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女優の山崎紘菜が、毎週金曜午後11時より放送・配信中のタツノコプロ創立60周年記念『WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ』に出演。主演の池田エライザ演じる泥川七音のライバルで、のちにヤッターマン2号となる聖川愛花を演じる。『DORONJO/ドロンジョ』は表裏一体の正義と悪をテーマに、“ドロンジョ”が“ドロンジョ”になるまでを描くダークエンターテインメント作品。山崎が演じる聖川愛花は、大手企業の財閥令嬢。七音とはアマチュアボクシングで代表を争うライバルだ。裕福な家庭で育ち、美貌を生かしてインフルエンサーとしても活動するという、七音とは真逆の性質を持つ人物。インタビューでは、聖川愛花というキャラをどのように捉えたのか、この作品で改めて考えさせられた正義と悪についてなど、話を聞いた。【取材=村上順一/撮影=冨田味我】
七音ちゃんにとって圧倒的な存在でなければいけない
――出演が決まった時、どのような心境でしたか。
私はこれまで割とクールな役柄を演じさせていただくことが多かったんです。なので愛ちゃんみたいな可愛らしくて、天真爛漫なキャラクターに選んでいただいたことがすごく嬉しかったです。ヤッターマン2号になれるって(笑)。
――撮影に臨むにあたり、どんな準備されていました?
アクションシーンが多かったので、ボクシング練習に励みました。愛花はボクシングが強い役なので、七音ちゃんにとって圧倒的な存在でなければいけない。自分の中で試合のシーンは特に大切にしていました。
――ボクシング経験はないですよね?
ボクシングはないんですけど、キックボクシングをエクササイズとしてやっていました。この2つは一見似ていますが、重心の持って行き方などは全く別物なので、最初のころはキックボクシングの癖が出てしまって大変でした。
――ちなみに山崎さんがお好きなパンチは?
練習している時に左フックが上手いと褒めていただけました! なので、左フックには自信があります(笑)。個人的に見てもらっていたトレーナーさんに左フックのシーンを絶対に入れてもらった方が良いよと言ってもらえて、嬉しかったです。
――特に苦労されたシーンは?
スーツを着て、パンプスを履いて闘うシーンがあるんですけど、動きに制限ができてしまって、けっこう苦労しました。
――聖川愛花は令嬢で恵まれた環境の中で育っている人物ですが、思うことはありますか。
何をもってして恵まれているか、だと思います。どんなにお金があって、恵まれた環境に育っても、その人にはその人なりの悩みがあって。相手の環境を決めつけることは良くないですし、自分の環境も決めつけるのは良くない。それをちゃんと問いにしてくれるドラマと言いますか、固定観念を持たず色んな角度から物事を見ることの大切さを教えてくれると思います。ただ、七音ちゃんにとって常に眩しい存在であれるようには心掛けていました。
――聖川愛花は光、正義のイメージが強いキャラですよね。
正しいか、正しくないかは環境や取り巻く人によって変わると思いますし、正義と悪という概念は一つではないと思います。様々なことを考えないといけない時代の中で、何事も決めつけることは良くないと。
私が初めて善悪について考えさせられたのは、小学校の国語の授業で学んだ「高瀬舟」(森鴎外)という作品でした。その作品は兄弟を殺してしまった罪で囚われている人のお話なんですけど、その罪を犯してしまった理由は、苦しんでいる兄弟を楽にしてあげたいという思いからでした。その行為は果たして正義なのか、悪なのか、罰せられるものなのか。当時それを読んだ時の気持ちを『DORONJO/ドロンジョ』で思い出しました。
――多角的に物事を見ないと真実はわからないですから。
私は想像力というのがすごく大事だと思っています。それは相手を思う想像力なんですけど、愛ちゃんはそれが全くないわけではなくて。相手のことを思って話しているつもりなんですけど、知識が足りないせいで想像力が及ばないところがある。それは、自分も気をつけようと思いました。
俳優の仕事は監督のフィロソフィー(哲学)を伝えること
――さて、今回様々なキャストさんがいらっしゃいますが、撮影で印象的だったことは?
高岩田ガン役の金子大地さんとご一緒するシーンが多かったのですが、ガンちゃんと初めてライブ配信をするシーンが印象的でした。その時のガンちゃんのアドリブが面白すぎて、私が笑いをこらえきれずNGを出してしまったんです。
――金子さんはどんなユニークなお芝居を?
金子さんは現場に毎回面白いアイデアを持ってきて下さる方でした。そのシーンでは今まで以上にアドリブが盛り沢山で、それが私のツボにハマってしまって(笑)。残念ながら、尺の都合でカットになってしまったところもあるんですけど、フルでそのシーン観ていただきたいくらい面白かったんです。シリアスなシーンが多い中で、ガンちゃんとの微笑ましいシーンにも注目していただけたら嬉しいです。
――監督とはどんなお話しをされました?
私はドラマや映画は監督のフィロソフィーを伝えることだと思っているので、監督がこの作品で何を伝えたいのか、私に何を求めているのかなどをクランクインまでにたくさん知りたいと思っています。
愛ちゃんと七音ちゃんは正反対なルーツをもつ2人なのですが妙に惹かれあっていると言いますか、奇妙な依存関係があると思っていて。監督もドロンジョとヤッターマンお互いを惹きつけあっている、懲らしめたいと懲らしめられたいが、一致している部分があるんじゃないかとお話しして下さったので、それを受けてなぜ愛ちゃんは七音ちゃんにこだわるんだろう? 七音ちゃんを変えることが愛ちゃんにとってどんな意味があるのか、と考えていました。
――最後に役者として11年目に突入した山崎さんが、いま目指す女優像とは?
ずっと変わっていなくて、一人でも多くの人を救いたい、明るく元気にしたい、誰かを喜ばせたいという気持ちで10年歩んできました。それはこの先も変わらずに歩み続けていくと思いますし、その分母を増やせるように頑張っていきたいです。
――その精神は聖川愛花と繋がるところもありそうですね。
愛ちゃんの正義を理解できるところもあります。とにかく一生懸命で真っ直ぐなんですよね。愛ちゃんの真っ直ぐなところが、七音ちゃんには眩し過ぎて、自分の陰が濃く見えてしまって嫌だったんじゃないかなと思います。人によって強烈な光というのは居心地の悪いものになることもあるんですよね。でも、その真っ直ぐさを持てる強さも確かにあると思うので、そこが愛ちゃんの好きなところなんです。
(おわり)
衣装
ワンピース/コー
ゴールドイヤーカフ・右手ゴールドリング/リューク
その他アクセサリー/ジュエッテ
ブーツ/フラッタード
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