大正12年(1923年)7月に日本初の本格的な野外音楽堂として開設されて以来、幅広い音楽分野の公演や数多くの舞台・行事などを催してきた日比谷公園大音楽堂(通称:日比谷野音)は、2023年7月に開設100周年を迎える。100周年を記念して、その歴史的役割と価値を再確認するとともに未来への継承を行う記念事業を2023年4月~11月にかけて実施することが4月22日決定し、実行委員会が発足した。

 日比谷野音は、開設されたわずか2ヶ月後に関東大震災が発生し、娯楽施設の壊滅した市内(都内)にあって、当時の市民生活に健全な娯楽を与える場所として音楽会、舞踏会、野外劇、その他各種行事に利用されていました。太平洋戦争により一時休館したものの、戦後はロック、フォークの音楽会場として盛んに利用され、現在に至っている。キャロルの解散コンサート、キャンディーズの解散宣言、尾崎豊のステージ飛び降り事件など、伝説のステージが数多く生まれただけでなく、日本のロック発展を目指して生まれた「10円コンサート」や女性ミュージシャンのみによる日本初のロック・フェスティバル「YAON の NAON」を開催するなど、日本の音楽発展に欠かせない“唯一無二の特別な聖地”。東京のど真ん中で自然に囲まれる解放感、夕暮れから徐々に深まる暗闇とステージライトの美しさ、公共施設でありながら自由な気風などから、今も多くのミュージシャンに愛されている。

日比谷公園大音楽堂(3代目客席改修後)

 日比谷野音100周年記念事業実行委員会の委員長を務めるのは、音楽プロデューサーであり「日比谷音楽祭」の実行委員長も務める亀田誠治。実行委員会にはその他にも、音楽アーティスト、プロデューサー、音楽業界団体関係者、演出家などが参画し、「ライブ・イベント事業」「アーカイブ事業」「PR(広報告知)事業」を柱として、さまざまな音楽イベントや展示などを開催していく予定。

亀田誠治 実行委員長コメント

亀田誠治

 「いつかは野音のステージに!」僕がプロミュージシャンを目指していた頃、野音は憧れの存在でした。なぜなら、野音は数々のアーティストが伝説のステージを生み出した場所だからです。やがてプロになって野音のステージに立ったとき、緑の森、高く聳えるビル群、その合間を縫って東京の空に飛んでいく音の力強さに心が震えたのを覚えています。そして今でも、野音はその時の感動を変わらずに甦らせてくれるかけがえのない場所です。

 その野音が来年(2023 年)、100周年を迎えます。長い歴史の中で、僕が知っている野音はほんのちっぽけな瞬間かもしれません。しかし、野音から生まれた数々の感動と伝説は永遠にそこに宿り、語り継がれていくのです。

 この 100 年はまだ通過点。今までの100年、そして、これからの100年を、この「日比谷野音 100 周年記念事業」を通じて多くの人に伝えていきたいと思います。

さあ日本の音楽シーンを讃える祝祭がはじまります。みんなで一緒に次の100年を創っていきましょう。

概要

名称: 日比谷野音100周年記念事業
期間: 2023年4月~11月(予定)
主催: 日比谷野音100周年記念事業実行委員会
共催: 東京都
※詳細は決定次第順次発表
数々の伝説を生み出した“音楽の聖地”
日比谷野音100周年
2023 年 4 月~11 月に記念事業の実施が決定
実行委員会が発足

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