BATTLE OF TOKYO、総勢5組・45名の”Jr.EXILE”が約1年ぶりに集結
Jr.EXILE集合
LDHが仕掛ける、Jr.EXILE世代のアーティストを主役とした総合エンタテインメントプロジェクト『BATTLE OF TOKYO』。2019年7月に開催した始動ライブ『BATTLE OF TOKYO ~ENTER THE Jr.EXILE~』、昨年7月に開催した『BATTLE OF TOKYO ~TIME 4 Jr.EXILE~』に続くスペシャルライブ『BATTLE OF TOKYO~CODE OF Jr.EXILE~』(以下、BOTライブ)が、7月21日・さいたまスーパーアリーナで開幕した。さいたまスーパーアリーナでの4夜連続が大きな話題を呼んだ昨年のBOTライブに対して、今年は7月21日~23日にさいたまスーパーアリーナ、29日~30日に京セラドーム大阪にて公演が行われる。また本公演には、Jr.EXILEと呼ばれる5組のアーティスト(GENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICS、BALLISTIK BOYZ、PSYCHIC FEVER)の総勢45名のほか、タイからのスペシャルゲストも登場。まさに多次元世界がクロスオーバーする熱狂の宴が繰り広げられた。
『BATTLE OF TOKYO』の物語の舞台となる「超東京」――それは、世界的な大嵐“IUS”に見舞われながらも、最先端の複製技術=通称「コピー」で奇跡的な復興を遂げた、別次元の未来都市。偽物だらけのこの世界では、神出鬼没の怪盗団 MAD JESTERS(≠GENERATIONS)、最強無比の用心棒組織 ROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)、変幻自在のイリュージョン集団 Astro9(≠FANTASTICS)、風況無頼のハッカーチーム JIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)という4チームが、コピーできないオリジナルの品“ファイナル・ファクト”に隠された謎を解くため、“スキル(異能力)”を用いたバトルを繰り広げていた。しかし彼らは、幾度も拳を交えるうちに、互いのルーツや生き方に共鳴。さらには、自分たちの共通の敵が治安維持組織“ブルーシールド”であることを知り、いつしか共闘するように。6月に発売された原作小説の最新刊『BATTLE OF TOKYO vol.5』(月島総記・著)では、昨年のBOTライブで初登場した闇の武器商人 DUNG BEAT POSSE(≠PSYCHIC FEVER)が、ブルーシールドの長・イヌイと手を組む最強の敵であることも明らかとなり、対立関係に新たな風を吹き込んだ。
そんな小説のストーリーをなぞるように、この日さいたまスーパーアリーナは、原作小説『BATTLE OF TOKYO vol.4』に登場するエリアであり、超東京郊外(砂漠の中)にあるAstro9の拠点“アストロパーク”と繋がった。定刻の18時を少し過ぎた頃、デジタルの花火が無数に打ち上がり、浴衣姿のダンサーたちが「超東京音頭」を踊り始めると、場内は、アストロパークで年に一度開催されるという“流星祭”の世界へ。そう、いつのまにか来場者たちは“登場人物の1人”になっていたのである。そして、アリーナ席を取り囲むように設置された外周ステージに4チームが続々と登場。イヌイ率いるブルーシールドと、DUNG BEAT POSSE(≠PSYCHIC FEVER)の面々も、スキル使いたちを排除するためにメインステージに集結し、物語の幕開けを告げた。
ライブパートのオープニングを飾ったのは、昨年のBOTライブでも1曲目となっていた、アルバム『BATTLE OF TOKYO 〜ENTER THE Jr.EXILE〜』の収録曲「24WORLD」。外周ステージを練り歩きながらパワフルに歌い上げる4チームに続くように、今回からは新たにDUNG BEAT POSSE(≠PSYCHIC FEVER)の歌唱パートも追加され、彩りを添える。その後は、小説『BATTLE OF TOKYO vol.5』の名シーンを投影したMVを挟みながら、最新アルバム『BATTLE OF TOKYO CODE OF Jr.EXILE』収録の5曲を立て続けに初披露した。メインステージで新曲「Beautiful Liar」を披露したトップバッターのMAD JESTERS(≠GENERATIONS)は、美しく研ぎ澄まされたツインボーカルと、パフォーマー5人によるスキルフルなダンスで、命懸けで真実を追い求める怪盗たちの姿を表現。彼らと入れ違いで現れたJIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)は、エックス(≠松井利樹)が低音ラップで誘う中、フューチャー(≠深堀未来)やユキ(≠加納嘉将)の美麗なハーモニー、スキート(≠砂田将宏)のアクロバットといった多彩な武器を融合し「JIGGY PARADISE」を届ける。その表情は実に楽しそうで、いつでも遊び心忘れないハッカーたちの姿そのものだ。一方、ヴィランであるDUNG BEAT POSSE(≠PSYCHIC FEVER)は、人形使いである司令塔ヴィー(≠JIMMY)がブルーシールドのAI兵を操る中、「HABANERO」をパフォーマンス。精神攻撃を得意とするハルト(≠小波津志)の歌声もビリビリと観客の身体を伝い、圧倒的強者の威厳を示す。アストロパークのスター・Astro9(≠FANTASTICS)は、イタル(≠佐藤大樹)がヴィー(≠JIMMY)から“ファイナル・ファクト”の古書と鏡を奪うシーンを映し出すと、カラフルな衣装に身を包み、「Black magic」を発動。艶のあるカラス(≠八木勇征)のボーカルとアリア(≠中島颯太)のラップ、華やかなステージングで、会場に笑顔を咲かせていく。深紅に照らされたメインステージに満を持して登場したのは、寡黙な知性派ハデス(≠LIKIYA)と関西弁の剣士 ゴエモン(≠陣)が率いるROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)。鋭い目つきの奥に情熱を忍ばせるルプス(≠川村壱馬)が「JUSTICE IS BLIND」を歌い始めると、16人の剣士たちは縦横無尽にステージを移動し、躍動感溢れるパフォーマンスで観客を魅了。情報班のエイノット(≠鈴木昂秀)&ジョー(≠龍)、ドローンを操るキューブ(≠長谷川慎)、特殊能力を持つマルドゥク(≠山本彰吾)など、個性豊かなメンバー揃いの大所帯ながらも、見事なチームワークで“鉄壁の守護”を体現した。
序章とも言える5チームの単独ステージを終えると、ステージはバトルブロックに突入した。その始まりを知らせるのは、MAD JESTERS(≠GENERATIONS)とROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)のコラボ曲「Alternate Dimension」。曲中にはルプス(≠川村壱馬)とパルテ(≠関口メンディー)のラップバトルもありつつ、『BATTLE OF TOKYO』の始点となった“ファイナル・ファクト”の1つであるブラックダイヤモンドを奪うMAD JESTERS(≠GENERATIONS)と、謎多き怪盗たちを追うROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)の静かなる衝突が浮かび上がった。そこに現れたDUNG BEAT POSSE(≠PSYCHIC FEVER)は、交渉役・マリク(≠WEESA)が「おい、イヌイの旦那! 追加依頼だ! 報酬ははずんでもらうぜ?」と呼びかけ、ブルーシールドと共にスキル使いたちの排除に乗り出すと、チームの信条を綴った「RICH&BAD」を熱唱。新たな戦力が水面下で動き始める中、MAD JESTERS(≠GENERATIONS)・ROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)・Astro9(≠FANTASTICS)・JIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)は、アルバム『BATTLE OF TOKYO 〜ENTER THE Jr.EXILE〜』に収録された4チーム総当たりのコラボ曲と、アルバム『BATTLE OF TOKYO TIME 4 Jr.EXILE』に収録された各チームの楽曲を織り交ぜ、物語を展開していった。
超東京に生きるアバターたちの生き様を歌い繋いだ前半戦から一転、本編中盤には、今を生きる4チームのオリジナル曲メドレーも控えていた。FANTASTICSは、八木勇征と中島颯太がしっとりと歌い上げたラブソング「Maybe In Love」と、世界がNOPPO(s**t kingz)と共作した振付が話題の最新曲「Tell Me」を披露。和テイストの衣装が艶やかなTHE RAMPAGEは白い肩をチラ見せした吉野北人に黄色い声が充満する中、最新曲「Summer Riot 〜熱帯夜〜」を歌唱。夏の定番曲「HEATWAVE」、和風アレンジの「Can't Say Goodbye」と続き、祭りの夜を盛り上げた。このブロックで特に目を惹いたのは、昨年デビュー10周年の節目を迎え、アニバーサリーイヤー真っ最中のGENERATIONSと、デビュー前の夢者修行で同曲を歌っていたFANTASTICSによる「空」だろう。片寄涼太が奏でるピアノに包まれながら、穏やかな表情で丁寧に言葉を紡ぐ数原龍友と、頼もしい先輩と肩を並べて歌い踊るFANTASTICSのメンバーたちに、心を奪われたようにじっとステージを見つめる観客。ボーカル4人の声が重なった〈君を愛してる〉には、大きな拍手が沸き起こった。だが、GENERATIONSがアルバム『X』から「ワンダーラスト」を放つと、一気にヒートアップ。DREAMERS(GENERATIONSファンの総称)はもちろんのこと、それ以外のファンも豪快に巻き込んで笑顔にしていく様は、さすが“Jr.EXILEの長男”。底抜けに陽気なリーダー・白濱亜嵐を筆頭に、愛嬌たっぷりのパフォーマンスで観客に元気を手渡ししていく。さらに数原龍友は「GENETATIONSからの手紙を受け取ってください」と言い添えると、片寄涼太と共に、自身が作詞を手掛けたバラード「X 〜未来への⼿紙〜」を熱唱。2人の美しくも切ないハーモニーが、10周年で彼らが直面した悔しさと仲間の存在、この先に見据える光を描き出した。
そして今年のBOTライブには、超東京と時を同じくして大嵐“IUS”からの復興を遂げたという超曼谷(超バンコク)からも、スペシャルゲストが参戦。現実世界では、昨年8月から今年1月にかけて、BALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERがタイで武者修行を行なっており、それを機にLDHとパートナーシップ契約を締結したタイのHIGH CLOUD ENTERTAINMENT(F.HERO、Boom Boom Cash、Bear Knuckle)と4NOLOGUE(TRINITY、DVI)とのコラボレーションステージが実現したのだ。このブロックのトップバッターは、デビュー前から世界進出を視野に入れて活動していたBALLISTIK BOYZ。タイで国民的人気を誇る3人組グループ TRINITYとのコラボ曲「Drop Dead feat. TRINITY」を披露すると、生のパフォーマンスを渇望していた観客が凄まじい歓声を上げる。TRINTYの楽曲「Champagne Poppin」にもBALLISTIK BOYZが参加し、メンバーたちはじゃれ合いながら外周ステージを練り歩いた。PSYCHIC FEVERは先日の単独ツアーにもサプライズでゲスト出演した、新進気鋭の6人組グループ DVIとのコラボ曲「To The Top feat. DVI」をクールに披露。DVIのデビュー曲「Sugar」ではPSYCHIC FEVERもキュートな“シュガシュガダンス”でひとつに。続いてBALLISTIK BOYZの砂田将宏が呼び込んだのは、2組が武者修行を行っている間、タイでの活動を全面サポートしていたHIGH CLOUD ENTERTAINMENTの創業者であり、ラッパーのF.HERO。「Drop Dead feat. TRINITY」を手掛けたBOTCASH が所属している4人組EDMバンド Boom Boom Cashも加わり、3組でマイクリレーをしながら「Meant to be」(F.HERO×Boom Boom Cash)を届けた。また、オレンジのセットアップ衣装が眩しいTHE RAMPAGEは「What is done」(Boom Boom Cash)で初コラボ。女性ボーカルからシームレスに繋がる吉野北人とRIKUのハイトーンボイス、スパイス的に投入される川村壱馬の低音ボイスが、初見の観客の身体さえも揺らしていく。再登場したPSYCHIC FEVERは、3人組ヒップホップグループ Bear Knuckleの人気曲「DONG」と「Spice」(F.HERO参加の新曲)をコラボ歌唱し、グローバルアーティストとしての実力を見せつけた。
パフォーマンスバトルでは、ROUND1(小森隼、浦川翔平、剣、深堀未来、堀夏喜、LIKIYA、佐藤大樹、岩谷翔吾、中西椋雅、鈴木昂秀、神谷健太、小波津志、松井利樹)、ROUND2(澤本夏輝、WEESA、砂田将宏、海沼流星、藤原樹、渡邉廉、奥田力也、木村慧人、白濱亜嵐、与那嶺瑠唯、陣、中務裕太)、ROUND3(後藤拓磨、日髙竜太、瀬口黎弥、加納嘉将、龍、関口メンディー、長谷川慎、武知海青、JIMMY、半田龍臣、山本彰吾、佐野玲於、世界)という振り分けのもと、各ROUNDに2色のチームが登場し、ダンスバトルを展開した。関口メンディー、長谷川慎、武知海青、佐野玲於で構成されたクランパーチームなど、グループの垣根を越えたダンスジャンルの繋がりを感じられる編成は、BOTライブの醍醐味だろう。中でも注目されていたのは、大トリとして現れたROUND3の佐野玲於&世界のバトル。入場時からオラつく佐野玲於と、やたら低姿勢でメインステージに向かう世界のギャップが笑いを誘ったのも束の間、いざステージに上がると、お互いが被っているキャップのツバを擦り合わせながら睨み合った。だが、異なるダンススタイルでバトルを繰り広げながらも、最終的には笑顔で肩を寄せる姿が微笑ましい。それもそのはず、“ダンスが好き”という感情は、パフォーマー全員が共有しているものなのだから。そんなメンバーの奥に、超東京で生きるアバターの人生が垣間見えたところで、ライブはエンディングへと向かっていった。
共闘するスキル使いに気圧され、敗北を認めざるを得なくなったイヌイを横目に、EXILEのカバーや各グループのオリジナル曲で、ラストスパートをかけるJr.EXILEたち。複数のロールダンスが今にもIUSを巻き起こしそうだった「Choo Choo TRAIN」では、MAD JESTERS(≠GENERATIONS)では最年少という設定のGENERATIONSの最年長・関口メンディー(≠パルテ)と、THE RAMPAGEのリアル最年少・後藤拓磨が一緒にジャンプ。白濱亜嵐が作詞作曲を手掛けたパンキッシュな「NOW or NEVER」(GENERATIONS)では、小説『BATTLE OF TOKYO vol.5』内で熾烈なバトルを見せていたRIKU(≠ベイリー)とWEESA(≠マリク)が、Astro9の料理担当・澤本夏輝(≠ハジメ)と共に、楽しそうにヘッドバンギングをする場面も。それ以外にも、さまざまな組み合わせでカメラや客席にアピールするメンバーが続出し、いくつ目があっても足りないほど見どころ満載のブロックとなっていた。そしてラストは、再びコンセプト衣装に着替えて、『BATTLE OF TOKYO』のエンディングテーマ「UNTITLED FUTURE」を歌唱。まだ見ぬ未来への希望を丁寧に歌い上げ、初日公演を締め括った。
小説『BATTLE OF TOKYO vol.5』が第一章完結を示したことで、スキル使いたちが追い求めた“ファイナル・ファクト”の謎は解き明かされたが、その先に待ち受ける未来は、彼らにも我々にもまだ分からない。だが、不確定の未来だからこそ、自分がなりたい自分を作り上げることができる――。そう語りかける声に、『BATTLE OF TOKYO』第二章への期待がますます膨らんだ人も多いだろう。なお7月26日からは、ROWDY SHOGUNのルプス(≠川村壱馬)を主人公としたスピンオフ漫画『BATTLE OF TOKYO 覚醒のルプス』(LINE漫画独占)が、ついに連載スタート。まずは同作を熟読し、次なるバトルに備えよう。