「イントゥ・ザ・ウッズ」作詞作曲を手掛けるスティーヴン・ソンドハイムとは
『アナと雪の女王』で驚異的な大ヒットを記録し歴史的なミュージカルブームを作り上げたディズニーが、満を持して贈る最新ミュージカル映画『イントゥ・ザ・ウッズ』(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン配給)が3月14日に公開される。メリル・ストリープやジョニー・デップが出演することでも話題を集めているが、ここでは原作ミュージカルと本作の作詞・作曲を努めたスティーヴン・ソンドハイムにスポットを当ててみたい。
スティーヴン・ソンドハイムは、ミュージカルの本場、ブロードウェイで高く評価される作詞・作曲家だ。ミュージカルの金字塔「ウエスト・サイド物語」で27歳の時に作詞に起用され、脚光を浴びた。その後、「カンパニー」で、アメリカの演劇界で最も権威ある賞として知られるトニー賞ミュージカル作詞賞と作曲賞を受賞。更に「イントゥ・ザ・ウッズ」「スウィーニー・トッド」を含む5作品でトニー賞楽曲賞を受賞した。
また、2008年にはそれまでのミュージカルへの貢献を評価され、トニー賞特別賞が授与されたのに加え、2010年にはブロードウェイの劇場の一つが“スティーヴン・ソンドハイム劇場に名称変更されている。ブロードウェイに大きな影響を与え、ミュージカルで最も成功した作詞・作曲家の1人として数えられている。
彼が原作を務めるミュージカルは日本でも度々上映されてきた。特に国際的演出家である宮本亜門さんが振り付けを担当した「太平洋序曲」、本作の元となった「Into the Woods」も上映され、人気を博した。また、2015年10月にも彼の作品である「パッション」の公開が予定されている。
さらに、彼の代表作とも言えるミュージカルの金字塔「ウエスト・サイド物語」は、1964年に日本で公開され、日本に海外ミュージカルのブームを巻き起こした作品とされている。異国の地からやってきた音楽・詩でありながら、その楽曲や物語は当時から日本人の心を掴んでいた。
また、映画音楽も手がけるソンドハイムは、『ディック・トレイシー』の挿入歌でアカデミー賞主題歌賞を受賞している。そして実は、2008年に大ヒットしたミュージカル映画『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』では、彼の楽曲とジョニー・デップの歌声とが抜群の相性を発揮し、作品をヒットに導いた。『イントゥ・ザ・ウッズ』ではジョニーとソンドハイムだけでなく、メリル・ストリープやクリス・パインと言った豪華キャストの歌声にも期待が集まる。
本作で描かれるのは、誰もが知るおとぎ話の主人公たちの、ハッピーエンドの“その後”。「めでたし めでたし」で終わりではなく、その先にも続いていく人生で「本当の幸せとはなにか?」とディズニーが問いかける。