INTERVIEW

野崎結愛×根岸実花×野中ここな

『おにぱん!』で声優初挑戦、悪戦苦闘のなかで団結力アップ


記者:木村武雄

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掲載:22年04月29日

読了時間:約6分

 野崎結愛、根岸実花、野中ここなが、テレビ東京系列「おはスタ」(毎週月~金あさ7時5分から放送中)にて毎日放送中の、アニメ『おにぱん!』で、メインキャラクターの声を演じている。14歳の3人のおにっ子が、「鬼は悪者」というイメージを払しょくするため、鬼と人間が共存する世界で奮闘する姿を描く。赤鬼のつつじ役には元さくら学院の野崎結愛、黄鬼のひまわり役は『ちゃおガールオーディション2019』でグランプリに輝いた根岸実花、青鬼のつゆくさ役を野崎と同じ元さくら学院の野中ここなが務めた。声優は初挑戦。フレッシュな3人に話を聞いた。【取材・撮影=木村武雄】

役柄の印象

――それぞれ役が決まった時の心境と役柄とご自身の共通点は?

根岸実花 最初、私の声はつつじが一番近いと言われていましたので、ひまわり役が決まった時はびっくりしました。ひまわりは明るく元気で活発な少年みたいな女の子ですが、私は声が大きい方ではないので、ひまわりみたいな元気で活発な役をやらせて頂くとは思ってもいませんでした。ひまわりは料理や家事が得意でみんなのお母さん的な存在。でも本人はそれを認めていないちょっと可愛らしいところもあって。私は料理は全然できないですし、自分と真逆の性格でもあったので不安もありましたが、自分とは違うキャラクターを演じられるという楽しみもありました。それと、ひまわりはしっかり者でよくつつじやつゆくさにツッコみを入れるんです。私も学校では友達にツッコむことがあるのでそれは活かされたかなって思います(笑)

根岸実花

野崎結愛 私も実花ちゃんと同じようにつつじが一番近いって言われていました(笑)。私自身も3人のキャラクターの中でつつじが自分に一番近いと思っていたので、つつじ役を演じられると聞いた時はすごく嬉しかったです。つつじはすごく明るくて好奇心旺盛で元気、感情の起伏が激しいハッピーな女の子です。私と似ているところは、明るいところや感情の起伏が激しいところかなって思います(笑)。つつじは、いろんなことにどんどん挑戦していくんですけど、私は慎重に考えて行動するタイプなのでそこは違うところだと思います。

野崎結愛

野中ここな 私は最初、ひまわりに近いって言われていました。でもフタを開けてみたららつゆくさだったので「真逆じゃん」って(笑)。つゆくさはとてもマイペースでクールに見えるんですけど、ただただおっとりしているだけなんです。ひまわりとは全く違う性格なので最初はひまわりに近いと言われたんだろうと考えていましたが、私のテンションや体の動きがひまわりに近いと思われたのかもしれません。でも声だけ聞いたらおとなしめでもあるので、つゆくさは自分っぽいかなと納得しました。つゆくさは、一人の時間も好きで特に甘いものが好きな子です。私はあまり甘いものを好んで食べないですし、思ったら2人に言わずにすぐ行動するタイプでもありません。だから、生き方は全然違うなって思います(笑)。ただ一人の時間が好きというところは私に似ているかなって思います。

野中ここな

意識した声の強弱

――自分の性格とは真逆な部分もあるキャラクターをどう演じようとされましたか?

野中ここな つゆくさはおっとりしていますが、私は感情が声に乗りやすいので頑張って抑えたり、アニメや映画などを観て雰囲気の似たキャラクターを参考にして自分なりのつゆくさの声を意識しました。家では喜怒哀楽がそのまま声に乗らないように強弱の波(抑揚)を作らない言い回しを練習したり、表情もあまり作らないようにセリフを言ってみたりしました。とにかく自分を抑えようと頑張りました!

野崎結愛 つつじは感情がすごく激しいのでそこを表現するのがすごく難しくかったです。自分が思っている何倍も出さないと、聞いている方や見ている方には伝わらないので感情を出すことがすごく大変でした。すぐにはできなかったんですけど、録音した自分の声を聴くなど客観視して練習するようにしました。

根岸実花 ひまわりは乱暴な言葉の使い方をする子なので、そういう言葉を扱うのが最初はすごく難しくて。まずはそこからどうにかしようと思って、他のアニメで少年のキャラクターの声をたくさん聞いてどういうふうにそういう言葉を扱っているのかを勉強したり、声の幅を広げられるように普段の声よりもちょっと低めに話したり大きめに話したり、ちょっと男の子っぽさを意識しました。

アフレコ、1話は4時間かけて

――アフレコはどんな雰囲気でやられているのですか。

野中ここな 最初はすごく静かでした(笑)。みんな「初めまして」だったので、緊張し過ぎてあまり話せなかったです。収録前は声出しとかも必要だと思うんですけど、声を出していいのかも分からなかったので、最初はあまり練習が出来ていなかったんですけど、最近は収録前にいろんな話をしたり、プロデューサーの方など大人の方とも話せるようになって、コミュニケーション力は初めの頃よりついたと思います!(笑)

野崎結愛 実花ちゃんとは同い年なんですけど、初めて会ったときも敬語で話したりして、1話の収録のときとかも「シーン」っていう空気でした(笑)。でもだんだんと学校の話とか雑談をするようになって、収録でも「ここを合わせようね」とか「ここはこうだよね」とかそういう確認も一緒にできるようになったので、3人のコミュニケーションがよく取れるようになったなって思います。

根岸実花 ここなちゃんと結愛ちゃんはもともとさくら学院で仲良くて、そのなかに私1人ポンと入ったので、最初はすごく緊張してなかなか近寄れなかったんですけど、話してみたらすごく面白い子たちでしたし、今はすごくリラックスして臨めているのでよくなったなと思います。

――「シーンとした空気だった」とのことですが、1話を観た感じでは掛け合いも良くてそういう空気は感じませんでした。

野中ここな たくさんアドバイスをいただいて何度もやり直しました。テンポやタイミングが大事だったので、時間が許す限り何度も何度も3人で挑戦して、それがうまく表れたと思います。

――ちなみに何時間ぐらいかかったんですか。

根岸実花 4時間かけました。しかもギリギリまで頑張りました!

野崎結愛 本当、終わらないんじゃないかってくらいどうしようって(笑)。3人で合わせるセリフも全然合わなくて、目を合わせて「行くよ」みたいな感じでやっていました。

――その4時間のおかげで心は一つになれた?

根岸実花 なりました! 1話目はすごくみんな緊張していましたし、やり方も全然分からなかったので何回もやり直しをして。おにっ子たちも頑張ってるけど私たちもめげずに頑張ったのでそういったところも注目してほしいです!

根岸実花、野崎結愛、野中ここな

共感できるおにっ子

――改めて本作の魅力を

根岸実花 鬼のイメージアップという使命に向かって3人のおにっ子たちがめげずに頑張っていく物語です。3人だけでなく周りのキャラクターたちもすごく個性が強いので見ているだけでとても面白いですし、おにっ子たちがちょっと使命から脱線してしまうところもかわいくて思わず応援したくなるので、その辺も注目してほしいです。ビジュアルもとてもポップで可愛いのでぜひ見てほしいなと思います。

野崎結愛 おにっ子の女の子3人が主役という他のアニメにはない設定がひとつの魅力だと思いますし、イメージアップのために3人が一生懸命頑張っていく姿は私自身もすごく心を打たれます。そうした姿に観ている方も心がポカポカになると思うので、気持ちが温かくなるところも魅力だと思います。

野中ここな 3人のおにっ子が都会に出てきて毎日喜怒哀楽を楽しみながら頑張っていくお話です。本当に色がカラフルで観ていて「かわいいな、楽しいな」って思えます。毎日がとても色鮮やかで「今日も頑張ろうかな」って思える作品ですし、つつじかひまわりかつゆくさか、誰かしらの悩みに共感できると思います。そうしたところも「おにぱん!」の魅力だと思います。

(おわり)

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