渋谷公会堂で行われたDo As Infinityのツアーファイナルの模様(撮影・田中聖太郎)

渋谷公会堂で行われたDo As Infinityのツアーファイナルの模様(撮影・田中聖太郎)

 Do As Infinity(略・DoAs)が13日、東京・渋谷公会堂で全国ツアー『The Best of Do As Infinity Live Tour 2015 -BRAND NEW DAYS-』のファイナルを迎えた。DoAsにとって渋谷は、デビュー当時に路上ライブで研鑚を積んだ場所。想い出の地で2時間半超に渡り、アンコールを含め全22曲を熱演した。ミュージックヴォイスでは同公演の模様を以下にレポートする。  【取材・小池直也】

細部へのこだわり

 満員御礼のDoAsファンが彼女たちの登場に期待感を高めるなか、ステージが突然と暗転。代表曲「EDGE」のイントロが鳴り響くと、2階のオーディエンスまでもが総立ちになった。鳴り響く手拍子。大歓声を確認するように一呼吸置いて、白一色の衣装に身を包み込んだ伴都美子(Vo)と、大渡亮(G)が姿を現した。

 彼らは軽くMCを済ませると代表曲「陽のあたる坂道」「Week!」を含んだ楽曲群を立て続けに見舞った。15公演をこなした後に迎えたツアーファイナルともあって、ステージの空気感は均一に保たれ、サポートミュージシャンとの息もぴったり。伸び伸びとしたステージングにファンも穏やかに酔いしれていた。

 一体感に包まれた会場の前半を締め括ったのは、伴も「新曲じゃないよ」とおどけた、初期の楽曲「Welcome」。DoAsにはあまり無いブルース調の変化球で、彼らの幅の広さを感じさせた。ブルースコードで締めるのも新鮮であった。

 ブルースコードだけではない。DoAsのこだわりが随所でみられた。例えば、曲の終わり方にしてもセオリーを外したコードを流して終わる、業界でいうところのいわゆる「解決しない音」が多く見られた。熱気に包まれたオーディエンスには気付かれないであろう細かな点にも、彼らのミュージシャンとしてのこだわりがみえる。

キュートな掛け合いにファンも笑顔

伴都美子(撮影・田中聖太郎)

伴都美子(撮影・田中聖太郎)

 1度目のMCを挟んでからも彼らは「Song for you」、「夢の終わりに」と攻めの姿勢を崩さない。そして、大渡とサポートギター長井ちえのギターバトルがここで始まった。絶妙なチョーキングや凄まじい速弾きなど超絶技巧(ギターテクニック)を応酬していく。

 会話をしているように自由自在な言葉ならぬギターサウンドを弾いていく彼ら。そんな姿に観客からは大きな歓声が起こった。そして、その歓声は間もなくして「Route16」のイントロへと飲み込まれていく。少し遅めのテンポながらギターが映える曲調で、そのサウンドの上に乗る伴も気持ち良さそうに歌い上げていた。

 そんな華麗に演奏を繰り広げるDoAsだが、MCでは面白味に溢れるキュートな掛け合いで笑いを誘った。

 伴が10月に改修のため閉鎖される渋公に触れ「この会場には思い出がいっぱいある」と路上ライブ時代を振り返り感慨に触れたかと思えば、「思い出に浸っていてもしょうがないけどね、それがあって今があるっていうね。未来に向かって頑張っていきます」と話を打ち切って大渡がデビュー曲「Tangerine Dream」を弾き出した。突然の振りにも関わらず、伴はたじろぐことなく、大渡のアコースティックギターの音色に乗せ1コーラスを歌った。

 場を改め、伴がアコースティックギターを肩からぶら下げると、印象的なギターイントロを大渡が提示した。YouTube上で公開されているDoAs楽曲の中でも最多再生数を誇る「深い森」である。

 Aメロでギターとボーカルだけの演奏、Bメロでは不意をつく転調から言葉少なめで歌い上げるサビへ―。この展開のバランスの良さに改めてファンはうっとりしていた。

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