松岡充率いる「仮面ライダードライブ」ユニット、意外と知られていないメンバーの実績
仮面ライダードライブを囲み熱唱する松岡充(左)とtatsuo(C)2014 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
「仮面ライダー4号」の声優を務めることで話題を集めた松岡充(43)。『仮面ライダードライブ』(テレビ朝日系)に引き続き『仮面ライダー4号』(動画配信サービス「dビデオ」配信)の主題歌も、音楽ユニット「Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVE」(略称・MMED)として担当している。
このユニットは『仮面ライダードライブ』テレビ主題歌のために結成されたもので、松岡の脇を固めるメンバーも実に豪華。名立たるアーティストのプロデュースやサポートなどを務めてきた面々だ。なかでもtatsuoは、ゴールデンボンバーのサウンドプロデュースを手掛けていることでも知られている。
MMEDは、松岡充を筆頭に、ギターとサウンドメイキングを手掛けるtatsuo(37)、ドラムスのJun-ji、ベースのIKUOからなる番組限定ユニット。
松岡充、俳優としても活躍
松岡は言わずと知れたロックバンド「SOPHIA」のボーカル。95年にミニアルバム『BOYS』でメジャーデビュー。ヒット曲に「街」や「黒いブーツ -oh my friend-」などがある。SOPHIAは現在、活動休止中だが、松岡は「MICHAEL」という新バンドを結成。3月25日に1st ALBUM『Archangel』をリリース。7月には主催イベントを行うなど、精力的にバンド活動を行っている。そして音楽以外でも俳優としての活躍も目覚ましい。例えば、加藤浩次や香取慎吾が出演した『人にやさしく』などがある。
活躍の場はドラマだけでなく、舞台『リンダリンダ』『キサラギ』、ミュージカル『Catch Me If You Can』、Vシネマ『仮面ライダー エターナル』にも出演している。
2010年公開の劇場版『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』に、仮面ライダー史上、最強にして最凶と呼ばれた仮面ライダー エターナルとして登場し、主題歌も担当した。他アーティストへの楽曲提供やプロデュースワークも多く、写真集出版・小説執筆・プロダクトデザイン・番組司会などボーカリストというカテゴライズを超え、多彩な分野で活動するクリエティブアーティストである。
tatsuo、金爆の楽曲に携わる
そして、MMEDのギターと楽曲のサウンドメイクを担当するtatsuoは、「Missing Tear」を経て「everset」で活動。ゴールデンボンバーの樽美酒研二が「Missing Tear」のローディー(ミュージシャンサポート)をしていたこともあり、ゴールデンボンバーの楽曲アレンジも担っている。そこからプロデュース能力が開花し始め、アニメ『SKET DANCE』から生まれたバンド「The Sketchbook」のプロデュースや、今話題のBABYMETALの作品にも参加している。
ハードロックやプログレッシブロックから影響を受けてきたことから、テクニカルかつメロディアスなギターを聴かせてくれる。そして日本人ギタリストで初めてMUSICMAN社とモニター契約を結んでいる実力派だ。
海外では、「TOTOのSTAVE LUKATHER(スティーブ・ルカサー)」や、「DEEP PURPLEのSTEVE MORSE(スティーブ・モーズ)」、「DREAM THEATER」の「JOHN PETRUCCH(ジョン・ペトルーシ)」などが契約しているメーカーだ。
Jun-ji「SIAM SHADE」でデビュー
ドラムのJun-jiは、95年に「SIAM SHADE」でメジャーデビュー。ヒット曲にフジテレビ系アニメ『るろうに剣心』のエンディング曲「1/3の純情な感情」などがある。Jun-jiは、セッションミュージシャンとして、「T.M.Rvolution」、「GACKT」、「Acid Black Cherry」、「Sound Horizon」など人気アーティストのバックを支えている。twitterでも9万フォロワーという数字が物語っているように人気も高い。
一般リスナーだけでなく「SIAM SHADE」時代から定評の高いドラミングで若手ミュージシャンのファンも多い。現在はベースのIKUOと「BULL ZEICHEN 88」で活動中。そして10月にはデビュー20周年を迎える「SIAM SHADE」のライブが埼玉スーパーアリーナで行われる予定だ。
IKUOソロでも活躍
ベースのIKUOは96年に「Ex-iT」でメジャーデビュー、98年に「Ex-iT」を解散し後に「Lapis Lazuli」を結成し、再メジャーデビューを果たす。現在は「BULL ZEICHEN 88」を結成し精力的に活動中。
自身のバンドの他にもテレビアニメ『テニスの王子様』(テレビ東京)オープニング主題歌「LONG WAY」でソロでもデビューしている。
セッションミュージシャンとしても人気があり、「T.M.Revolution」や「abingdon boys school」、tetsuya(L’Arc〜en〜Ciel)、「JAM Project」などにも参加。その他に山口真文GROUPなどのセッションも定期的にやっておりJAZZからROCKまで幅広く活動している。2014年にはキングレコードより自身初のソロアルバム『R.E.D ZONE』をリリースした。
これを見るだけでも実力派のメンバーが揃っているのがおわかりいただけるだろう。仮面ライダーの主題歌というだけでなく、音楽ファンも十分に楽しめるメンバーそして楽曲となっている。肝心の楽曲の方も隙のないアレンジとなっていて完成度の高い仕上がりだ。
実力派メンバーによる完成度の高い曲
今回の『仮面ライダー4号』の主題歌になっている「time」(4月22日発売)は前作の「SURPRISE-DRIVE」が疾走感あるロックなサウンドに対して少しダークなサウンドに仕上がっている。
この楽曲のテーマとなるイントロのギターのアルペジオがプログレッシブロックバンド「DREAM THEATER」を彷彿とさせる。
このギターのアルペジオ、エレクトリックギターとアコースティックギターをレイヤーしたかのようなサウンドが美しく、この楽曲の世界観を決定づけている。間奏ではそのアルペジオにメロディアスなベースが絡み叙情的な雰囲気が加味され、更に楽曲の世界観に引き込まれていく。
ベースのIKUOとドラムのJun-jiの2人は「BULL ZEICHEN 88」でも活動しているため、コンビネーションも抜群で心地よいビートを叩きだしている。そこに乗っかる松岡の歌もすごく伸びやかだ。
ちなみにバンド名であるEARNESTとは「真剣な」「熱心な」という意味を持ち、サウンドにもそれが表れていると感じた。
- 1
- 2