(C)2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会

 木村拓哉、綾瀬はるかが21日、都内で行われた『東映70周年記念 新作映画発表会見』に出席。古沢良太氏・脚本、大友啓史氏・監督のもと『THE LEGEND & BUTTERFLY』が、総製作費20億円で映画化されることが発表された。木村は織田信長、綾瀬が濃姫を演じる。

 織田信長とその妻・濃姫の30年の軌跡を描く。織田信長を演じる木村は、時代劇初出演となったTVドラマ「織田信長 天下を取ったバカ」(98/TBS)以来約25年ぶりに織田信長役を務める。

 そして濃姫役には、名実ともに日本を代表する女優・綾瀬はるか。天下統一へと駆け上がる信長と対等に向き合い、臆さぬ物言いで時に信長を導いていく信長の妻を演じる。

 木村は「歴史上の人物には魅力のある方たちが沢山いるんですけど、自分は特に織田信長に惹かれる部分が多いです。たまたま、木村家の家紋と織田家の家紋が全く同じ、“織田木瓜”という家紋があって、幼少期、時代劇を後ろから覗き見していた時に『なんで自分の家紋が映っているんだろう』って不思議だったんです。そこから歴史を学んでいって、同じ家紋なんだと分かり親近感がありました。中には残虐的な行為もあるけど、その行為の根幹にあるものを、資料を見て知っていくうちにどんどん魅力を感じていきました。こういった大作で彼(信長)を演じさせていただけて名誉ですし、今を生きる僕たちが当時実際に生きていた人たちを演じ、物語を作るうえで『当時の方たちに失礼のないような作品にしたいですね』と綾瀬さん、古沢さん、大友監督とも現場で話しました。彼を演じさせていただけるという、本当にこの上ない舞台を用意していただいたので、全力で演じさせていただきました」と本作で演じた織田信長との不思議な縁と、作品への強い決意を語った。

 また、織田信長が生涯を終えた49歳と同じ年齢で、信長を演じると決まった時の気持ちを聞かれた木村は「“本能寺の変”のシーンを撮影している最中に、大友監督がずっとまじまじとこちらを見ているので、『どうしたんですか?』って言ったら、『いや、まさしく全く同じ歳の時に、同じ状況になったんだね』ということを仰っていただいたので、感慨深いところが多いですね。440年前の今日、その事件があったのでは、とされている今日この日に、皆さんにお伝えできるのは、何かを感じさせて、思わせてくれるようなタイミングになっているなと思います」と撮影当時を振り返った。

 信長の妻・濃姫を演じた綾瀬は「今までに観たことのない信長と夫婦の物語が描かれているなと感じました。人間らしい部分がコミカルであったり、その時代に生きているふたりの生きざま、夫婦がひとつになっていく人生の描かれ方がとても素晴らしく、読み終わった時に心が持っていかれました」と脚本を読んだ時の心境を述懐した。

(C)2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会

 脚本を執筆した古沢氏は「3年位前に、東映さんから『木村拓哉さんで信長の映画を作ることが悲願』と熱く語っていただき、どういう切り口が良いのかを考えました。中でも戦国時代の政略結婚というのは興味がありました。信長と濃姫の夫婦の物語として描けば、カリスマイメージがある信長の裏側を描けるのではないかというのがモチベーションとなりました。ヒロインには綾瀬はるかさんが決まって、監督が大友啓史さん。最高の座組になっているので、歴史劇としても、歴史に興味がない人でも夫婦の愛の物語として楽しんでもらえると思います」と完成度に自信を覗かせた。

 監督を務めた大友氏も古沢氏の脚本を読んだ際に「プロットがある段階で古沢さんにお会いして想いを伝えたところ、1カ月後には第1稿が送られてきました。それを一気読みして、すぐプロデューサーに『初稿で撮れる作品は、初めてだよ!』と連絡した記憶があります。我々に創作の余地をきっちり残していただき、余白を与えていただいた。エンターテイメントにも溢れ、夫婦の物語として入り口は広いけど、最後の出口がものすごく深いところにたどり着けるんですよね。木村さんと綾瀬さんも生きているうちに撮りたいと思っていたので、この二人に加えて脚本でトドメを刺されたという感じです」と大絶賛した。

 2021年9月にクランクイン。京都での撮影を振り返ってみて木村は「とても贅沢な時間でした。ベースとなった京都・太秦では僕の大好きなスタッフの皆さんが甲冑、セットをあつらえてくれた。大好きなスタッフと、毎日作業できるのがモチベーションでした。重要文化財の中で撮影ができる京都という特別な空間でしか叶わない撮影内容だったので、思い返すとロケ先、出会った方たち、すべてが頭の中に浮かんでくる。恵まれた現場でした」と振り返る。

 それに対して綾瀬も「早朝からエキストラさんが沢山来てくださって、メイクの作り込みもすごくて、衣装もセットも作品の世界観に引きこんでもらえるようなものに固められた中でお芝居ができました。(木村さんとは)夫婦役は初めてでしたけど、木村さんと織田信長が同一化して、存在感や何をやっても絶対受け止めてもらえるという安心感がありました」と笑みをこぼした。

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