「『女々しくて』のカバーをステージでやったことがあった」というチームしゃちほこのメンバーは感激のうちにフィニッシュを決めた。

■異なる魅力放ったHappinessとFlower

 イベントは折り返しを抜け後半へ。HappinessとFlowerの登場だ。「EXILEのD.N.Aを受け継ぐガールズ・エンタテインメント・プロジェクト」として発足したE-girlsのメンバーからなるこの両グループは、とにかくキレキレのダンスが見もの。Happinessのオープニングはその真価を発揮するかのごとく「ダンストラック」で始まった。

 7人そろってのダンス、そして一人一人をフィーチャーしたステージと、そのダンスはまるで芸術品のように付け入る隙を知らない。グループ名どおりにハッピーな雰囲気を持った、ウキウキした気持ちを隠せないほどの躍動感にあふれたステージで、観衆をしっかり魅了した。

 続いて登場したFlower。Happinessとは良きライバル的な存在でもあるFlowerは、対照的にしなやかなダンス、そして一見穏やかながら情感たっぷりのボーカルが特徴。まさにそのグループ名が表すような「可憐さ」を持ったそのステージング、パフォーマンスはしっとりとしたイメージを醸し出し、観衆の気持ちをぐっとつかんでいたようだった。

■アツい男・ファンキー加藤

 この日のラストを飾ったのは、元FUNKY MONKEY BABYSのファンキー加藤。今年、半年で全国39か所を回ったツアーは合計9万人を動員するなど、絶大な人気を誇るまさにトリにふさわしいアーティストだ。

 今年の野外ライブはこの日のステージのみという加藤は、気迫の表情でステージに現れた。登場と共にオープニングナンバー「MUSIC MAGIC」でしっかりと観衆の気持ちをつかみ、さらに会場の熱を上げていく。ステージを左、右と駆け回り、真剣な表情で観衆を見つめながら、情感をたっぷり込めたボーカルで気持ちをしっかりと観衆に伝え続けた。

 時にはやぐらにまでよじ登り、観衆にその存在をアピールする彼は、良い意味で馬鹿になりきる、真剣さが持ち味のパフォーマーだ。バラードでもノリノリのキラーチューンでも、思いが強く込められた歌に、観衆は気持ちを揺り動かされていた。

■夏の日の想い出づくり

 そして、ラスト「まわせ!」では、加藤が観衆にタイルを出すことを要求し、会場は曲の最初から最後までタオルが回っているという壮観な景色に。ついにはこの日登場したゴールデンボンバー、チームしゃちほこ、Happiness、Flower、さらにわきを固めたお笑い芸人の面々までもがステージに現れ、ラストを壮大に飾った。

 この日登場したアーティストはみな口をそろえるように語っていたのは、「会場のみんなと、この日のひと時、夏の日の一つの思い出を作り上げたい」という思いだった。近日絶大な支持を得ているアーティストばかりが登場したこの日のイベントは、アーティスト自身それぞれ、そしてもちろん観衆に対しても、暑い日の中の素敵な思い出となったことだろう。

 なお、この日の模様は8月10日報道の日本テレビ系『ZIP!』(あさ5時半~8時)でオンエア予定。また、CS放送日テレプラスでは2時間半の拡大版を9月19日よる9時半より放送予定。

■セットリスト

でんぱ組.inc
01.NEO JAPONISM/02.おつかれサマー/03.でんでんぱっしょん
ゴールデンボンバー
01.Dance My Generation/02.抱きしめてシュヴァルツ/03.死 ん だ 妻 に 似 て い る/04.女々しくて
チームしゃちほこ
01.トリプルセブン/02.シャンプーハット/03.JOINT/04.抱きしめてアンセム
Happiness
01.ダンストラック/02.JUICY LOVE/03.Seek A Light
Flower
01.Blue Sky Blue/02.Flower Garden/03.太陽と向日葵
ファンキー加藤
01.MUSIC MAGIC/02.リスタート/03.輝け/04.あとひとつ/05.まわせ!
コーナー・ゲスト:じゅんいちダビッドソン/福田彩乃/どぶろっく/ヒロアキ&ジジ

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