[写真]ミューズが3年ぶりに新作

通算7作目となる最新作『ドローンズ』をリリースするMUSE(ミューズ)

 イギリス出身の世界的人気バンドのMUSE(ミューズ)が、通算7作目となる最新作『ドローンズ(原題: DRONES)』を6月に発売することが明らかとなった。今作は、ブライアンアダムスなどを手掛ける敏腕プロデューサーのジョン・マット・ラングとの共同プロデュース作品だ。

 ミューズは1994年にイギリスのデヴォン州ティンマスで結成された3ピースロックバンド。メンバーは、ヴォーカル&ギターのマット・べラミー、ベース&ヴォーカルのクリス・ウォルステンホルム、ドラムのドミニク・ハワード。バンド名の由来は、ギリシャ神話で音楽などを司る女神ムーサの英語名。

 2010年には、ロンドンオリンピックの公式ソング「Survival」を手掛け、2011年にはアルバム「The Resistance」でグラミー賞を受賞。CDセールスは全世界で1500万枚を売り上げているいわゆる“モンスターバンド”だ。

 デビュー作「SHOWBIZ」は、プロデューサーにRadio Head(レディオヘッド)などを手掛けるジョン・レッキーを起用し話題を呼んだ。そのジョン・レッキーが関わっていることからか音楽性もどことなくRadio Headの空気感を感じさせるところもあった。

オルタナを基調とした世界観の妙

 このミューズをジャンルに分けるとするとオルタナティブロックに属する。オルタナティブロックとは通称オルタナとも呼ばれ、日本では割とアンダーグラウンドな音楽ジャンルだと思われる。

 このジャンルの起源は、1980年代のアメリカのメジャーシーンの反発から発祥したと言われている。オルタナティブとは、日本語で「異質」「型にはまらない」という意味でジャンルの定義は広い。逆に言えば、明確にジャンル分け出来ないものをオルタナティブロックと呼んでいる節もある。

 ちなみにこのジャンルの有名なバンドには前記したRadio headやRed Hot Chili Peppers(レッドホットチリペッパーズ)、Cold play(コールドプレイ)などで、国内ではthe pillows(ザピロウズ)やART-SCHOOL(アートスクール)が有名である。

 ミューズの音楽の特徴としては、歪んだギターにタイトなリズム隊、そしてそこに絡むシンセサイザーによって生まれるサウンドの妙が彼ら独自の世界観であり、それが壮大なロックと言われるゆえんである。その壮大さから「Epic Rock」と呼ぶ人もいる。

 記者の私見だが、この「Epic Rock」という呼び名に相応しいサウンドを持つバンドだと紹介したい。そして、そのサウンドに乗る歌詞もミューズの個性に一役買っている。

ジョン・マット・ラングとの共同プロデュース

 さて、今回6月発売される最新作『ドローンズ』は、世界21カ国でナンバーワンを記録した前作『ザ・セカンド・ロウ~熱力学第二法則』から約3年振りとなるスタジオ作であり、本国イギリスでは6月8日に発売、日本盤の発売は6月10日を予定している。

 既にヘッドラインとして出演が決定している「FUJI ROCK FESTIVAL ‘15」の直前での発売となるこの作品は、ミューズと、AC/DCやデフ・レパードから、ブライアン・アダムス、マルーン5やニッケルバックなどを手掛ける世界的なヒット・プロデューサー、ジョン・マット・ラングとの共同プロデュースという形で制作されており、全12曲が収録される予定だ。

 『ドローンズ』収録楽曲は以下の通り。

 01. Dead Inside / デッド・インサイド
 02. [Drill Sergeant] / 【ドリル・サージャント】
 03. Psycho / サイコ
 04. Mercy / マーシー
 05. Reapers / リーパーズ
 06. The Handler / ザ・ハンドラー
 07. [JFK] / 【JFK】
 08. Defector / デフェクター
 09. Revolt / リヴォルト
 10. Aftermath / アフターマス
 11. The Globalist / ザ・グローバリスト
 12. Drones / ドローンズ

 そして、フロントマンのマット・ベラミーは今作にこう語っている

 「俺にとって『ドローンズ』は、頼るものもない精神病的な行動を可能にする、比喩的な意味での精神異常者なんだ。この世界は、俺達全員をドローンズにしたてるためにドローンズを利用するドローンズが動かしている。このアルバムは、人類が希望を失い、自身を放棄して、ヒューマン・ドローンへと人類を追い込むシステムに洗脳され、そして最後にはその圧制者から離反していく、その人類の物語を探求する作品なんだ」

 基軸となるオルタナティブロックを背面としたサウンドはどう進化するのか、期待が寄せられる。

シングル曲「デッド・インサイド」

 そして、『ドローンズ』からのシングル曲「デッド・インサイド」は、3月下旬に公開予定となっている。

 このシングル曲の公開に先駆け、ミューズは現地イギリス時間で3月12日午後6時(日本時間で3月13日午前3時)、彼らのオフィシャルYouTubeページで、アルバムからの最新曲「サイコ」を公開する。

 YouTubeでの公開から1時間半後となるイギリス時間午後7時30分(日本時間では午前4時30分)には、iTunesでのアルバムの予約注文(プレオーダー)のスタートも予定している。なお予約注文をした人は、その場でこの最新曲「サイコ」をダウンロードできるようだ。

 ミューズはこの最新作発表に加えて、3月15日にベルファスト公演を皮切りに、6日間に渡る「The Psycho UK Tour」も始まる。

 今回併せて発表された日程表では初日のベルファストに加え、グラスゴー、ニューポート、エクセター、マンチェスター、そしてブライトンの6都市で行われ、彼らにとっては小さめの会場が各地の公演場所となっている。このためミューズのサウンドがより身近に感じられるツアーになりそうだ。  【上村順二】

この記事の写真
[写真]ミューズが3年ぶりに新作

記事タグ 


コメントを書く(ユーザー登録不要)